閉じる

報告書&レポート

2009年10月1日 シドニー事務所  原田富雄、増田一夫資源探査部探査第3課 野尻冴子
2009年48号

鉄鉱石関連学術会議(Iron Ore 2009)参加報告及びWA州鉄鉱石開発の動向

 2009年7月27~29日、豪州WA州PerthにてIron Ore 2009[主催者:大洋州採鉱冶金学会(AusIMM: Australasian Institute of Mining & Metallurgy)]が開催された。以下、本稿では、会議の概要とともに、豪州鉄鉱石産地であるWA州での最近の鉄鉱石開発動向について報告する。

1.Iron Ore 2009の概要
1-1.プログラム
 会議での講演数は約50件、展示用ブースの出展は約40件で、約370名(ブラジル、英国、カナダ、中国、インド、米国、ドイツ、オランダ、スペイン、韓国、日本からの参加を含む)が参加した。本会議のプログラムは表1のとおりである。

表1.“Iron Ore 2009”のプログラム
<第1日目 (7月27日)>
◎セッション1:開会、基調講演
講演タイトル 講演者
開会挨拶 WA州/鉱山石油大臣
Norman Moore
豪州第3位の鉄鉱石生産者になるための探鉱事業 Fortescue Metals Group社/常務取締役
Graeme owley
中国鉄鋼業の現状と将来、及び
低品位鉄鉱石の活用
中国Central South大学/教授
Dequing Zhu
◎セッション2:地質及び鉱石の特徴(Part1)
顕生代卵状鉄鉱石鉱床-探鉱目標 Australian Resources Research Centre/地質技師
F McGregor他, E Ramanaidou, M Wells
河川堆積鉱床-Caliwingina Creek及び Central Hamaersley Ranges(WA州) 周辺の主要新地域 Rio Tinto Exoloration社/地質技師
H J Dalstra他, T Gill, A Faragher, B Scott, V Kakebeeke
Solomon鉄鉱床の発見 Fortescue Metals Group社/上級地質技師
N Clarke他, D Kepert, C Simpson, D Edwards
カナダの鉄鉱石有望地域における新規探査 Altius Resouces社/副社長
C Seymour他, L Winter, J O’Driscoll, R butter
◎セッション3:鉱山及び鉱石処理(Part1)
開発当初に盛り込むべき閉山対策-投資費用節減のため BHP Billiton Iron Ore社/閉山・リハビリ責任者
K Sommerville他, J Heyes
大型油圧掘削機の移動に対するモジュール式輸送車の活用 クイーンズランド大学/教授
M Bastock他, P Knights, B Flynn
低温熱処理による鉄鉱石からのリン除去 CSIRO/研究者
M J Fisher-White他, R R lovel, G J Sparrow
細粒焼結鉱の特性と焼結効率 CSIRO/研究者
L Lu他, J R Manuel, R J Holmes, R Smyth, M Adam, A Edenton, N Ware, T Raynlyn
◎セッション4:地質及び鉱石の特徴(Part2)
Hamersley Basin稜線踏査-Davidson Creek, Robertson Range (WA州、Hamersley地域)プロジェクトにおける層位状況と鉄鉱化 Warwick Resources社/上級地質技師
P Darvall他, R MacCarthy, P Hawke
磁鉄鉱・赤鉄鉱、スカルン鉱脈(ペルー)産出鉄鉱石の鉱物学的・テクスチャ特性解析 CSIRO/研究者
S Hapugoda他, M J paterson, J R Manuel
ピソライト代替生成とWA州における鉄鉱床開発 Schwann Consulting社/社長
P B Schwann
Carajas鉱区(ブラジル、Para州)のGrao Para層群と緑色岩帯の鉄鉱石層の相違点 Vale社/上級地質技師
A de C Zapparoli他, A A Seabra, G J I dos Santos, H F Galbiatti

