閉じる

報告書&レポート

2011年10月6日 ロンドン事務所 北野由佳
2011年50号

ERNST & YOUNGによる鉱業におけるビジネスリスクの分析

 監査法人Ernst & Young(以下E & Y、本社:ロンドン)は2011年8月8日に鉱業が直面しているビジネスリスクを分析した「Business risks facing mining and metals 2011-2012」を発表した。同報告書は、主要鉱山・金属企業に対するインタビューに基づきリスクのランキングを提示すると共に、それぞれのリスクに対して鉱山・金属企業が実施することができる対策についても言及されている。本カレント・トピックでは、同報告書の概要を報告する。
 なお、同報告書の要約(英文)は以下のリンクからダウンロード可能である。
 http://www.ey.com/Publication/vwLUAssets/Business_risks_in_MandM_2011-2012_Exe_Sum/$FILE/Business_risks_in_MandM_Exe_Sum.pdf

1. 2011年の鉱業ビジネスリスクランキングトップ10

 2011年の鉱業におけるビジネスリスクランキングのトップ10に特定された項目は、1位から10位まで昇順に、①資源ナショナリズム、②技能不足、③インフラへのアクセス、④社会的営業免許、⑤設備投資計画の実行、⑥価格と通貨のボラティリティ、⑦資本配分、⑧コスト管理、⑨供給障害、⑩不正・腐敗であった。この1年でランキングは大きく変化しており、鉱業に従事する企業は、急速に変わりゆくビジネスリスクを特定し、企業ごとのリスク管理プランを定期的に更新する必要がある(図1参照)。

図1. 2010年のランキングとの比較
図1. 2010年のランキングとの比較

(出典:E & Y「Business risks facing mining and metals 2011-2012」)

2. ビジネスリスクのトップ10に特定された項目の詳細及び対策

第1位:資源ナショナリズム(前年第4位)
 2010年の報告書ではリスクランキング第4位であった資源ナショナリズムが今回第1位となった。多くの政府が財政赤字を抱える中、コモデティ価格の上昇に伴って、鉱業は財源強化を目指す政府のターゲットとなっている。E & Yの調査によると、過去18か月間で25か国以上の政府が、税金またはロイヤルティを通じて、鉱業における政府の利益を増加させた、若しくは増加する意向を示した。
 具体的な資源ナショナリズムの事例は以下のとおりである。

・ 資源利用税(resource rent)の課税
豪州では2012年に「鉱物資源利用税(MRRT:Minerals Resource Rent Tax)」の導入が予定されている他、ペルー、タンザニア及びナミビアでは超過利潤税(windfall tax)の導入が検討されている。

・  ロイヤルティまたはその他の税金の課税率の変更
中国では2011年4月からレアアースの資源税が引き上げられた他、米オバマ政権の2012年度予算案には5%のロイヤルティ導入が含まれている。

・ 外資企業への支配力の強化
ベネズエラ政府は、2011年2月、加Crystallex社の鉱業権を取り消した。また南アの鉱物資源省は2011年4月までの7か月間、汚職防止と環境規制強化を目的とした探鉱・鉱業権の管理システム改善のため、新規鉱業権の受付を一時停止した。

・ 鉱物資源高付加価値化の促進
インドネシア政府は、2014年から鉱物資源高付加価値化政策の完全実施を行う。それに先行して、鉱石輸出に対して高率課税を課すことも検討している。南アでは、2011年6月、Zuma政権が高付加価値化戦略を承認した。

・ 新鉱業法の制定
ギニア政府は2011年9月9日、新鉱業法を国会で採択した。同国内における汚職対策強化と鉱業プロジェクトの政府権益拡大(最大35%)を目的としている。一方、パナマ政府は、ロイヤルティ引き上げ及び規制強化を含む新鉱業法を2011年2月に成立させたが、先住民グループの抗議活動にあい、同年3月、新鉱業法の廃止を決定した。

