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報告書&レポート

2011年7月1日 金属企画調査部 渡邉美和 北京事務所長 土居正典
2011年31号

中国、産業振興項目改定- 産業構造調整指導目録2011年版発表 –

 2011年4月25日、中国の国家発展改革委員会は3月27日付けで同委員会令第9号により「産業構造調整指導目録(2011年版)」(中国語原文を日本語漢字表記すると「産業結構調整指導目録(2011年本)」)を6月1日から施行し、併せて同2005年版を廃止する旨を発表した。
 この「産業構造調整指導目録(2011年版)」(以下「目録(2011年)」と略、2005年版についてもこれに準じ略す)は、今後の投資の方向性や財務、税務、金融、土地、輸出入などの政策の制定と実施に当たっての重要な拠り所となるもので、今後の中国の産業政策の動向を見渡せるものであるといえる。
 ここでは、非鉄金属と区分された事項を中心に、「目録(2011年)」を「目録(2005年)」と比較しながら概観して紹介する。

1. 「目録(2011年)」の概要

 「目録(2011年)」の構成は「目録(2005年)」を踏襲し、産業区分ごとに、技術や設備などについて今後奨励するもの、何らかの制限を課すもの、淘汰を実施するものが項目として示されている。
 「目録(2011年)」を「目録(2005年)」の産業区分と比較すると、“新エネルギー”や”都市軌道交通”などが新たに振興する産業として設定され、サービス産業の発展支援のために“科学技術”や“教育・文化・衛生・体育”などの区分も新設区分として設定されている。
 また、農業発展を支援するために多くの項目が設定されているほか、生産・消費段階での省資源関連項目や再生資源の循環利用が追加されるなど、環境保護・省資源・省エネルギーなどに重点置いた構成となっている。
 「目録(2011年)」に示された奨励類・制限類・淘汰類の項目数は、それぞれ750項目・223項目・426項目である。項目ごとの記述をみると「目録(2011年)」は「目録(2005年)」と比較してより詳述されたり、統合されたり、従来「制限」であったものが「淘汰」へ変更されたり、一概に比較はしにくいが、「目録(2011年)」は前述の分類の一部追加や変更などと併せて、より拡充されている。
 なお、奨励類・制限類・淘汰類に属さないが、法規に基づく「認可」の対象となる区分がこれらとは別に存在し、この「目録(2011年)」には取り入れられていない状況は「目録(2005年)」と同じである。

2. 「目録(2011年)」の「目録(2005年)」との比較

 「目録(2011年)」の産業区分ごと項目数を「目録(2005年)」と比較して表1に示す。

表1. 「目録(2011年)」と「目録(2005年)」の比較


産業区分 「目録(2011年)」 「目録(2005年)」
奨励 制限 淘汰
奨励 制限 淘汰
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
44
農林業
水利
石炭
電力
新エネルギー
原子力
石油天然ガス
鉄鋼
非鉄金属

化学
建材
医薬
機械
都市軌道交通設備
自動車
船舶
航空宇宙
軽工業
紡績
印刷
たばこ
建築
都市基盤設備
鉄道
道路及び道路運輸
水運
航空運輸
総合交通運輸
情報
現代物流
金融
科学技術
商務サービス
商業貿易
旅行業
郵便
教育・文化・衛生・体育
その他サービス
環境保護と資源節約総合利用
公共安全と応急産品
消防
民間爆発物
その他
66
31
20
24
10
11
9
17
5
2
19
14
8
60
9
10
11
14
39
14
10
24
18
19
15
8
8
44
11
11
11
11
8
4
9
35
18
40
43
10
16
5
4
20
8
7
13
13
7
57
35
17
1
2
7
4
7
7
11
4
44
26
4
10
26
8
26
2
33
23
36
1
23
5
3
1
7
9
5
65
4
14
8
16
4
1

55
20
14
17
10
6
25
19
27
17
21
52
9
7
11
16
11
10
20
18
11
14
9
45
33
42
4
4
2
41
14
12
7
12
10
34
2
32
1
1
2
7
5
2
12
3
29
30
15
3
30
6
9
19
29
62
1
2

