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報告書&レポート

2008年9月11日 企画調査部 大久保 聡報告
2008年64号

ベースメタルの国際市場と需給動向(2008年7月号)


1. 国際市場
 7月のLME(London Metal Exchange)の平均価格は、銅が前月(6月)から上昇し、亜鉛、ニッケルが前月から下落した。
 銅は3か月ぶりに上昇し、前月比1.9%増の8,414US$/t、亜鉛は4か月連続で下落し同2.2%減の1,852US$/t、ニッケルは4か月連続で下落し同10.6%減の20,160US$/tとなった。
 銅は供給不足が続いており上昇傾向となり史上最高値を更新した。亜鉛はLME在庫の積増し、供給超過を受け下落が続いている。ニッケルは供給超過を受け下落が続いている。

表1. 銅・亜鉛・ニッケル:LME平均価格と月末在庫 〔2008年6、7月〕
鉱種 LME月平均価格
(cash settlement,US$/t)
LME月末在庫
(t)
6月 7月 前月比 6月 7月 増減
8,260.60 8,414.04 +1.9% 122,600 142,400 +19,800
亜鉛 1,894.48 1,852.37 -2.2% 153,625 157,325 +3,700
ニッケル 22,549.05 20,160.22 -10.6% 46,536 44,526 -2,010


図1. LME月平均価格変動の推移(2003年5月=1、2003年5月~2008年7月)

2. 需給動向

表2. 銅・亜鉛・ニッケル:2008年1~5月の世界の鉱石生産量、地金生産量、地金消費量
  鉱石生産量(金属含有量) 地金生産量(金属含有量) 地金消費量 需給
バランス(t)
1~5月(t) 前年同期比 1~5月(t) 前年同期比 1~5月(t) 前年同期比
6,187,000 -3.1% 7,553,000 +1.3% 7,708,000 +0.2% -155,000
亜鉛 4,816,000 +9.2% 4,826,000 +1.8% 4,767,000 +1.0% +59,000
ニッケル 662,100 -2.5% 610.700 +1.1% 571,600 -2.3% +39,100
(出典:ICSG、INSG、ILZSG)

2.1 銅
【需要】
 2008年1~5月累計の世界消費量は前年同期比0.2%増の7,708千tであった。世界消費は2月1,467千t、3月1,574千t、4月1,596千t、5月1,556千tと推移している。国別では2位米国が3.5%減、3位ドイツが3.0%減だったものの、最大消費国の中国が2.0%増、4位日本が1.1%増、5位韓国が5.4%増となり世界計としてわずかに増加した。

【供給】
 2008年1~5月累計の鉱石生産量(金属純分、以下同様)は前年同期比3.1%減の6,187千tであった。鉱石生産は2月1,156千t、3月1,269千t、4月1,247千t、5月1,310千tと推移している。鉱山設備稼働率は2月82.9%、3月82.0%、4月83.1%、5月85.5%と推移している。国別では2位米国が9.2%増、3位ペルーが9.6%増、4位中国が7.9%増であったが、最大生産国のチリが3.2%減、5位豪州が4.4%減により世界計として3.1%減少した。
 2008年1~5月累計の地金生産量は前年同期比1.3%増の7,553千tであった。地金生産は2月1,432千t、3月1,556千t、4月1,526千t、5月1,534千tと推移している。精錬所設備稼働率は2月84.2%、3月82.4%、4月83.2%、5月80.7%と推移している。国別では、2位チリが3.7%減、3位日本が3.6%減、4位米国が3.4%減、5位ロシアが0.8%減であったが、最大生産国の中国が11.0%増により世界計として1.3%増加した。

【需給バランス】
 2008年1~5月累計の銅需給バランスは155千tの供給不足であった。2月に35千t、3月に18千t、4月に70千t、5月に21千tと供給不足で推移している。季節調整後の需給バランスでは2月に3千tの供給不足、3月に25千t、4月に8千tの供給超過、5月に4千tの供給不足と推移している。
 LME在庫は5月末に126千t、6月末に123千t、7月末に142千tと推移している。

