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報告書&レポート

2011年4月14日 金属企画調査部 渡邉美和
2011年15号

中国の2010年非鉄金属動向

 2011年3月、中国商務部の外貿司は、中国有色金属工業協会などのデータを用いて「2010年我国銅市場運行状況」など、中国内の金属ごと生産消費等の2010年の状況について発表した。
中国のこれら動向に関しては、定量的定型的な発表でなく、断片的な定性的記述である場合が多い。また、中国企業の個別情報の入手も引き続き容易ではない。
商務部の発表も、必ずしも十分に金属需給動向を俯瞰することはできないが、中国のまとまった最近のデータとしては興味深い。
 ここでは、上記発表を鉱種ごとに整理し、銅・鉛・亜鉛・ニッケルのベースメタルと錫・アンチモンについて概略を紹介する。なお、以下の表の内、2009年の値については、発表された2010年の値と増加率から逆算したものを参考のため掲げている。

1. 銅

表1.中国の銅の生産、輸入動向(2009,2010年)
  単位 2009年 2010年 増加率 備考 増減要因
銅精鉱 生産 万t 96.2 115.6 +20.2%   既存鉱山の生産増加、内蒙古自治区等での新鉱山開発
銅精鉱 輸入 万t 613.1 646.8 +5.5% 見掛け量  
精錬銅 生産 万t 410.9 457.3 +11.3%   新増製錬能力+23万t・同精錬能力+59万t
精錬銅 輸入 万t 318.6 292.2 -8.3%   市場への供給過多
スクラップ銅 輸入 万t 399.6 436.4 +9.2% 見掛け量  

  銅精鉱生産の新規鉱山としては、上記の内蒙古自治区とともに雲南省も例示されている。雲南省の新鉱山は四川省・チベット自治区との省界に近い同省徳欽県の羊拉銅鉱山と推定される。同鉱山は2009年9月に新華社が第一期工事完了に伴い「間もなく正式生産開始で、この時点で生産量は銅金属量で2万t/年」と報じていた。更に、2010年には第二期工事の完成予定も伝えている。
  製錬銅の2010年生産量は表2に示すとおりである。発表では、生産能力は2010年で製錬能力が23万t、精錬能力が59万t増加し、それぞれ347万t、588万tとなった。これらから稼働率は単純78%程度となる。
  企業ごとで判明している銅生産量を表2に掲げる。銅陵と江西はたびたび首位を入れ替っているが、2009年の実績では再び江西が首位となった模様。寧波金田・山東金升・祥光銅業はいずれも民営企業で、前2社は主としてスクラップからの製造、祥光は精鉱からの製造企業である。祥光に関しては2010年に計画されていた第二期工事が延期されている。その原因として①祥光銅業の銅産業でのノウハウ経験不足による販売・調達の不具合②2007年試験生産開始後まもなくの経済環境悪化③精鉱調達時の契約TC/RCでのコスト対応力不足などが挙げられている。新たに参入した民営企業の今後の動向に一石を投じる結果となっている。

表2. 中国銅地金生産量推移
(単位;千t)
  2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
銅陵有色 242.6 303.2 337.3 371.0 447.8 544.8 623.5 約650 718.6
江西銅業 217.4 231.6 343.1 415.0 421.6 443.4 553.6 702 802
雲南銅業 171.3 185.1 187.1 225.0 322.5 360.1 451.8 379.3 286.7
大冶有色 104.2 122.3 118.8 148.0 177.4 203.8 250.3 n.a. n.a.
金川有色 41.9 68.0 102.8 131.0 161.0 205.4 243.9 n.a. 367.1
白銀有色 64.0 60.2 62.0 63.0 77.5 75.8 71.3 n.a. n.a.
烟台鵬暉 n.a. n.a. n.a. n.a. 61.9 72.3 107.2 n.a. n.a.
東営方円 n.a. n.a. n.a. n.a. 75 140.4 180.3 n.a. n.a.
寧波金田 41.5 100 122.1 134.6 n.a. n.a.
山東金升 96.6 94.8 n.a. n.a.
祥光銅業 11.0 n.a. n.a.
生産 1,523.3 1,632.5 1,836.3 2,035.1 2,583.4 3,003.2 3,499.4 3,794.6 4,109.5 4,573.5
消費 2,307.3 2,736.9 3,083.7 3,200.3 3,639.1 3,613.8 4,863.4 5,148.9 7,144.1 7,418.6
出典; 2007年まで「銅的市場分布」、夢想基金、2010.11
  2009年「三大銅業巨頭誰更具投資价値」、証券時報2010.7.9
  2010年計は1~10月の計を単純年換算 「基本金属的影响 経済周期是関鍵」 股票知識網 2010.11.2512企業計
  2009年金川は「購買澳洲鉱業股権祥光銅業拡大躍進」、21世紀経済報道2010.3.18
  2008年は各社web 業績報告
  生産と消費の計はWBMS Refined Production & Consumption
注記; 銅陵には金隆、張家港を含み、江西・雲南はそれぞれ江西銅業股份・雲南銅業股份の値