・ “use it or lose it”の原則
世界的な経済不況によりコモデティ価格が下落したことから、鉱山会社の設備投資が減退したため、資源国政府で“use it or lose it”(休眠状態の鉱区を国に帰属させる)原則導入の動きがあった。

・ 政府及び地域社会の参加
ジンバブエ政府は、現地化・経済権限拡大法の施行を進めており、同国内で活動する外国企業は、2011年9月末までに現地資本の比率を51%にまで引き上げることが義務づけられている。また南アでは、鉱業憲章に含まれるBEE(Black Economic Empowerment)政策を厳格化し、2014年までに同国鉱業の26%が「歴史的に不利益を被ってきた南ア国民(HDSA:Historically Disadvantaged South African)」の経営者に譲渡されることを目標としている。

・ 国営企業による国内資源の探鉱
ナミビア政府は2011年4月、ウラン、銅、金、石炭等の戦略的鉱物(Strategic Minerals)の全ての探鉱権及び採掘権を、鉱業公社のEpangelo Mining社に付与する制度を内閣が承認したと発表した。この制度は既得ライセンスには適用されないが、戦略的鉱物に係る鉱業活動に新規参入するためには、鉱業権を持つEpangelo Mining社とJVを構築することが必要となる。

<対策>

・ 鉱業プロジェクトがもたらす利益を受入れ国側に理解してもらうため、受入れ国政府との透明な関係(transparent relationships)構築のために投資する。

・ 受入れ国政府の経済的及び政治的な奨励政策に沿った事業展開を行い、受け入れ国内のインフラにおける貴重な一部となる。

・ 有効な地域社会開発プログラムを積極的に実施することにより、受入れ国の地域社会に直接的かつ持続可能な利益をもたらす。

・ 政府間での強力な関係を築いている国営企業と提携する。

・ 政府の直接的な(市場価格での)プロジェクト資本参加を促進する。

第2位:技能不足(前年第2位)
 世界的な不況から回復の兆しが見え、コモデティ価格が上昇すると共に、鉱業プロジェクトの開発または既存の鉱山での増産のための投資が活発化した。鉱山への投資が増えることで、熟練鉱山労働者の需要も急増した。まず最初に投資の対象国となった豪州及びカナダでは、他国から鉱山労働者を呼び寄せることで実質的な労働者不足を防いでいたが、豪州では2020年までに追加で8万6千人の労働者が必要だと見積もられており、労働者の確保が必須となる。カナダも似たような状況下にあり、2017年までに6万~9万人の労働者不足に陥る可能性がある。鉱山労働者の需給逼迫は南米にも広がっており、新規プロジェクト用の人員または退職者の後任として、チリ及びペルーでも今後数年間で多数の鉱山労働者を要することが考えられる。
 鉱山労働者不足がもたらし得るリスクには以下の事項が挙げられる。
・ プロジェクトの遅延
・ 過度の労働による疲労や時間的制約によって鉱山の安全衛生に悪影響
・ 人員確保のため運営費が上昇
・ 生産能力の減少

<対策>
・ より広い雇用人口層から代替的な技能者を獲得する。
・ 半熟練(semi-skilled)労働者及び引退した元労働者の就業を促進するプログラムを実施する。
・ 引退間近の熟練労働者が持つ重要な技能を職場で維持するためのプログラムに焦点をあてる。
・ トレーニングと能力開発を目的とした雇用プログラムを実施する。
・ 鉱山の経営計画の中に早期の人員確保を組み込む。
・ 関連団体やコミュニティと戦略的な協力関係を確立しておく。