<第2日目 (7月28日)>
◎セッション5:基調講演
講演タイトル 講演者
半世紀における鉄鉱石産出-将来への反省点 GRD社/会長
Hon Richard Court
Okajee港湾・鉄道建設プロジェクトと、Jack Hills、Weld Range、Rocklea鉄鉱床 Murchison Metals社/社長
Paul Kopejtka
縞状鉄鉱層由来の鉄鉱石産出と探査への応用 西豪州大学/教授
Steffen Hagemann
◎セッション6:地質及び鉱石の特徴(Part3)、並びに鉱山及び鉱石処理(Part2)
浅成模做及び浅成ラテライト鉄鉱床の比較 CSIRO/研究者
E Ramanaidou他, R C Morris
発破効果向上のための電子起爆システム使用 Orica Mining Services社/技術サービス技師
R Turnbull
Carina鉄鉱床(WA州、Yilgarn鉱徴地)の地質と鉱化 Polaris Metals社/地質技師
B E nicolson他, D C Kettlewell, J Lea
鉄鉱石ピットの最適化における確率的スロープ設計とその適用 Coffey Mining社/上級地質工学技師
S Narendranathan
資源分類法内在リスク評価への地質統計学的貢献 Vale社/鉱山技師
L E de Souza他, J F C L Costa, J C Koppe
磁鉄鉱加工-粉砕オプション比較 GRD Minproc社
B McNab他, A Jankovic, D David, P Payne
鉄鉱石の高速工業分析法としてのX線回折技術-探査から加工制御まで PANalytical BV社(オランダ)
U Konig他, L Gobbo
中国鞍山酸化鉄鉱石加工産業の近代化におけるSlon社製磁気分離機の応用 Slon Magnetic Separater社(中国)
X Dahe
◎セッション7:地質及び鉱石の特徴(Part4)、並びに鉱山及び鉱石処理(Part3)
WA州Koolyanobbing鉱山K Deepsの磁鉄鉱化 Cliffs Natural Resources社/上級地質技師
C P Guarin Jr他, T Angerer, N H Maund, D R Cowan, S Hagemann
WA州磁鉄鉱鉱山における尾鉱・捨石たい積場の地形 Golder Associates社/社長
D A Williams他, D R Anstey
Robertson Range, Davidson Creek鉄鉱床(East Pilbara)における重力探査ツールの活用 Hawke Geophysics社/社長
P Hawke他, P Darvell, R MacCarthy
磁鉄鉱破砕の際の高圧破砕ローラーの使用 ProMet Engineers社/冶金技師
B C Povey
電位法を利用した鉄鉱地質及び資源モデルの3次元描写 Intrepid Geophysics社/取締役
D FitzGerald他, J-P Chiles, A Guillen, Phil McInerney
給鉱品位からの最終的な塊鉱、粉鉱の品位及び塊鉱比率の予測 西豪州大学/名誉教授
J E Everett他, T J howard, K Jupp
鉄鉱床の多変量条件シュミレーション-通常のKriging使用モデルからの優位性 New England大学/学生
C Boyle
◎セッション8:地質及びプロジェクト開発、並びに鉱山及び鉱石処理(Part4)
プロジェクト遂行代替法のための人員編成 URS Australia社/鉱山・鉱物ビジネス担当取締役
J Jeffery
条件的シュミレーションを使用しての鉄鉱石減耗・希釈要因の予測 Vale/地質技師
D T Ribeiro他, J F C L Costa, m Vidigal, D Roldao
Dampier鉄鉱石積出港改修プロジェクト-エンジニアリング・調達・建設管理及びプロジェクト管理の概観 Sinclair Knoght Merz社/上級社長
P Peddoes他, S Russell, A Radici
磁鉄鉱加工及び検査作業の動向 Mineral Engineering Technical Services社/加工マネージャー
N Dowson他, D Connelly, D Yan
ダスト管理-型破りの思考方法 Sinclair Knoght Merz社/上級環境研究者
J harper
インドの縞状碧玉赤鉄鉱選鉱用重力スパイラルの評価 NMDC社/研究所長
D R Venkatesulu, N K Nanda