 商務部の発表は2011年の予測にも及んでいる。定性的なコメントであるが、集約すると次のようになる。

①新たに生産開始になる製錬設備能力は大きいが、原料の供給量から推定すると全体の設備稼働率は引き下げられる。
②2011年銅消費量は継続して増加とみられるが、次の2点の不安要因もある。
 ・電力産業の投資額減少から予想される銅需要の減少
 ・為替レートに起因する機械電気製品輸出への影響
③2011年の精錬銅の生産と消費の差は拡大、見込みでは244万t前後の供給不足となり、これを輸入に依存せざるを得ない。
④輸入精鉱は増加、設定TC/RCをカバーするコスト対応力が必要となる。

2. 鉛

表3. 中国の鉛の生産、消費、輸入、輸出動向(2009,2010年)
  単位 2009年 2010年 増加率 備考 増減要因
鉛精鉱 生産 万t 136.0 185.1 +36.1%   既存鉱山の生産増加、2009年新増の製錬能力大
鉛精鉱 輸入 万t 160.5 160.3 -0.1%   2009年新増の製錬能力大で原料需要量増加
精錬鉛 生産 万t 370.6 419.9 +13.3%   安徽などでの生産量増加が河南などの省区での生産減少を補填
精錬鉛 輸入 万t 15.3 2.1 -86.3%   鉛消費は明らかに増加
精錬鉛 輸出 万t 2.3 2.3 +0.2%    
精錬鉛① 消費 万t   413.0   見掛け量  
精錬鉛② 消費 万t 332.9 364.2 +9.4% 金属量 (見込み量)2009年の増加率15%に比べ低下

  精鉱の省区別生産量は、内蒙古(42.6万t)、湖南(27.3万t)、広西(23.8万t)、四川(22.3万t)、広東(12.9万t)となっている。これらの省区では、内蒙古が前年比減少したほかは前年比増加を示している。鉱山生産が活発な要因は以下のように推定される。
①予測よりも高い鉛価格と相対的に低水準の精鉱加工賃が生産を刺激
②2009年新設の製錬能力増加に対しての鉱山生産拡大
③2010年新設の製錬能力増加に対しての鉱山生産拡大

  精錬鉛の省区別生産量は、河南(105.4万t、前年比-11.5%)、安徽(86.7万t、同+38.8%)、湖南(82.7万t、同+29.9%)、雲南(37.9万t、同+18.9%)、広西(14.8万t、同+7.6%)、広東(11.2万t、同-15.6%)となっている。これらの省区では、河南と広東が前年比減少したほかは、増加を示している。河南・広東の減少が大きいのは、両省で省エネと汚染排出物抑制のために旧式設備の淘汰が強化されたことで一部の製錬所が停止されたことによる。また、河南省での生産量低下には、銀価格高騰により製錬所が銀を多量に含む精鉱生産に力を注いだためとも言われている。

  表3の精錬鉛①消費は需給の差から計算した見掛け消費量で、精錬鉛②消費は実際の消費量の見込み値である。2009年の増加率は15%で、2010年も当初見通しでは2桁の増加率とみられていた。この伸び率の低下は自動車生産量と同傾向であると思われる(2010年の中国の自動車生産量は1,826.5万台で前年比32.4%の増加だが、2009年の増加率と比較すると16ポイント減)。

  商務部発表では鉛に関して2011年の予測に及んでいる。定性的なコメントであるが、集約すると次のようになる。

2011年に生産開始になる鉛製錬プロジェクトの生産能力の合計は92万tであるが、この内42万tについては本来2010年生産開始として計画されていて延期されたもの。2011年も92万tの内、幾分かは次年に延期されることが予想される。
先進国の鉛供給不足は中国などの新興国からの輸入により埋められている。現在、中国の生産能力と在庫は比較的大きいが、その一部はこれらの輸出に充当される。したがって中国は精錬鉛に関しては2011年も継続して純輸出国のままであるとみられる。次に掲げる点がその特徴である。
 