第3位:インフラへのアクセス(前年第6位)
 鉱山及び金属会社の事業拡大能力は、電力、水道、船舶輸送、港、鉄道等のインフラ設備の能力によってしばし制限されることがある。資源国の多くでは、金属需要の持続的な高まりとインフラ設備の能力拡大が同じペースで起こっていないため、インフラへのアクセスに支障が出る場合がある。そのような場合、他国の競争相手に顧客を獲得され、市場のシェアを失ってしまう可能性がある。それゆえ、インフラ設備の開発は、鉱山及び金属会社にとっては管理すべき重要なリスクの一つである。企業は資源国におけるインフラ設備投資の必要性を無視することはできないが、ハイリスク・ハイリターンの鉱山事業と、ローリスク・ローリターンのインフラ事業を過度に融合させることは、企業の全体的な収益を減少させる可能性があるため、引き受けられるインフラ開発には限りがある。

<対策>
・ インフラ不足が企業価値に与えうる影響の範囲を特定する。
・ インフラを含めたすべての設備投資から得られる利潤を理解した上で、適切な資金調達を行う。
・ インフラに関する問題に他の利害関係者と協力して取り組み、利益を共有する。

第4位:社会的営業免許(前年第5位)
 1980年代以降、「持続可能な開発」は鉱山及び金属会社にとって大きな課題となっている。持続可能な開発は、環境保護、経済成長、社会的公正という3つの基本的な要素から成り立っている。より持続可能な開発へと移行する動きが活発化する中、企業には「社会的営業免許(social license to operate)」が求められるようになってきている。天然資源の採掘について地域社会からの了解を得るためには、従業員の安全衛生、環境及び地域社会への社会的便益の面で優れていなければならない。企業の評判は、その企業の最近のパフォーマンスだけではなくて、各産業分野全体のパフォーマンスにも影響を受ける。加えて、地域社会が許容可能と判断するリスクの範囲は急速に変化しており、鉱山及び金属会社にとっての最大の課題は、変化する地域社会の要求にどれだけ早く対応できるかということである。例えば、2010年10月にチリのSan José鉱山事故で地下に閉じ込められていた33名の鉱山労働者全員が救出されて以降、鉱山安全に対する地域社会の期待度が高まっている。

<対策>

・ 企業のリスク管理フレームワークに社会的営業免許に関するリスクも組み入れるとともに、明確なリスク緩和戦略も構築しておく。

・ 持続可能性に関する地域社会と労働者との話し合いを促進する。

・ 鉱山における安全衛生の向上、水消費量及び廃棄物の削減等の持続可能性に関する重要業績評価指標(KPI:Key Performance Indicator)を生産量に関する報告書に取り入れる。

・ 紛争地域においては安全面でのリスクを軽減するために、全ての利害関係者との友好的な信頼関係を促進する。

・ 全ての長期計画に持続可能性に関する目標を含める。

第5位:設備投資計画の実行(新たにランク入り)
 鉱業における大規模な設備投資計画の実行は大変複雑であり、それを適切に管理することは難しいが、世界的なコモデティ需要の高まりは、鉱業における設備投資の必要性を駆り立てている。設備投資における制約は、プロジェクトの遅延もしくはキャンセルにつながる可能性がある一方、投資計画が順調に実行できれば企業の市場価値にプラスの影響をもたらす。そのため、投資計画の実行は、鉱山及び金属会社にとって大変重要であるが、以下の様な複雑な課題が付随する:

・ 投資計画を実行するための人的資本が不足している。

・ 投資計画の費用及びスケジュールの正確な予想ができない場合は、予想外のコスト増によるプロジェクトの遅延またはキャンセルが発生する。

・ 人的資本不足によって、プロジェクトの実行をコントラクターに依存する必要性が発生する。しかしコントラクターは、大規模プロジェクトの成功に必要な能力やシステムを欠く場合がある。

・ インフラへのアクセスや既存設備での障害といった問題を過小評価し、プロジェクトに関して楽観的な経済予測をすることで、投資計画の実行に悪影響を与える。

・ 経営者と請負業者間での契約上の義務があいまいな場合、投資計画の実行に遅延が生じる。

<対策>
・ 効果的なリスク管理システムを構築すると共に企業のポートフォリオを厳密に管理する。
・ 第3者によるプロジェクトの評価及び監督を行い、問題を初期段階で特定する。