<第3日目 (7月29日)>
◎セッション9:基調講演及び鉱石処理(Part1)
講演タイトル 講演者
ピット内破砕・搬送 Sinclair Knoght Merz社/マネージャー
D Morrison他, L Lourel
王冠の宝石維持:鉄鉱石部門における科学と技術 CSIRO/理事
Dr Peter Lilly
超細粒磁鉄鉱用新磁気ドラム分離機 Maanshan Tiangong Technology社(中国)/社長
Q Li他, Z Tong, X Wang, M gao
◎セッション10:鉱石処理(Part2)
鉄鉱石の乾式製錬の可能性における新概念 Mineral Technologies社/上級研究技師
R pax他, M Germain, D Henderson
リバース・カチオン浮遊選鉱によるSishen鉄鉱スライムの改善 CSIRO/研究者
X Ma他, K Davey, A Giyose, V Malysiak
粉鉱焼結効率数学的モデルの発展 CSIRO/プロジェクト責任者
E Donskoi他, J R Manuel, L Lu, R J Holmes, A Poliakov, T Raynlyn
◎セッション11:鉱石処理(Part3)
鉄鉱石採鉱・破砕・貯鉱・船舶輸送用品位変動性シュミレーションモデル 西豪州大学/名誉教授
J E Everett他, T J howard, K Jupp
塊鉱の特性と高炉稼動への影響 CSIRO/チームリーダー
塊鉱の特性と高炉稼動への影響 L Lu他, R J Holmes, J R Manuel, A Edenton, M Adam, R Smyth, S Hapugoda
鉄鉱ペレット工場における動的シミュレーション Hatch社(カナダ)/上級エンジニア
P Lavoie他, P Navarra, R Kuhne

1-2.講演の概要
 3日間に渡る学術講演では、鉄鉱石鉱床の地質状況や探査・開発事例、鉱石処理、インフラ整備、市場分析等、幅広い分野の研究成果が発表された。特に、鉱石処理に関するセッションは最も講演数が多く、従来の稼行対象である赤鉄鉱主体の高品位鉱だけでなく、磁鉄鉱や菱鉄鉱を含有する鉱石の選鉱や、比較的高濃度のリンを含む低品質鉱からのリンの除去等について経済的・技術的視点から活発に議論され、現存のインフラ周辺でいかに可採鉱量を増やすかが大きな課題となっていることが示された。また、鉱床地質に関するセッションでは、豪州やブラジルの鉄鉱石産地における研究成果をもとに鉱床の成因分析、物理探査やボーリング調査の適用事例が示され、鉄鉱石の探査にも焦点が当てられた講演であった。

1-3. 感想
 会議では、全日程を通じて中国系の参加者が目立ち、市場分析に係る講演でも近年の中国の需要増大に言及するなど、豪州の鉄鉱石産業界では、中国のマーケットが今後さらに拡大すると見て、重要なパートナーと捉えている様子であった。中国からの投資は、WA州Pilbara地域やMid-West地域での鉄鉱石開発に急速に流入しており、昨年までの企業買収という投資形態から、UnincorporatedなJVへの投資にも意欲を見せている。また、鉄道、積出港のインフラ投資にも目を向けており、周辺インフラを含む鉄鉱石資源を確実に確保(保有)する形態がより一層明確となっている。これは、資源確保という観点から競合する日本にとっても注目すべき動向と思われる。
 本会議は学術的な講演が多く、特に、豪州最大の研究機関で6千人を超える研究者を要する豪州連邦科学産業研究機構(CSIRO)からの講演が数多く占めた。このうちCSIROで研究する中国系の講演者も多く、聞くところによれば、中国から豪州の大学に鉱山・冶金学を学びに来る留学生が研究者として残るケースが多いとのことであった。鉄鉱石の資源国としての豪州、中国の結び付きが、こうした基礎研究の場に置いてもパイプを太くしていることを感じ取ることができた。
 現在、BHP BillitonとRio TintoがPilbara地域における鉄鉱石生産事業を統合しようとする動きがあり、鉄鉱石大手の寡占状況が色濃くなる中で、磁鉄鉱や低品位鉱までも貪欲に飲み込んでいる中国鉄鋼業界再編の動きも激化しつつあり、今後の鉄鉱石資源の将来を垣間見る機会となった。

2.注目を集めるWA州鉄鉱石プロジェクト
 豪州鉄鉱石産地であるWA州での最近の鉄鉱石開発の動向について以下の通り取りまとめたので紹介する。


(出展:WA州地質調査所(Western Australia Geological Survey))

(1)SINOプロジェクト、Cape Preston港開発(図中番号[1]、23)

  香港証券取引所に上場するCITIC Pacific社(中国国際信託投資公司パシフィック)の完全子会社であるCITIC Pacific Mining Management社が、総額35億US$を投資する開発事業。鉄鉱石鉱山開発の他、精鉱ペレット製造設備、鉄鉱石スラリーのパイプライン建設、海水淡水化プラント、ガス発電所及びCape Preston港湾整備により、2010年半ばに2,760万t/年の精鉱ペレットの出荷を目指す。