  新増精錬鉛生産能力の殆どは鉱石を原料とするもので、再生原料を利用するものは少ない(2010年に新たに増加した精錬鉛生産能力44万tの内、再生原料利用は5万tに過ぎない)。このため少なからず生産能力の稼働率の低下と鉱石需給のタイト化が予想される。
  廃蓄電池回収システムの不完全さが再生鉛産業の発展を阻害していて、技術を伴わない旧式設備の再生メーカーと先進設備を備えた再生メーカーが原料争奪を演じている。このことが後者の原料不足を招来し、生産に影響を及ぼし、生産コストの上昇も招いている。先進すぎる技術を持ったメーカーとそうでないメーカーとの格差が開き過ぎないよう、ある程度、技術進化と企業規模再編を抑制する必要がある。

3. 亜鉛

表4.中国の亜鉛の生産、消費、輸入、輸出動向(2009,2010年)
  単位 2009年 2010年 増加率 備考 増減要因
亜鉛精鉱 生産 万t 309.1 370.0 +19.7%   対前年増加率で11.4%という数値もあり
亜鉛精鉱 輸入 万t 385.3 324.0 -15.9% 見掛け量 金属量で160万t前年比-16.2%
精錬亜鉛 生産 万t 430.3 516.4 +20%   2009年新増の製錬能力66万t/年
精錬亜鉛 輸入 万t 67.6 32.3 -52.2%   国内外市場の亜鉛価格差の存在により2009年より減少
精錬亜鉛 輸出 万t 2.9 4.3 +47.4%    
精錬亜鉛① 消費 万t 493.5 533.0 +8% 見掛け量  
精錬亜鉛② 消費 万t 431.8 475.0 +10% 金属量  
亜鉛華 輸入 万t 1.8 1.7 -6% 見掛け量  
亜鉛華 輸出 万t 1.6 2.2 +38% 見掛け量  
亜鉛合金 輸入 万t 13.3 15.4 +15.8% 見掛け量  
亜鉛合金 輸出 万t 252.0 見掛け量  

  亜鉛精鉱の前年比増加率には同じ記事内で2つの数値が記載されている(原文では「拠中国有色金属鉱業協会統計、我国亜鉛精鉱産量同比増長19.7%、到達370万(T、同比増長11.4%」、ここで簡体字等は日本で通常使用されている字に改めている)が、表4では19.7%を採用している。
  精鉱輸入量の減少に関しては、中国国内からの亜鉛精鉱供給の増加、輸入に対しての価格競争力が理由とされている。なお、輸入精鉱の金属換算量は160万tとされていて、これで逆算すると精鉱の亜鉛品位は49.3%である。
  精錬亜鉛の生産量増加は2009年に新増した生産能力が2010年に効果を上げたものと言われている。生産量の増加率は最近5年で最大を示した。特に2010年12月には月生産量47万tとなり、単月での記録を更新した。なお、内蒙古、湖南、雲南、広西、陝西など主要な生産省区で対前年比増加率は2桁以上となっている。精錬亜鉛の輸入量が前年比大きく減少しているのは、前年に比べ国内外の価格差が低下したためとされていて、中でも品質のよい0号・1号の地金(それぞれ亜鉛純度で99.995%、99.99%、なお2号地金は同99.95%)が全体輸入量32.3万tの内、それぞれ23.5万t、5.5万tと大部分を占めている。
  表4の精錬亜鉛①消費は需給の差から算出した見掛け消費量で、精錬亜鉛②消費は実際の消費量の見込み値である。亜鉛消費量の内、亜鉛めっき鋼板向けは2009年で21%(「中国の非鉄金属需要動向」、金属資源レポートVol.40 No.4、2010.11)と推定されている。2010年の中国の亜鉛めっき鋼板の生産量は2,846.6万tで前年比37.6%の増加であったが、2009年亜鉛消費割合をこれに当てはめてみると、亜鉛めっき鋼板用途の亜鉛量は410万t×21%=86.1万tと推定され、表5のように亜鉛めっき付着量が粗く推定される。

