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報告書&レポート

2009年3月5日 ロンドン事務所 フレンチ香織報告
2009年11号

INDABA 2009(第14回アフリカ鉱山投資会議)

  INDABAは、例年、南ア・ケープタウンにて開催され、アフリカ各国の政府関係者、鉱山会社、ジュニアの探鉱会社、金属需給動向やファイナンスのアナリスト等が集まる世界屈指の規模の鉱業大会である。2009年は2月9~12日の間、連日、講演会とブース展示が行われた。JOGMECも前年同様ブースを出展し、また、JOGMEC川崎本部の森脇理事はJOGMECの活動や役割について、ボツワナ・リモートセンターの鈴木所長はリモートセンシングシステムの紹介及び同センターにおける教育プログラムについての講演を行った。

1. INDABA 2009の現場観察~経済不況により、参加者が減少~

写真1. 会場エントランスフロアーの様子
写真1. 会場エントランスフロアーの様子

 2009年は金融危機の影響により、公式参加数は4,000人(前年6,000人、約20%減少)で、実際はそれより少なく見受けられた。ブース数も約200件で、前年より50件程減少したが、豪州とカナダは展示フロアで独自のラウンジを設け、豪州からは約150社、400人程が参加したと報じられている。一方、INDABAでは中国の動向が注目されていたが、中国からの展示ブースは無く、参加者も少なかった。なお、日本企業の参加は、商社・非鉄金属・日本政府機関を合わせ8社と、前年とほぼ同様の数で、日本からの展示ブースはJOGMEC 1件のみ(JICAはザンビアブースを支援)であった。『INDABA』とは、南ア原住民のZULU語で『ビジネス(Business)』の意味である。その文字どおり、多くの企業がJV事業及び供給契約等を目的に参加し、いたる所でビジネス会合が行われていた。IFC(国際金融公社)の講演によれば、株式市場は2009年後半に向けて回復が予想されているが、現状は未だ低迷しており、また、鉱山会社は資源アセットをベースに資金調達を行うため、経済回復時期の見通しが付かないことから、銀行からの借入が困難となっている。よって、多くのジュニア企業が生産開始に漕ぎ着けるため、メジャー企業とのM&AまたはJVの機会を狙っていた。


写真3. JOGMECブースの手前、南ア鉱業・エネルギー省ブース(Sonjica大臣が訪問し、人が賑わう。)
        写真3. JOGMECブースの手前、
             南ア鉱業・エネルギー省ブース
        (Sonjica大臣が訪問し、人が賑わう。)
写真2. 展示フロアの様子
写真2. 展示フロアの様子
(展示フロア1階は広い空間であったが、閑散としている。)


2. INDABA2009の講演内容~景気回復時期、中国の動向に注目~

写真4. 大講堂1の様子
写真4. 大講堂1の様子
(本会議では、大講堂1、2に加え、大臣セミナーが開催されたSuite 4.1、そしてInvestors Interchangeの企業事業紹介セミナーのHall 3と、4つの講義室で同時に講演が行われていた。)

 2009年の注目は、金融危機に伴う景気低迷、各種金属の価格予想、そして今後の景気回復のカギとされる中国の需給動向を論点とする講演であった。前年同様、アフリカで操業中のメジャー鉱山企業は、CSR(Corporation Social Responsibility=企業による社会的責任)及び、アフリカ地域社会での価値創造を強調し、また、大臣フォーラムでは、アフリカ各国の鉱山大臣が自国の鉱業投資環境の魅力を紹介した。本会議の最終日は、アフリカでの中国の動向に関する講演であった。


2-(1). 南アフリカ共和国鉱業・エネルギー省(DME)、Sonjica大臣による講演
[1]南アの鉱業、雇用対策に対する懸念

写真5. DME、Sonjica大臣による講演
写真5. DME、Sonjica大臣による講演
(2009年2月10日7:55am~8:20am)