31
4
1

8
4
75
8
3
5
7
1

  単純合計 750 223 289 137   539 190 252 147  
※表中の数字は、記載項目数






淘汰すべき旧式工程設備
淘汰すべき旧式製品
2005年は原文で「化工」とのみ表示に対して、2011年版は原文で「石化化工」との表記で石油化学を含む
原文では「紡績」と表記されているが内容に含まれているのは日本語の「紡績」より広い
2005年は原文で「城市基礎設施及房地産」となっているが、2011年の表記は「城市基礎設施」のみ
2005年は原文で「公路」となっているが、2011年の表記は「公路及道路運輸」と表記
2011年は原文で「石油、天然気」となっているが、2005年の「制限」「淘汰」については「石油、天然気和化工」と表記

 「奨励」類で区分ごとに項目数の多いのは、“農林業”、“機械”、“情報”、“公共安全と緊急用品”、“環境保護と資源節約”などで、いずれも40項目以上が設定され、中国の今後の産業動向の方向が分かる。“機械”では田植え機など農耕牧畜用機械の詳細仕様が新設定されている。“公共安全と緊急用品”は全くの新規区分設定であり、これに含まれる項目としては、「地震などの自然災害の観測と警戒のための技術開発と応用」、「公共交通手段の事故警戒のための技術開発と応用」、「鉱山等の安全生産に関する管理・測定・警戒のための技術開発と応用」、「食品薬品の安全性の検測機器」などがあり、最近中国内で発生した地震や食品安全への懸念、鉱山事故などへの対策振興が取り上げられている。

写真1. 杭州市の地下鉄工事現場
写真1. 杭州市の地下鉄工事現場

 “新エネルギー”と“総合交通運輸”も2011年に新設された区分だが、その一部は「目録(2005年)」では“電力”や“道路運輸”・“水運”の中に含まれていた。また“総合交通運輸”同様に“現代物流”~“旅行業”のサービス産業や“教育・文化・衛星・体育”の拡充のための新区分設定も、その一部はすでに「目録(2005年)」の“その他サービス業”に含まれていたが、それぞれ拡充されている。
 “都市軌道交通設備”は新区分設定である。これは中国各地で進められている地下鉄などの都市内及び都市と近郊を結ぶ鉄道などの建設を反映したものと見られる。運行システムや回生ブレーキなどがリーマンショック後の経済対策の一部として取り上げられ、現在では28市で計画が具体化し着工・供用されている。“都市軌道交通”は地下鉄だけでなく、ライトレールとも呼ばれる軽軌道交通(天津導軌電車1号線など)なども含むと見られる。ただ、2006年には中国全土で10線余りしか存在しなかった地下鉄が、2015年には86線まで増加する予定の多都市での拡充には経済面から懸念の声もある。

 “化学”と“医薬”は「目録(2011年)」では「奨励」類の項目数が減少しているが、「目録(2005年)」に比べて項目内容が詳述され記述密度が高くなっている。

3. 非鉄金属の奨励類比較

 表1の産業区分で「非鉄金属」に分類されている奨励類の各項目を「目録(2005年)」に記載されている項目と「目録(2011年)」に記載されている項目を訳出して、それぞれ表2-1及び表2-2に示す。
 表2-1の包括的な記述に比べて表2-2の「目録(2011年)」は一部でより具体的な仕様にまで言及され、一部で包括的な定義を示している。「目録(2011年)」の項目数は「目録(2005年)」と比べると19項目から5項目へと減少しているが、表2-1に見られるように項目の細分類化が記述され、更に例示を含んでいることから実態としては大きく減少しているわけではない。
 「目録(2005年)」の奨励類の多くが「目録(2011年)」ではそのまま引き継がれていないことは、この間の技術開発が進んだためか、もしくは既に奨励類に値する技術でないとみなされたことによると思われる。翻って考えると、表2-2に掲げられた項目は今後の中国の非鉄金属関連技術で開発が急がれるものと推定される。
 前述のように、「目録(2011年)」に記載された奨励類については、循環経済・環境対応・省資源の関連項目が多い。