表5. 亜鉛めっき鋼板と亜鉛消費量
  単位 2009年 2010年
亜鉛めっき鋼板生産量          ① 万t 2,069 2,847
亜鉛めっき鋼板で消費される亜鉛量 ② 万t 87.4 86.1
亜鉛付着量(②/①) kg/t 42 30

  表5からは、2010年には亜鉛付着量の少ない鋼板の生産が多くなっているとみることもできる。おそらくは自動車などに比べて比較的薄めっきの家電製品などの生産の伸びが大きくこれに影響していると思われる。

  商務部の報告では、現在の中国亜鉛産業の主要な問題点について次のように言及している。
  『中国の国内鉱石生産量の増加は製錬の生産能力拡大に追いついていない。このため原料の海外依存は今後も続き、依存度は高くなる。原料の競合はいやおうなく世界の中での企業競争にさらされることになる。中国は世界でも有数の亜鉛精鉱輸入国であるが、その原料の価格決定権を有していない。』

4. ニッケル

  商務部の報告では銅・鉛については多面的な数値が掲載されていて、2011年の見込み値まで断片的に言及されている。しかし、亜鉛については情報が限定され、ニッケルで開示されている情報は、この報告書では更に限定されている。

表6. 2010年の中国のニッケル生産、消費、輸入、輸出動向
  単位 2009年 2010年 増加率 備考 増減要因
電解ニッケル 輸入 万t 24.6 18.0 -26.8%    
電解ニッケル 輸出 万t 2.7 5.3 +95%    
フェロニッケル 生産 万t 16.0 金属量  
フェロニッケル 輸入 万t 23.4 13.4 -42.7%    
ニッケル 消費 万t 50.5    

  2010年は、先進諸国の経済回復に伴い、中国の港湾保税品として存在していたニッケル在庫が大量に再輸出された。この結果として、輸入が減少し輸出が増加したとしている。生産と輸出入から算出された2010年中国の見掛け消費量は52.6万tという数値もあり、これは前年比9.2%の減少である。
  ISSF(国際ステンレス鋼フォーラム)の集計によれば、中国の2010年のステンレス生産量は2009年の8.805千tから2.451千t増加(+27.8%)し11.256千tとなった。世界に占めるシェアも2009年の35.8%から0.9ポイント上昇して36.7%となった。又、2010年上半期にオーステナイト系のステンレス全体に占める割合は51.3%(中国産業報告網「2010年上半年我国不銹鋼生産和消費現状」、2010.12.9)という数値がある。

5. 錫

表7. 2010年の中国の錫の生産、消費、輸入、輸出動向
  単位 2009年 2010年 増加率 備考 増減要因
錫精鉱 生産 t 72,475 83,636 +15.4% 金属量  
錫精鉱等 輸入 t 10,206 19,840 +94.4% 見掛け量 「錫鉱砂」を含む、輸入錫精鉱が錫製錬の原材料に占める割合は大きくない
生産 t 134,113 149,000 +11.1%    
輸入 t 20,752 15,979 -23%   「未鍛圧錫」、輸入量15,266tという値もあり、輸入量減少は国内外価格差
輸出 t 684 713 +4.2%   「未鍛圧錫」、3年連続で600~700t
消費 t 132,313 147,000 +11.1%    
錫合金等製品 輸入 t 13,374 13,147 -1.7%   「錫合金、錫材とその他錫製品」
錫合金等製品 輸出 t 4,600 8,395 +82.5%   「錫合金、錫材とその他錫製品」