第6位:価格と通貨のボラティリティ(前年第9位)
 過去数年間でコモデティ価格と通貨のボラティリティは、鉱山経営、FS、商取引及び各種契約に付随するリスクを増大させた。国際的な鉱山会社の多くは、米ドルを機能通貨(functional currency)としているため、通貨のボラティリティがより顕著である。豪ドルや南ア・ランド、チリ・ペソといった強い通貨で費用が発生し、その収益を弱い米ドルで計算する企業の場合、利幅が減少する恐れがある。一方、コモデティ価格は景気、地政学的側面、需給等、様々な要素に影響を受けるが、近年ますます需要が高まっているETF(上場投資信託)がコモデティ価格のボラティリティの新たな要因となっている。ETFはコモデティ価格と米ドルの関係、またコモデティ価格と需給バランスの関係を変えたとも考えられている。

<対策>
・ 価格と為替レートのより広範囲なパラメーターを想定する。
・ 自然的ヘッジ(natural hedge)の活用範囲拡大を検討する。
・ 「大惨事(catastrophe)」を回避するためのヘッジ戦略を見直す。
・ 金融危機の際に適用した費用抑制戦略を維持し、経営コストを継続的に削減することによって、収益性を確保する。
・ 金属価格の変動と通貨の影響を緩和するため、金属ポートフォリオを多様化する。

第7位:資本配分(前年第1位)
 資本配分(capital allocation)は2010年には、価格変動、為替レート、資本の利用可能性(capital availability)、鉱物資源税制、リスク許容量(risk appetite)といった要因が顕在化したことから、リスクランキング第1位であった。一方2011年は、鉱業部門は記録的な収益を上げており、金融機関は鉱業に対して再び手ごろな金利での融資を行っている。利用可能な資本は増加したものの、マクロ経済の不安定さに関連したリスクとボラティリティの中で投資に関する決断を下すことは難しく、企業の経営陣にとって資本配分はなお重要な課題である。
 資本の利用可能性が問題の中心ではなくなった2011年は、企業の成長と株主利益を最大にするためにどのように資本を配分するかが課題である。資本配分の際には以下の様な課題が想定される:

・ 企業成長若しくは株主還元:株主への利益還元を求める世論の圧力が増している。

・ 有機的成長若しくはM & A:有機的成長は、M & Aに比べて、費用や生産をよりコントロールできるという利点があるが、株主が求める速度及び規模での企業成長を可能にするためには、大規模なM & Aが必要である。

・ 強化若しくは多様化:特定のコモデティの生産を強化し市場占有率を伸ばすか、生産の多様化を目指すかの選択である。

・ 過剰な資本:資本の利用可能性が高すぎることもリスクになりうる。

<対策>
・ リスク評価及び許容できる利益率の評価を定期的に継続して行う。
・ 企業のリスク許容量(risk appetite)を明確に提示する。
・ 戦略的な成長目標に沿った資本配分の適切なバランスを保つために、ポートフォリオを最適化する。
・ 資本市場を適時、日和見的に利用する。
・ 明確な資本管理戦略を構築し、許容できる限度(倫理的、財務上、リスク面)の定義を明らかにしておく。
・ KIPを再評価する。
・ 財務上の融通性を高めるために資金源を多様化させる。
・ 新市場を開拓する(商品または地域)。

