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報告書&レポート

2011年5月12日 バンクーバー事務所 大北博紀
2011年18号

PDAC 2011報告

 会場であるMetro Toronto Convention Centerに到着してまず目を引いたのは、会場入口の展示物であった。その展示物は、記憶に新しい2010年10月チリ鉱山崩落事故からの33名の生還、その救出に使用された救出カプセル「FENIX」、その3機のうち1機がPDAC会場に展示されていた。
 弾丸形の幅僅か53㎝のこのカプセルの展示は、北アメリカ初であり、この後、アメリカワシントンD.C.にある国立スミソニアン博物館に展示されるとのことであった。

写真1. FENIX説明

写真1. FENIX説明

写真2. FENIX

写真2. FENIX

1. PDAC 2011の概要

 1932年に始まったPDAC(Prospectors & Developers Association of Canada)のInternational Convention, Trade Show & Investors Exchangeは、2011年で79回目となる伝統ある鉱業大会である。
 PDACは毎年3月の第一日曜日から4日間開催されており、2011年は3月6日から9日までの4日間、例年どおりカナダ最大の都市トロントのMetro Toronto Convention Centerで開催された。
 バンクーバーで毎年1月に開催されるROUNDUPと並び、世界でも知られる有数の鉱業大会であるが、世界中から集う参加者や海外からの政府や企業の出展者の数はバンクーバーの鉱業大会を大きく上回る世界最大規模である。また、バンクーバーの鉱業大会はベイショアWestin HotelとVancouver Convention Hallの2会場に分かれているため、1会場に集約されているPDAC会場は非常に壮観である。
 JOGMECバンクーバー事務所は2004年から毎年ブースを展示しており、今回で8回目となるが、筆者自身は初めてこの大会に参加した。
 ブースにおいては、JOGMECの事業に関するPR、ジュニアカンパニー等から情報提供を受けた新規プロジェクトに関する意見交換を数多く行った。
 PDAC 2011は、各種金属価格の高騰を背景に、過去最高27,700人の参加者となった。
 これまでの参加者数は、2006年:14,500人、2007年:17,600人、2008年:20,000人、2009年:18,000人、2010年:22,000人と、金融危機の影響を受けた2009年以外は着実に参加者数を伸ばしている。
 広大なPDAC会場は、展示場と会議場で構成されている。さらにその展示場は、投資家を相手に探鉱会社や鉱山会社が展示する「Investors Exchange」、各国政府や関係機関、分析会社やボーリング会社等サービス関連の企業が展示する「Trade Show」に分かれており、JOGEMCもTrade Showフロアーにブースを展示した。
 会議場エリアでは展示以外に多くのテクニカルセッションや投資説明会が終日行われ、会議場と展示場の間のスペースを活用し、探鉱会社によるボーリング・コア展示「Core Shack」も行われた。また、会場周辺のホテル等ではレセプション等のイベントが連日開催された。

写真3. PDAC会場入口

写真3. PDAC会場入口

写真4. Core Shack風景(1)

写真4. Core Shack風景(1)

写真5. Core Shack風景(2)

写真5. Core Shack風景(2)

写真6. ボーリング・コア展示例

写真6. ボーリング・コア展示例

(1) Investors Exchange
 Investors Exchangeの会場はジュニアカンパニーを中心に1,000以上のブースが展示されており、世界中の探鉱案件が資金を獲得すべく、商談やプロジェクト説明等が非常に活発に行われていた。
 展示内容は世界経済の趨勢を一瞥できる。価格高騰を背景にした金の探鉱案件が非常に多く、電気自動車関連のリチウム、BRICs等新興国のインフラ整備に必要な銅、原子力発電用のウランのプロジェクトが散見された。また、2010年までの大会を見てきた方々は、昨今のレアアース問題を反映して、レアアース案件が増えた印象を受けたとのことである。探鉱案件の地域としては、ペルーやチリ等南米諸国が多数を占めていた。
 来場者に目を向けると、好況な国内経済を背景に中国人投資家の姿が目立っていた印象はあるが、2010年までの大会を見てきた方々からは、前年より減少しているのではないかとの声があった。日本人の来場者は、日本企業の方を数名見かける程度であった。

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