  2010年の中国の錫精鉱生産量は金属量で前年比15.4%増の、83,636 tとなり、錫地金の生産量は同11.1%増の、14.9万tとなり、世界の主要錫生産国と比較すると生産状況は比較的良好であった。
  輸入錫精鉱が錫生産の原料に占める割合は大きくないが、増加の傾向を示している。錫の生産量は2010年の第4四半期に大きく減少し、これには雲南錫業や雲南乗風金属公司が定期修理のため1カ月間生産を停止したことや、一部の企業で省エネ排出規制のための電力制限が行われたことが影響した。この期間、価格が上昇したため中小生産者による増産も見られたが、定期修理等の大手の減産はカバーしきれていない。同時に中国国内市場では需給タイト感も見られている。
  輸出に関しては、「未鍛延錫」に対して2008年から輸出関税10%が課税されるようになり、2007年以前の1万t以上に達していた輸出量とは大きく様変わりしている。それでも2010年輸出量は前年比で4.2%増加した。
  2010年の消費量は14.7万tとなり、前年比11.1%上昇している。電子電気産業で用いられる半田需要が大幅増加しているとみられる。2010年1~11月の統計値ではあるが、電子電気産業の輸出額は4,348億US$となり、前年比31.5%の増加を示している。この産業の輸出額は同期の全輸出額の37.6%を占める。これ以外に錫めっき鋼板(ブリキ板)やPVC安定剤用途の錫使用量も明らかに増加を見せている。
  未鍛圧の錫の輸出量は多くはないものの、実際にはわずかに加工されたのみで「その他錫製品」として輸出されるケースが多い。実体としては低付加価値品の輸出は依然として多い。この原因については、「錫地金」に対して輸出関税10%が課税されていることも影響していると考えられ、今後課税の見直しも問題となる。

6. アンチモン

表8. 2010年の中国のアンチモンの生産、消費、輸入、輸出動向
  単位 2009年 2010年 増加率 備考 増減要因ほか
アンチモン精鉱 生産 万t 9.6 11.5 +19.6% 金属量  
アンチモン 生産 万t 16.5 18.7 +13.1%   統計上の重複を除くと2010年アンチモン製品生産量は11.8万tとなるとの情報もあり
アンチモン
(精鉱、製品)
輸入 万t 2.7 4.9 +78.4% 金属量で3.0 アンチモン鉱石4.6万t(金属量で2.8万t、前年比+87.1%)を含む
アンチモン製品 輸出 万t 4.3 5.9 +37.7% 金属量で5.1 酸化アンチモン5.2万t(前年比40.4%)を含む
アンチモン 輸出 万t 0.4 0.5 +13%   「未鍛圧アンチモン」で、アンチモン製品の外数
アンチモン 消費 万t 6.3 7.1 +12%    

  2010年の中国のアンチモン精鉱生産量は金属量で11.5万tで前年比19.6%の増加、アンチモン生産量は18.7万tで13.1%増加となった。しかし、アンチモン鉱石採掘は総量規制が強化され、製錬業の自給率も低下している。特に冷水江市の民営アンチモン製錬企業では自山鉱の生産量が大きく減少している。このことは将来的にアンチモン産品の増量に制限があることを示している。
  輸入にはアンチモン鉱石を含み、その2010年の量は4.6万t(金属量換算で2.8万t)であった。輸入に占める大きな部分としては、ミャンマーからの精鉱輸入が首位で8,423t、以下精鉱では、ロシア8,404 t、タジキスタン8,050 t、カナダ7,976 tと続く。この4か国で精鉱輸入量の71.1%を占めている。
  見込みによれば2010年のアンチモンの中国国内消費量は7.1万tで、前年比12%の上昇であった。消費分野としては、難燃助剤、鉛蓄電池、触媒、ガラス清澄剤などに及ぶが、その内の50%以上が難燃助剤である。
  2010年の輸出量はアンチモン製品総量で5.9万t(金属量換算5.1万t)と前年比37.7%の増加を見せた。この内、酸化アンチモンの輸出量が5.2万tで、前年比40.4%と急増。その輸出先は米国が約2万tに達し、前年比134.5%の増加。以下、日本7,656 t、台湾6,414 t、香港4,696 tとなり、この4つの国と地域で酸化アンチモン輸出量の74.4%を占めている
  なお、「未鍛圧アンチモン」の輸出量は5,173 tで前年比13%の増加、これも主に米国・韓国・日本が輸出先である。なお、2010年の輸出は好調に推移し、金融危機以前の水準に復した。
 2011年の国内精鉱の供給はタイトな状況が続くと予想され、輸入精鉱への依存度は引き続き上昇の見込み。翻って2011年の国内消費量も継続して増加すると見込まれる。アンチモン製品の輸出も増加傾向にあるが、増加幅は限定される見通しである。
  湖南省の冷水江市の民営製錬企業の整理は継続して実施される予定であり、3.5万tの生産能力は5.5万tとなる予定である。現在、国内製錬能力は既に18万t前後に達していて、製錬能力の盲目的拡張は原材料保障が低下することを意味し、価格の上昇をもたらす。中国国内のアンチモン鉱石資源の供給は日増しに厳しくなり、国外資源への依存はますます高まることとなる。

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