 前年9月からの世界経済危機は、南ア経済が依存しているプラチナ、フェロクロム、ダイヤモンド産業にも大きな打撃を与え、同国も経済不況に陥っている。世界経済不況の雪解けは見通しが付かず、同国政府も対策に頭をかかえている。Sonjica大臣は、南アでの鉱山労働者の失業率の増加を懸念し、同会議に参加している鉱山企業に対して、「雇用削減を避ける対策を至急に立案する必要がある。」と呼びかけ、また、「現在の鉱業界に対する世界経済の減速の影響は、一時的なもので、企業は次のコモディティブームに備えて行動すべきだ。」と提言した。


[2]鉱山保安対策について
 2008年の調査(Presidential Mine Safety Audit)によると、同国の安全対策を遵守している企業の割合は66%であった。Sonjica大臣は、この遵守率は「受け入れ難い」と発言し、更なる鉱山における安全性の向上を求めた。

[3]南アの電力問題に対する対策~2018年に問題解決~
 南ア政府は、国及び地方の交通設備計画に総額220億ZAR(ランド)を投資し、石炭を各発電所に搬送するための交通網と貯炭ヤードを整備することによって、2018年には電力不足を解消する計画である。(なお、南アの電力会社Eskomは、本計画に550百万ZARを援助している。)220億ZARのうち、150億ZARは、既存道路の整備に利用し、残りの70億ZARで、新しい高速道路を建設する予定である。その他、10億ZARを投資し、Limpopo地域のLephalale付近でMedupi新・発電所への道路を建設する計画である。現況では、同国全体の需要を満たすためには、40,000MWの電力が必要であると言われているが、2009年には2,000MWの電力を追加して、最終的には33,000MWを供給することを目標としている。また、Sonjica大臣の講演では、「我が国は、原子力エネルギー計画を破棄した訳ではなく、現時点では延期する方向である。」と述べた。

[4]鉱業権更新/申請、提出期限の延長は無い
 「南ア鉱業憲章(Mining Charter)に定められている鉱業権更新/申請に関して、提出期限を延期する計画は無い。」と発言した。南アの既存鉱業権所有者に対し、規定どおり2009年4月30日までに鉱業権を更新するよう注意を促した。また、期日迄に更新しなかった場合は、既存の鉱業権が無効となる可能性があることを示唆した。その他、BEE(Black Economic Empowerment)政策に関しては、未だ数少ないケースでしか達成されておらず、同憲章で定められている目標に達するためにも、今後の南アの鉱業界におけるBEE政策の促進を訴えた。

※[4]に関する補足説明
 (詳細:http://www.jogmec.go.jp/mric_web /current/07_36.html)
 南アでは2004年、鉱業憲章(Mining Charter)が制定され、既存鉱業権者の見直しとBEE被益者への権益譲渡の加速化が図られることとなった。既存の鉱業権を保有する企業は、2009年4月30日までに、企業のBEE政策への取組みの程度を示すスコアカード(職業訓練、雇用機会均等、地域社会への還元、住宅の提供、権益持ち分など9の大項目に達成度を記入)と、その労働及び社会計画書を提出して、鉱業権を再申請(更新)することが求められている。しかしながら、2008年10月の地元業界紙によれば、70%以上の企業が未だ更新手続を完了しておらず、また、2009年2月11日の報道では、DME(南ア鉱業・エネルギー省)には、約1万8千件の更新申請しか受け付けていない。Sonjica大臣は同講演で、DMEは6か月以内に探鉱権の申請を審査し、1年以内で鉱業権更新の見直しを完了すると発表していたが、DMEが果たして、期日にまで対応できるかのDMEの管理能力が問われている。BEE政策の具体的な内容に関しては、2009年までには各企業がHDSA(Historically Disadvantaged South African:歴史的に(1993年以前に)不利益を被ってきた南ア人)に対して、最低でも15%の権益譲渡、その後遅くとも2014年までに26%の権益譲渡を完了しなければならない。また、マネージメントでは、各企業がBEE被益者の雇用40%を導入し(管理職のレベルは関係ない)、鉱山労働者の住居、栄養摂取、読み書きと雇用スキルの向上が求められている。

2-(2). Anglo American南ア所長、Kuseni Dlamini氏による講演
 同氏の講演では、アフリカ投資への魅力と、同社のアフリカへの貢献活動の例が幾つか報告された。