表2-1. 非鉄金属の奨励類「目録(2005年)」

No 項 目 内 容
1 非鉄金属鉱山を開発するための資源探査及びそれに関連する探査技術開発
2 銅、アルミ、鉛、亜鉛、ニッケルの大中型鉱山の建設
3 欠乏している資源の深部及び採掘困難鉱床の開発
4 硫化鉱物の、無害化を強化した製錬工程の開発と応用
5 高効率な抽出設備と工程技術の開発
6 高精度の銅板、帯、箔、管材の生産及び技術開発
7 高精度のアルミ板、帯、箔および高速薄帯の連続鋳造圧延生産の技術開発と設備製造
8 軌道交通用高性能金属材料製造
9 非鉄金属複合材料の技術開発及び応用
10 高性能、高精度の硬質合金及びその高付加価値加工産品とセラミック(原文は「陶瓷」)材料の生産
11 レアメタル、レアアース金属の高付加価値加工及びその応用
12 錫加工物、アンチモン化合物(酸化アンチモンを含まない)の生産
13 高性能磁性材料製造
14 超微細粉体材料、電子ペースト材料(原文は「電子漿料」)及びその製品の生産
15 非結晶合金箔製造
16 新型ブレーキ材料の製造
17 高品質マグネシウム合金の鋳造及び板、管、型材加工の技術開発
18 非鉄金属の、生産過程での計測と制御に関する技術開発
19 焙焼、高温圧縮予備酸化及び酸化バクテリアによる金リーチングプロセス技術開発と実用

表2-2. 非鉄金属の奨励類「目録(2011年)」

No 項 目 内 容
1 非鉄金属鉱山を開発するための資源探査開発、欠乏している資源の深部及び採掘困難鉱床の開発
2 高効率、低消費、低汚染の新型製錬(注;精錬を含むか)技術開発
3 高効率、省エネ、低汚染の大規模化再生資源回収と総合利用
スクラップ非鉄金属回収
有価値元素総合利用
赤泥及びその他精錬残滓総合利用
アルミ高含有の石炭灰からのアルミナ抽出
4 情報産業・新エネルギー産業に関わる非鉄金属新材料の生産

情報)直径200mm以上のシリコン単結晶及びポリッシュトウェハー、直径125mm以上の引き上げ型或いは直径50mm以上の水平成長型化合物半導体材料、アルミ・銅・ケイ素・タングステン・モリブデン等の高純度ターゲット材、超LSI用Cu-Ni-SiとCu-Cr-Zrリードフレーム材料、電子用ろう付け材料等

新エネルギー)原子力用途クラスのスポンジZr及びジルコン材料、高容量長寿命の二次電池電極材料

5 交通運輸、先端製品製造及びその他領域での非鉄金属新材料生産

交通運輸)圧縮強度が500MPaを下回らず、導電率がIACSで80%を下回らない精密銅合金条と超長尺線材などの高強度高電導銅合金。交通運輸に関わり主たる構造部材に用いられる高強度、高じん性、高耐食性のアルミ合金材料及びその大型製品(航空機用アルミ合金では圧縮強度が650MPaを下回らず、高速列車用アルミ合金では圧縮強度が500MPaを下回らないこと)

先端製品製造)高性能ナノメートル粒径クラスの硬質合金刃物と大晶粒硬質合金ボーリング刃物及びその高付加価値加工品。レアアース及び貴金属触媒材料。低モデュラスのチタン合金材及び形状記憶合金など生物医学用材料、耐食熱交換器用銅合金及びチタン合金材料。高性能レアアース磁性材料と水素貯蔵材料及び先進応用

4. 非鉄金属の制限類比較

 表1の産業区分で「非鉄金属」に分類される制限類の各項目について、「目録(2005年)」に記載されている項目と「目録(2011年)」に記載されている項目を訳出して、それぞれ表3-1及び表3-2に示した。
 全般的に、制限の内容が厳しくなっている。例えばレアアースについてはタングステン等のレアメタルと同列で示されていたものが、「目録(2011年)」では別途記述され、工程まで詳細に項目として指定されている。
 表3-2の再生非鉄金属に関する制限類としての記述が表3-1の記述と直接対応しなくなっているが、注意深く読むと、「1系列で生産能力5万t/年以下の新設」により、従来どおり制限されていることが分かる。