(2)West Pilbaraプロジェクト、(図中番号[2]、24)

  Aquila Resources社(本社:Perth)が権益の50%を保有するプロジェクトで、現在FSが行われている。JORC資源量で649百万t(品位Fe:57~61%)と発表され、2013年半ばに出荷を目指している。また、鉱山インフラとしての港、鉄道に関し、同社が50%権益を持つAustralian Premium Iron Joint Ventureを設立し、港の候補地(3カ所)の絞り込みを行っている。現時点では、Rio Tintoが所有するCape Lambert港西側のAnketell Pointを積出し港とする方向で検討されている。なお、2009年8月28日、中国鉄鋼大手のBaosteel(上海宝鋼集団)は、285.6百万A$をAquila Resources社に投資、同社の15%の株式を取得すると発表している。

(3) Rockleaプロジェクト(図中番号[3])

  Murchison Metals社(本社:Perth)が開発を行うプロジェクトで、Rio Tintoが所有するTom Price鉄鉱石鉱山とParaburdoo鉄鉱石鉱山の中間に位置している。当該地域はこれまで十分な鉱床調査が行われてこなかった地域であることから、WA州政府が2009/10年度から支援を始めた探鉱補助金(Exploration Incentive Scheme)を活用し、今年度から試掘を開始する予定である。2009年2月現在、資源量を100百万t(品位Fe:52%)と見積られている。

(4) Jack Hillsプロジェクト(図中番号[4])

  Murchison metals社とMitsubishi Development社がそれぞれ50%出資するCrosslands Resources社がWA州中西部(Mid-West)に持つプロジェクトで、Stage 1は2007年2月から出荷を開始(年産1.5百万t)、現在拡張プロジェクトとなるStage 2を開発中である。2009年9月3日発表資料によれば、2009年2月時点での資源量である1,087百万t(BFO991百万t/品位Fe:34.1%、DSO(鉱石直接船積出荷)は96百万t/品位Fe:58.7%)から大幅増となる15~2,100百万tに達するとされている。2010年3月までに環境影響評価の承認を得て、2012年末の出荷を目指している。

(5)Weld Rangeプロジェクト(図中番号[5])

  中国鉄鋼大手のSinosteel(中鋼集団公司)が、豪鉄鉱石鉱山会社のMidwest社を買収して誕生したSinosteel Midwest社が開発するプロジェクトで、JORC資源量は155.5百万t(品位Fe:58.0%)と発表されている。2010年7月までにFSを終了、2013年からはOakajee港から出荷する計画となっている。

(6) Oakajee港/鉄道プロジェクト(図中番号[6])

  WA州中西部(Mid-West)の鉄鉱石運搬・出荷のためのインフラとしてMurchison metals社とMitsubishi Development社がそれぞれ50%出資するOakajee Port & Rail社が開発するプロジェクトで、2010年3月までにFS及び環境影響評価の承認を得る予定である。インフラの利用に制限はなく、本プロジェクトによりWA州中西部の鉄鉱石開発に弾みがつくことから、連邦及びWA州政府も併せて678百万A$の資金負担することを発表している。

(7) Kararaプロジェクト(図中番号[7])

  鉄鉱石探鉱会社のGindalbie Metals社(本社:Perth)と中国政府が所有するAnSteel社(Anshan Iron &Steel Group Corp.:鞍山鉄鋼集団)とのJVにより開発が進められプロジェクトで、JORC資源量で1,853百万tの磁鉄鉱、16.2百万tの赤鉄鉱を有し、2010年中に10百万t(精鉱8百万t、アイアンペレット2百万t)の出荷を予定している。なお、2009年9月9日、環境影響評価の承認がWA州から下りている。

(8) Koolanookaプロジェクト(図中番号[8])

  中国鉄鋼大手のSinosteel(中鋼集団公司)が、豪鉄鉱石鉱山会社のMidwest社を買収して誕生したSinosteel Midwest社が開発するプロジェクトで、JORC資源量で155.5百万t(品位Fe:58.0%)と発表されている。2010年7月までにFSを終了、2013年からはOakajee港から出荷する計画となっている。

(9) Jubukプロジェクト(図中番号[9])