写真6. Anglo American、Kuseni氏による講演
写真6. Anglo American、Kuseni氏による講演
(2009年2月10日9:05am~9:26am)

表1. Anglo Americanのアフリカへの貢献活動の例
INVESTMENT
OF CHOICE
(最大級の投資)
  • ・同社は2008年、納税により南ア政府に123億ZARを納付し、南アで189億ZARの資本投資を行った。また、南ア支社及び子会社は同年、SME(Black-owned and managed small and medium businesses)企業との取引で、消費者、サービス、資本支出等として246億ZARを支出した。
EMPLOYER
OF CHOICE
(最善の雇用主)
  • ・Anglo Americanは、南アだけで約7万7千人の正社員を雇用し、約3万人の契約雇用者を雇用している。地域社会の現地人に積極的に雇用機会を与えている。
  • ・HIV/AIDS予防対策に関しては、同社のAIDSカウンセリング及びテストプログラムで、AIDSテストを受けた従業者の割合は78%に達し、Anglo Coalでは96%に達した。現在は、雇用者の扶養者に対しても抗レトロウイルス療法の治療を提供するよう展開している。(補足説明:同社は1990年以来HIV・AIDSの撲滅運動に励んでおり、同社従業者の約19%、13,886人がHIV感染者と報告されているが、更なる感染を予防するために、新HIV感染者のゼロ運動、雇用者及びその家族のAIDSによる死亡のゼロ運動、HIV感染者からの新生児のAIDS感染予防を目標としている。)
PARTNER
OF CHOICE
(最善のパートナー)
  • ・NGO団体と提携して、ホスト政府との良い協力関係を結び、関連企業及び消費者、作業鉱山近辺の地域社会とのパートナーシップを形成し、地域の企業開発の先進企業になることを目指している。
  • ・2008年には、小規模ビジネス開発部門(Anglo Zimele)によって、Small Business Startup Fundを設立し、Anglo Zimeleは2008年12月時点で、BEE小企業に対し、179件、計51.9百万ZARの融資を承認している。なお、本融資制度では、同社操業周辺の地域社会で、持続可能な役割を果たしている地域集中型のSME企業に対して、事業資本を提供し、本プロジェクトによって、1,647人の雇用機会を創出した。
  • ・BEE対策に関しては、同社が最大規模に取り組んでいると考えられ、1993年以来、791億ZAR相当の取引を行っている。
その他(EITI)
  • ・アフリカでの資源に絡んだ紛争などを撲滅するため、EITI(Extractive Industries Transparency Initiative)に積極的に参加しており、同社は鉱業セクター代表2社のうちの1企業である。EITIを通じて、公金横領の撲滅を目指し、限りのある収益(Time-limited revenue)がどのように使用、管理されているかについて、信頼性を向上することを目標としている。

※EITIに関する補足説明
(詳細:http://www.eitransparency.org)
 EITIは2002年、南ア・ヨハネスブルグにて開催された持続開発における国際会議にて承認された。その目的は、企業の政府または政府関係者への支出、そしてホスト国政府の税金及びロイヤルティによる歳入の透明性を向上することである。2009年2月の時点で、26か国がEITIの候補国(Candidate Countries:EITIを施行する意図を示し、EITIが指定する4つの署名条件(4 sign-up indicators)を通過した国)となっている。アフリカからは、アンゴラ、カメルーン、DRCコンゴ、ギニア、ガーナ、リベリア、マダガスカル、マリ、モーリタニア、ニジェール、ナイジェリア、コンゴ、タンザニア(2009年2月より)等が含まれており、ボツワナ、ザンビアも公式に参加への関心を示している。なお、ギニア、ナイジェリアはEITI報告書を既に完成しており、ナイジェリアはEITIに積極的に参加している。