表3-1. 非鉄金属の制限類「目録(2005年)」

No 項 目 内 容
1 タングステン、モリブデン、アンチモン及びレアアース鉱山の開発採掘、製錬プロジェクト、ただし酸化アンチモンと鉛錫ハンダ生産プロジェクトを含む(改造プロジェクトは除外)
2 1系列で10万t/年の規模以下の粗銅製錬プロジェクト
3 電解アルミプロジェクト(自己焼成式電解槽の淘汰による置き換え及び環境保護のための改造プロジェクトを除く)
4 1系列で5万t/年の規模以下の鉛製錬プロジェクト
5 1系列で10万t/年の規模以下の亜鉛製錬プロジェクト
6 マグネシウム製錬プロジェクト(総合利用プロジェクトを除く)
7 4t以下の再生アルミ反射炉プロジェクト
8 再生非鉄金属の生産で直接石炭燃焼を採用している反射炉プロジェクト
9 湿式フッ化塩を用いたアルミプロジェクト
10 10万t/年以下の独立的なアルミ用カーボンプロジェクト
11 イオン吸着型レアアース鉱山原鉱石の「池浸法」(池でのリーチング)による溶離抽出と沈殿の工程
12 1万t/年以下の再生鉛プロジェクト

表3-2. 非鉄金属の制限類「目録(2011年)」

No 項 目 内 容
1 タングステン・モリブデン・錫・アンチモンに関する新たな開発採掘・製錬プロジェクト建設とその拡張、レアアースの開発採掘・選鉱・分離プロジェクトの新規建設と拡張、ただし酸化アンチモンと鉛錫半田生産を含む
2 1系列で10万t/年の規模以下の粗銅製錬プロジェクト
3 電解アルミプロジェクト(旧式設備能力の淘汰による置き換え及び優勢産業配置に関するプロジェクトを除く)
4 鉛製錬プロジェクト(1ラインで5万t/年以上の規模と、生産能力の新増でない技術改良と環境保護対応改造を除く)
5 1系列で10万t/年以下の規模の亜鉛製錬プロジェクト(直接浸出を除く)
6 マグネシウム製錬プロジェクト(総合利用プロジェクトを除く)
7 10万t/年以下の独立的なアルミ用カーボンプロジェクト
8 1系列で生産能力5万t/年以下の新設、1ラインで生産能力2万t/年以下の改造拡張建設、ただし資源利用やエネルギー消費や環境保護等の指標が産業参入条件の要求に達しない再生鉛プロジェクトにも及ぶ

5. 非鉄金属の淘汰類比較

 表1の産業区分で「非鉄金属」に分類されている淘汰類(旧式工程設備)の各項目について、「目録(2005年)」に記載されている項目と「目録(2011年)」に記載されている項目を訳出して、それぞれ表4-1及び表4-2に示す。
 旧式設備淘汰が継続しているのは重金属汚染の対策と見られるが、「目録(2005年)」から継続していることは、この間の順調な経済成長によりこれらの淘汰が進まなかったことの裏返しでもある。「目録(2011年)」は環境・省エネ・省資源などが取り入れられ、更にレアアース関連について具体的に記述されていることが特徴である。
 なお、ここでは表形式としては略すが、淘汰類(製品)として掲げられた項目は、「棹銅方式による銅ワイヤロッド」のみで、これは「目録(2005年)」と「目録(2011年)」の両方に記載されている。