表3. 銅:需給推移

【価格】
 7月のLME銅価格は7月1日に8,711US$/tでスタートした後は、7月3日に史上最高値を更新し8,985US$/tまで上昇した。その後は下落傾向に転じ7月30日に8,055US$/tとなり、7月31日にやや戻して8,261US$/tで終了した。


図2. LME銅地金価格・在庫の推移(2007年6月1日~2008年7月31日)

2.2 亜鉛
【需要】
 2008年1~5月累計の世界消費量は前年同期比で1.0%増の4,767千tであった。3位日本が1.2%減、4位のドイツが7.2%減、5位の韓国が4.7%減となったが、最大消費国の中国が8.5%増、2位の米国が1.1%増となり世界計として1.0%増加した。

【供給】
 2008年1~5月累計の鉱石生産量は前年同期比で9.2%増の4,816千tであった。最大生産国の中国が13.0%増、2位ペルーが8.1%増、3位豪州が6.3%増、4位の米国が10.8%増、5位カナダが2.3%増と世界的な増加傾向により世界計として9.2%増加した。
 2008年1~5月累計の地金生産量は前年同期比で1.8%増の4,826千tであった。最大生産国の中国が0.5%減、2位カナダが3.9%減となったが、3位韓国が5.9%増、4位日本が11.5%増、5位インドが28.2%増と大幅増となり世界計として1.8%増加した。

【需給バランス】
 2008年1~5月累計の需給バランスは59千tの供給超過となった。2007年末からの供給超過の状態が続いていたが5月には供給不足となっている。
 LME在庫量は5月末に144千t、6月末に154千t、7月末に157千tと回復傾向で推移している。

表4. 亜鉛:需給推移

【価格】
 7月のLME亜鉛価格は7月1日に1,895US$/tでスタートしてから7月7日に一旦1,777US$/tまで下落した。その後、7月11日に2,024US$/t迄上昇した後は変動を続け7月31日に1,907US$/tで終了した。


図3. LME亜鉛地金価格・在庫の推移(2007年6月1日~2008年7月31日)

2.3 ニッケル
【需要】
 2008年1~5月累計のニッケル消費量は571.6千tで、前年同期比2.3%減となった。消費量第1位の中国は15.4%増であったが、第2位日本は8.5%減、第3位米国は8.2%減、第4位ドイツは1.4%減、第5位台湾は26.0%減と大幅減となり世界計として2.3%減少した。

【供給】
 2008年1~5月累計のニッケル鉱石生産量は662.1千tで、前年同期比2.5%減となった。第3位インドネシアは24.4%増と大幅増、第4位豪州は18.8%増であったが、最大生産国のロシアが前年並み、第2位カナダは0.1%減、第5位のニューカレドニアは20.8%減と大幅減となり世界計として2.5%減少した。
 2008年1~5月累計の一次ニッケル生産量は610.7千tで、前年同期比1.1%増となった。最大生産国ロシアは3.5%減、第4位日本は7.3%減であったが、第2位中国は6.1%増、第3位カナダは0.4%増、第5位豪州は15.5%増で世界計として1.1%増加した。

【需給バランス】
 2008年1~5月累計の需給バランスは、39.1千tの供給超過となっている。
 LME在庫は5月末に49千t、6月末に47千t、7月末に45千tと推移している。

表5. ニッケル:需給推移

【価格】
 7月のLMEニッケル価格は7月1日に21,735US$/tでスタートした後は乱高下しつつ7月10日に21,880US$/tまで上昇した。その後は下落を続け7月28日に18,150US$/tとなり、7月31日18,635US$/tで終了した。


図4. LMEニッケル価格・在庫の推移(2007年6月1日~2008年7月31日)

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