2-(3). INDABA 2009での中国セミナー
(講演者:Frontier Advisory社CEO、Martyn Davies氏)
[1]中国とアフリカの経済相互成長(New Coupling)と、中国がアフリカに注目した理由
 1993年以前は二国間の貿易は皆無に等しかったが、1996年以降、中国とアフリカの間に経済交流が始まり、その後、中国とアフリカの経済成長は相関して推移している(通称:New Coupling)。これは、①中国の資源需要がアフリカの供給で満たされ、アフリカへの歳入が増加する、②アフリカにおける安価な中国製品の需要が増加し、中国の経済発展を促進するからである。両国間の貿易は2008年、1068億US$(前年比45.1%増)を記録し(内訳:アフリカからの中国輸入:560億US$、中国からのアフリカ輸出:508億US$)、中国は米国に次いで、アフリカの第2番目の貿易相手国にまで成長した。引続き2009年も、先進国は経済成長を大幅に減少するが、アフリカと中国は相関して増加が予想され、中国は7.5~8.5%の経済成長(IMF予想は6.7%)、アフリカは3.4%が期待されている。なお、中国輸入の大半は、アンゴラ、スーダン、ナイジェリア、ザンビア、DRCコンゴ及びコンゴ共和国の石油及び鉱物資源によるものである。
 では、世界にはアフリカ以外にも資源国は存在するが、なぜ中国はアフリカを投資先に選んだのか。同氏は、以下の4つの要因を例示した。

  • 1)アフリカの巨大な新興消費者市場(アフリカには約900百万人の消費者が存在する。)
  • 2)戦略的にオープンなアフリカでの資源確保(アフリカはロシア・CISなどに比べて開放的な資源豊富国と判断した。石油に関しては、ロシアと日本が、サハリン石油開発で中国を跨いでパイプラインを建設する計画を発表したので、別の場所で石油の確保が必要であった。)
  • 3)中国企業に対して商業の訓練場所を準備
  • 4)コモディティの供給チェーンの確保(LMEなどの西洋からの中間媒体を省略して、資源に直接アクセスを狙った。)

 このように、中国政府によるアフリカへの投資は突発的なものではなく、長期的な戦略と言える。

[2]中国のアフリカ投資増加とその要因
 講演者のデータによれば、2008年10月~2009年1月の4か月間で、中国政府及び中国企業の大規模なアフリカ投資計画は17件に上り、インフラ設備、鉱山開発、エネルギー開発などに対して、1.45~7,300百万US$程の開発計画を発表している。(同氏によれば、詳細は世銀のPIAF[Public-Private Infrastructure Advisory Facility]が発表しており、これから減少する可能性は高い。)これは、中国政府が、アフリカ投資への金融支援制度(例:政府による中国・アフリカ開発基金[CADF]など)を確立し、これによって、多くの中国企業及び政府機関が、アフリカ開発プロジェクトに対する資金調達を行えるためである。中国は世界金融危機が起こる前、オリンピック開催等により急成長した経済を減速させるために、インフラ設備への投資を削減して調整を実施した。しかしながら、その直後にアメリカの景気が冷え込み、そして、米国への輸出市場が縮小されたため、中国の経済減速政策が失敗に終わり、同国経済成長率は2008年、約14%の予想から、約9~10%に下落することとなった。その背景により、中国は景気回復のためにも大規模な経済成長パッケージを必要とし、北京及び中国政府はここ3か月間、国内の銀行に金融融資を積極的に行うよう指導している。よって、不況のなかでも、円滑なアフリカ投資が増加していると考えられる。

[3]中国とアフリカの外交関係、今後の見解と課題
 中国は、従来の西洋におけるアフリカ投資方法とは異なり、アンゴラ西部、スーダン、DRCコンゴ、ナイジェリアのようなリスクの高い国における事業に興味を抱き、また急速且つ劇的にアフリカへ投資している。中国の胡錦濤国家主席は、“Confidence is more valuable than gold”と述べているが、現在も北京ではケニア等における政治混乱が懸念されており、今後の見通しは未だ付いていない。また、最近では、DRCコンゴのKatanga銅製錬所の約50%は、中国企業によって運営されているが、(金属価格の下落と現地の治安悪化からか、)中国人が約89%を占める現地従業員に給料も払わずに姿を消した話を、講演者は現地で聞いている。アフリカ開発では「現地住民との信頼」が重要である。無論、企業によって方針は異なるが、中国政府は現在、アフリカとの信頼を回復しながら、更なる投資を継続し、また、新たな無償援助や債務免除を打ち出して、アフリカ-中国の資源需給の強化を促進する計画である。