表4-1. 非鉄金属の淘汰類「目録(2005年)」

No 項 目 内 容
1 国務院主管部門の承認を経ていない、採鉱ライセンスのないタングステン、錫、アンチモン、イオン吸着型レアアース等、国家が規定し保護性開発採掘を実行している特定鉱種の鉱山の採掘選鉱プロジェクト
2 国務院主管部門の建設承認を経ていない、採鉱ライセンスのないタングステン、錫、アンチモン、イオン吸着型レアアースの製錬プロジェクト及びタングステン加工(硬質合金を含む)プロジェクト
3 マッフル炉(原文;「馬弗炉」)、陶質罐を用いた還元炉(原文;「馬槽炉」)、横罐、小竪罐などを用いて焙焼し、発生する蒸気を簡易凝集で回収する旧式な方法で亜鉛製錬或いは酸化亜鉛製品生産
4 鉄鍋と竈、蒸留罐、るつぼなどを用い、発生する蒸気を簡易凝集で回収する旧式な方法で水銀製錬を行う技術設備
5 地面にあけた穴を炉として或いはるつぼでの焙焼を用い、発生する蒸気等を簡易凝集で回収する旧式な方法で酸化ヒ素或いは金属ヒ素を製錬した製品
6 アルミ自焼(self baking)電解槽
7 炉床面積1.5平方m以下の密閉溶鉱炉(原文;「鼓風炉」)での銅製錬工程設備
8 炉床面積1.5平方~10平方m未満の密閉溶鉱炉(原文;「鼓風炉」)での銅製錬工程設備(2006年)
9 (炉床面積)10平方m以上の密閉溶鉱炉(原文;「鼓風炉」)での銅製錬工程設備(2007年)
10 電炉、反射炉での銅製錬工程設備(2006年)
11 排気からの硫酸製造の乾式浄化(原文;「烟気製酸干法浄化)と熱濃酸洗い(原文;「熱濃酸洗滌」)の技術
12 「二人転」式非鉄金属圧延機
13 地面にあけた穴を炉或いはるつぼを用い或いはherreshoff furnace(原文は「赫氏炉」)を用いる旧式な方法で行うアンチモン製錬
14 焼結鍋、焼結盆、簡易高炉などを用いた旧式な方法で鉛を製錬する工程設備
15 るつぼ炉を利用して再生アルミ合金、再生鉛を熔煉する工程(2005年)

表4-2. 非鉄金属の淘汰類「目録(2011年)」

No 項 目 内 容
1 マッフル炉(原文;「馬弗炉」)、陶質罐を用いた還元炉(原文;「馬槽炉」)、横罐、小竪罐などを用いて焙焼し、発生する蒸気を簡易凝集で回収する旧式な方法で亜鉛製錬或いは酸化亜鉛生産を行う技術設備
2 鉄鍋と竈、蒸留罐、るつぼなどを用い、発生する蒸気を簡易凝集で回収する旧式な方法で水銀製錬を行う技術設備
3 地面にあけた穴を炉として或いはるつぼでの焙焼を用い、発生する蒸気等を簡易凝集で回収する旧式な方法で酸化ヒ素或いは金属ヒ素を製錬する技術設備
4 アルミ自焼(self baking)電解槽及び100kA以下の預焙槽(prebaked cell)(2011年)
5 溶鉱炉(原文;「鼓風炉」)、電炉、反射炉での銅製錬工程設備(2011年)
6 排気からの硫酸製造の乾式浄化(原文;「烟気製酸干法浄化)と熱濃酸洗い(原文;「熱濃酸洗滌」)の技術
7 地面にあけた穴を炉或いはるつぼを用い或いはherreshoff furnace(原文は「赫氏炉」)を用いる旧式な方法で行うアンチモン製錬
8 焼結鍋、焼結盆、簡易高炉などを用いた旧式な方法で鉛を製錬する工程設備
9 るつぼ炉を利用して再生アルミ合金、再生鉛を熔煉する工程設備
10 湿式フッ化塩を用いたアルミプロジェクト
11 1万t/年以下の再生アルミ、再生鉛プロジェクト
12 再生非鉄金属の生産で直接石炭燃焼を採用している反射炉プロジェクト
13 棹銅方式による銅ワイヤロッド生産工程
14 硫酸製造装置と排気吸収システムを備えていない焼結機による鉛製錬工程
15 焼結-溶鉱炉(原文;「鼓風炉」)による鉛製錬工程
16 排煙処理装置を欠く焼却炉による再生銅(を得るための)工程と設備
17 50t以下の伝統的固定式反射炉での再生銅生産工程と設備
18 4t以下の反射炉での再生アルミ生産工程と設備
19 イオン吸着型レアアース鉱石の「堆浸法」・「池浸法」による溶離抽出と沈殿の工程(「池浸法」は池でのリーチング、「堆浸法」は規模が大きいが基本的には池浸と同様な方法)
20 鉱種がモナザイトだけの開発プロジェクト
21 レアアース塩化物を電解して金属を調製する工程プロジェクト
22 アンモニアけん化によるレアアース抽出分離工程プロジェクト
23 湿式生産-電解にフッ化レアアースを用いる生産工程
24 鉱石処理量50万t/年以下の軽希土鉱山の開発プロジェクト、REO量で1,500t/年以下のイオン型希土鉱山の開発プロジェクト(2013年)
25 REO量で2,000t/年以下のレアアース分離プロジェクト