  鉄鉱石探鉱会社のMagnetic Resources社(本社:Perth)がWA州中西部(Mid-West)で開発するプロジェクトで、これまでの岩石サンプル分析ではFeの平均品位は39.6%となっている。同社では、200~300百万t規模の鉄鉱石開発を目指し、WA州政府の2009/10年度探鉱補助金(Exploration Incentive Scheme)を活用、今年度から試掘を開始する予定である。

(10) Southdownプロジェクト(図中番号[10])

   Grange Resources社(本社:Perth)が、WA州南西部(Albany港から北東90Km)で開発を進める磁鉄鉱鉱山で、2009年4月時点の資源量で654.4百万t(品位Fe:36.5%)が確認されている。年産6.6百万t、精鉱生産製造でマインライフは30年以上と見積もられている。精鉱は、マレーシアのKemamanに建設するペレット工場(能力6.8百万t/年)に出荷される。2008年11月、双日株式会社の子会社であるSojitz Resources & Technology社が同プロジェクトの権益30%を取得している。

(11) Irvine Islandプロジェクト(図中番号[11])

  Pluton Resources社(本社:VIC州メルボルン)及びPortman社(2009年3月、米企業のCliffs Natural Resources社に買収される)がそれぞれ50%の権益をもつプロジェクト。2008年に実施したフェーズ1の試掘で13百万t(品位Fe:54.5%)を確認、2009年のフェーズ2の試掘で60~100百万t(品位Fe:44-50%)の資源量を狙っている。

(12) Wodginaプロジェクト(図中番号[12])

  2008年2月、Atras Iron社(本社:Perth)がTalison Minerals社から買収したプロジェクトで、2009年5月時点で42.7百万t(品位Fe:56.3%)と発表されている。2010年1月からは年産2百万tで稼働する予定である。

(13) Spinifix Ridgeプロジェクト(図中番号[13])

  Moly Mines社(本社:Perth)がPilbaraで開発中のSpinifex Ridgeモリブデン・銅プロジェクトとともに開発中の鉄鉱石プロジェクトで、プレFSを終了、DSO資源量として7.3百万t(品位Fe:59%)と見積もっており、申請中の採掘権については2009年末までに得られるとしている。また、積出港としてPort Hedland Finucane島にあるUtah Pointでは出荷設備が建設されている。

(14) Abydosプロジェクト(図中番号[14])

  Wodgina鉄鉱石プロジェクトを手掛けるAtras Iron社(本社:Perth)が開発するプロジェクトで、2008年に行った試掘の結果22.3百万t(品位Fe:57.1%)の資源量が確認されている。プレFSによれば3百万t/年の出荷を計画している。

(15) Bonnie Creekプロジェクト(図中番号[15])

  BC iron社(本社:Perth)がPilbaraで開発するNullagine鉄鉱石プロジェクトの一部で、DSO資源量で50.7百万t(品位Fe:57%)が確認されている。2007年7月にはFortescue Metals Groupの有する鉄道、港湾施設利用について覚書を締結していたが、2009年8月24日には、Fortescue Metals GroupがNullagine鉄鉱石プロジェクトに43百万A$を投資し、権益の50%を取得している。

(16) Marillanaプロジェクト(図中番号[16])

  Brockman Resources社(本社:Perth)がPilbaraで開発するプロジェクトで、2009年8月10日に発表されたプレFS結果によれば、資源量は1,325百万t(品位Fe:43.2%)。2012年後半にも生産を開始し、プロジェクトサイトを横切るBHP Billiton所有の鉄道を利用して、Port HedlandにあるNorth West Iron Ore Alliance(NWIOA)港から2013年初頭に出荷する予定である。出荷量17~20百万t/年、マインライフ20年以上であり、豪州鉄鉱石鉱山会社の規模としてはRio Tinto、BHP Billiton、Fortescue Metals Groupに次ぐ4番目となる。

(17) Iron Valleyプロジェクト(図中番号[17])

  Iron Ore Holdings社(本社:Perth)がPilbaraで開発するプロジェクト。2009年8月17日に発表された探鉱結果によれば、高品位DSO(品位Fe:60.7%)を含めたJORC資源量は160百万tである。今後は環境への影響評価を行うとしている。

(18) Robertson Rangeプロジェクト(図中番号[18])