[補足内容]
 INDABAと同時期である2月12~17日間、中国の胡錦濤国家主席はアフリカ4か国を歴訪していた。今回は、資源小国であるマリ、セネガル、タンザニア、モーリシャスを訪問し、中国とアフリカの関係は、エネルギー資源の確保だけが目的ではないことをアピールしたと報じられていた。

3. JOGMECによる活動報告

写真7. JOGMEC展示ブースの外観
写真7. JOGMEC展示ブースの外観

 JOGMEC川崎本部から森脇理事が『日本のアフリカ鉱業投資を促進するためのJOGMECの役割及び活動(Facilitating Mining Investment from Japan to Africa-The Role and Activities of JOGMEC-)』に関する講演を行った。また、2008年7月に開設したJOGMECボツワナ・リモートセンターからは鈴木所長が、『リモートセンシングシステムの紹介及び、同センターでの教育プログラム(JOGMEC Geological Remote Sensing Project In BOTSWANA)』についての講演を行った。森脇理事の講演では、JOGMECのJV探鉱状況及びJVスキームが紹介され、講演後はJOGMEC展示ブースに、JOGMECのJVスキームへの興味関心が示す企業が多く集まった。また、本講演後、大講堂でのパネル・ディスカッションでは、JOGMECのアフリカでのリモートセンシング技術の教育活動は、アフリカにとって非常に有益な活動であり、また、資源確保の方法の良い例として紹介された。鈴木所長の講演では、ボツワナ・リモートセンターの2008年7月に開幕式を行い、活動は半年余りが経ち、2009年はリモートセンシング技術をSADC諸国への展開を計画していることを発表したため、多くのアフリカ政府関係者等が、JOGMECブースに質問に訪れ、同センターが実施している衛星画像分析を高く評価する声が寄せられた。


写真8. 森脇理事による講演
写真8. 森脇理事による講演
(Ministerial Forumにて)

写真9. 鈴木所長による講演
写真9. 鈴木所長による講演
(Investor’s Interchangeにて)

4. さいごに
 INDABAでは、今後のアフリカ投資そして経済発展が期待されていた。IMFによれば、世界経済の成長率は、購買力評価に基づくと2008年の3.5%から、2009年は0.5%と大幅な減少が予想されている(70年前の第2次世界大戦以来、最低の伸び)。しかしながら、アフリカの経済成長率は、2003~2007年まで約5%、2008年は5.2%に対して、2009年も3.4%が期待されている。また、アフリカには、石油・天然ガス資源に加え、世界のプラチナの90%がアフリカに存在し、クロム鉄鉱は80%、ダイヤモンドは世界の2/3、マンガン及びコバルトは60%、金は40%が存在すると言われている。従って、アフリカは次の経済成長の焦点として位置付けることができ、鉱業における外資直接投資の魅力を持ち合わせている。
 無論、アフリカには現在も、ガバナンスの弱さ、インフラ及び電力不足、HIV/AIDS、貧困問題と多くの課題が残されているが、特に、鉱業投資に関しては、前二者が大きな課題としてあり、INDABAのパネル・ディスカッションでは、ボツワナの経済発展は、ガバナンスの透明性が大きな要因になると指摘された。Anglo Americanによれば、アフリカは過去に比べて、政治的により安定しており、アフリカ人が自国の問題に真剣に取り組み、アンゴラ、モザンビーク、シエラレオネの例のように、長期的な紛争はその規模を縮小しつつある。また、EITIの活動も透明性の改善に貢献している。そして、アフリカ諸国では、経済不況により外資導入姿勢が高まっており、鉱業の活性化のため、税制等を軽減する動き(南ア:ロイヤルティ適用の延期を検討中、DRCコンゴ:税制上の優遇処置を検討中、ザンビア:超過利得税の免除など)や、インフラ整備計画(南ア、タンザニア、ナミビアなどのエネルギー向上計画)が見られる。このように、INDABA会議は、アフリカが資源の豊かな国として魅力を持ち合わせ、また、世界不況に屈せず、外資に対する信頼性(Confidence)を改善させるためのアフリカ各国政府の改革が確認できた極めて有意義な会議となった。

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