6. その他区分の中の鉱業・非鉄金属関連項目

 「非鉄金属」以外の産業区分の中にも非鉄金属あるいはその工業に関連した項目が記載されている。それらを「目録(2011年)」から適宜抽出したものが表5である。ここでは参考にそれらの奨励類のみ抜粋しているが、制限類・淘汰類にも同様に関連する項目がある。

表5. 「目録(2011年)」の「非鉄金属」区分以外で関連する奨励類項目抜粋

原子力
1 ウラン鉱床探査と鉱石採掘製錬、ウラン精製、ウラン転換
鉄鋼
14 低品位マンガン鉱石を利用した合金鉄の製錬に関する新技術、ラテライト鉱を用いてフェロニッケルを高効率で製精錬する鉱熱炉(RKEF)技術
1 金の深部(1,000m以下)探鉱と開発採鉱
2 尾鉱と廃石からの金回収
化学
2 硫黄、カリウム、ホウ素、リチウム等の不足している化工鉱産資源の探査開発及び総合利用。中低品位リン鉱石の採鉱選鉱と利用。燐鉱石随伴資源の総合利用
機械
59 固体廃棄物防止技術設備(以下略)
軽工業
16 硫化鉄リチウム、塩化チオニルリチウム等の新型リチウム電池、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、新型構造(チューブ式等)密封鉛蓄電池等の動力電池(以下略)
17 廃棄鉛蓄電池資源化無害化回収、年回収能力5万t以上の再生鉛設備システム製造(以下略)
その他サービス
13 再生資源回収利用ネットワークの建設
環境保護と資源節約総合利用
1 鉱山生態環境回復
2 海洋環境保護及び科学開発
5 区域内の自動車・電気電子産品・船舶・鉄屑・木材などの廃棄物を循環利用する基地の建設
8 危険廃棄物(放射性廃棄物、医療廃棄物、重金属を含む廃棄物等)の安全処理技術設備の開発と製造及び処理センターの建設
23 省エネなどの節約型による環境保護及び資源総合利用等の技術開発と応用
25 共生・随伴鉱産資源中の有価値元素の分離及び総合利用技術
26 低品位、複雑、難処理鉱石の開発及び総合利用
27 尾鉱、廃滓等資源総合利用
28 再生資源回収利用産業化
33 重金属排出を削減し管理する技術の開発と応用
35 有毒、有機排気、悪臭処理技術
公共安全と応急産品
3 尾鉱のダムや堆積場の安全自動管理警戒技術の開発と応用

7. まとめ

 2011年3月、全国人民代表大会で「第12次5カ年計画」が発表された。そこではこれまでに生じた中国国内の社会矛盾や国際社会との関わりに基づいて策定された対策や戦略などが掲げられ、経済成長の質の向上を目指すことが謳われている。概観した「目録(2011年)」も、当然ながらこの計画と歩調をそろえている。
 当面は、今後の具体的な政策や基準の策定あたっては「目録(2011年)」が根拠になると予想され、「目録(2011年)」を把握することで先見的に動向を見通すこともできよう。
 なお、本報告で紹介した和訳はJOGMECが仮訳したものである。より詳細な定義などについては、以下のWebsiteを参照していただきたい。
 「目録(2011年)」; www.gov.cn/gzdt/att/att/site1/20110426/001e3741a2cc0f20bacd01.pdf
 「目録(2005年)」;www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbl/zcfbl2005/t20051222_54304.htm

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