  Ferraus社(本社:SA州Adelaide)がPilbara南東部で開発するプロジェクトで、2009年8月27日に発表された探鉱結果によれば、資源量は166.6百万t(品位Fe:58.6%)となっている。なお、2009年9月8日、中国国営企業のChina Railway Materialsは、12.6百万A$でFerraus社の株式の12%を取得する契約を締結したと発表、今後港湾・鉄道インフラ開発に弾みがつくものと思われる。

(19) Beyondieプロジェクト(図中番号[19])

  Emergent Resources社(本社:Perth)と、同プロジェクトに20%のFree-Carried Interest(占有料を支払わない権益)を有するDe Grey Mining社(本社:WA州Perth)がWA州中西部(Mid-West)で開発を行うJVプロジェクト。2009年7月14日に発表された資料によれば、JORC資源量は127百万t(品位Fe:28.15%)となっている。なお、Emergent Resources社は、2009年7月3日、中国国営企業のChina Metallurgical Investment Co. Ltd.(中国冶金投資公司、以下CMIC)との間で50:50のDevelopment JV会社を設立し、CMICは開発のために200百万A$を投資するという拘束力のないMoUを締結している。

(20) Wiluna Westプロジェクト(図中番号[20])

  Golden West Resources社(本社:Perth)が開発するプロジェクト。JORC資源量は126百万t(品位Fe:59%)と発表され、将来的には320~470百万t規模の開発を目指している。中国のHunan Valin Steel Tube & wire Co. Ltd.は、豪州及び中国政府からGolden West Resources社の株式11.4%を取得する承認を得、同プロジェクトから向こう15年間にわたり4.5百万t/年の供給を受けることで合意している。また、中国のYijan Investment社も株式の1.44%を取得する予定で、15年間にわたり50万WMT(wet metric tonnes)/年の供給を受けるとしている。

(21)Mt Masonプロジェクト(図中番号[21])

  Jupiter Mines社(本社:Perth)がYilgarn地域で開発するCentral Yikgarn鉄鉱石プロジェクトの一つで、2009年2月に発表された資料によれば、資源量は5.75百万t(品位Fe:59.9%)である。なお、2009年7月1日、韓国鉄鋼大手のPoscoが7.81百億A$でJupiter Mines社の株式の13%を取得するとともに、今後同社が販売するDSOの50%をPoscoに供給するオフテイク契約を締結している。

(22)Carinaプロジェクト(図中番号[22])

  Polaris Metals社(本社:Perth)がYilgarn地域で開発するYikgarn鉄鉱石プロジェクトの一つ。ステージ1と呼ばれる探鉱を2008年12月に終え、プロジェクト全体でのJORC資源量を42.6百万t(品位Fe:58.6%)、Carina鉱床ではJORC資源量28百万t(品位Fe:58.6%)と発表している。
現在ステージ2と呼ばれる探鉱が行われており、プロジェクト全体での資源量のポテンシャルは100~150百万tと見られている。なお、2009年8月20日、同社はMineral Resources社(本社:Perth)からPolaris 株12.5株に対し Mineral Resources 株1株を割り当てる買収提案を受けており、同社の取締役会は全員一致で提案に賛成している。

(23)Cape Lambert港拡張プロジェクト(図中番号25)

  Rio Tinto、三井物産(株)及び新日本製鐵(株)が手がけるCape Lambert積出港の拡張プロジェクト(総額860百万US$、Rio Tinto 負担分456百万US$)で、Pilbaraで生産される鉄鉱石の積出し能力を55百万t/年から80百万t/年に拡張した。今後220百万t/年まで拡張する計画がある。
なお、Rio Tintoは、Pilbara産鉄鉱石のもう一つの積出港であるDampier港の拡張プロジェクト(総額1,400百万US$)も平行して進めており、鉄鉱石の積出し能力を、現在の74百万t/年から140百万t/年に拡張する計画。

(24)Port Hedland港拡張プロジェクト(図中番号26)

  BHP Billitonが2008年から開発を始めたRapid Growth Project5(RGP5)に盛り込まれた港湾能力拡張計画で、2010年に完成予定のRapid Growth Project4(RGP4)の能力と併せて、2011年までに生産、運搬及び積出し能力を
350百万t/年超まで拡大する予定である。
なお、2009年の今年は、BHPがPilbara地区で生産(世界最大級のWhaleback鉄鉱石鉱山)した鉄鉱石が、同港のNelson Pointにて最初に船積みされてからちょうど40周年にあたる。

ページトップへ