第8位:コスト管理(前年第3位)
 金融危機の際には、多くの企業・組織にとって「慎重なコスト管理(prudent cost management)」がスローガンのようになっていたが、その傾向は今もなお続いている。しかし実際には、資本コスト及び運営コストは、2010年から2011年にかけて上昇し続けている。鉱業分野におけるコストは、インフレ、米ドル安、増税・ロイヤルティ、石油価格、輸送費といった様々な要因に影響を受ける。加えて、コモデティ価格が上昇している場合は、労働組合が賃上げ要求をするため、賃金と物価の悪循環(price-wage spiral)を引き起こし、コストにさらなる影響を与える。
 また現在、供給面での制約が資本コストを引き上げるという状況が存在する。鉱石品位の低下や採掘の深部化、従来の鉱業地域の飽和状態といった課題を背景に、鉱山会社は資源を確保するためにハイリスクで政治的に不安定な地域に進出するようになった。技術的にも政治的にも高いリスクを負うことは、結果的には鉱山操業のコスト増となる。
 コストを効果的に管理できなければ、長期的な企業成長の阻害、株主利益の減少、資産の減損及び不正行為発生のリスク増につながるおそれがある。

<対策>
・ 持続可能な費用削減プログラムを実施する。
・ 中核部門以外の資産を売却する。
・ サプライヤーとの契約を見直す。
・ 外部委託を検討する。
・ 規模の経済性(economies of scale)の原理を最大限に活かすために、戦略的な合弁事業を行う。

第9位:供給障害(新たにランク入り)
 日本で発生した大地震及び津波、豪州の豪雨、コロンビアの洪水、インドネシアで発生した津波といった一連の天災により、大規模な災害が供給に与えうる影響がビジネスリスクとして認識されるようになった。また、鉱山及び金属会社の財務実績が改善されたことで、労働者、労働組合、地域社会といった利害関係者が、その利益からより多くの恩恵を得るために抗議行動をおこし、世界中で生産や製品の出荷に悪影響を与えている。
 継続供給へのリスクは、リスクが発生しうる可能性とリスクがもたらす供給への影響の観点から、2つのレベルに分けて考えることができる。
レベル1.可能性-中/供給への影響-小規模または短期
特定のプロジェクトの生産を一時的に妨げるようなリスク。
例:停電、労働者によるストライキ、人材不足、機器の故障、サプライチェーンの寸断、鉱山での犯罪など。
レベル2.可能性-低/供給への影響-大規模
供給面でより広範囲で長期的な影響を与えるリスク。
例:自然災害、環境被害、世界的経済危機など。

<対策>
・ 最悪の事態に備えて広範囲な緊急時対応策を立てておく。
・ 災害への対応及び回復戦略を準備しておく。
・ 内部統制及び警告システムの有効性を評価しておく。
・ 個々のサプライチェーンの能力を分析する。
・ 企業評判へのダメージを最小にするための戦略を作成する(広報活動等)。
・ 資金の流動性を注視する。

第10位:不正・腐敗(新たにランク入り)
 発展途上国における事業が盛んになると共に、利益を追求する企業が不正・腐敗のリスクにさらされる可能性が高くなっている。このような事態に対し、政府は企業責任を増大させるような規制を設けることで対応している。例えば英国では2011年7月2日に英国贈収賄防止法(The UK Bribery Act)を施行した。同法は英国内に事務所を置く企業だけではなく、英国に事務所を持つ企業の英国外での事業及び英国外で働く英国民を対象としている。
 E & Yの調査によると、M & A投資の22%はハイリスク地域に対して行われており、そのような地域で事業を行う企業は、リスクとそのリターンを慎重に比較検討する必要がある。
 以下の様な項目において、鉱山・金属企業にとって高い不正・腐敗リスクが存在する:
・ 政府規制当局の高官
・ 未開発地における事業
・ 調達
・ 地域住民への補償
・ 契約管理

<対策>
・ 重要な法律を理解する。
・ 有効なコンプライアンス・プログラムを設定するため、一般的に認められた基準及び手引きを熟知しておく。
・ 不正リスク評価を行う。
・ 腐敗防止コンプライアンス・プログラムを実施及び監視する。
・ 上記プログラムをM & A及び合弁事業の際のデューディリジェンスに組み込む。
・ 定期的にリスクを再評価し、プログラムを修正する。

3. 所感

 アフリカや南米の一部の国での鉱山国有化の動きに代表される資源ナショナリズムが2011年のビジネスリスクランキングで第1位となっており、資源ナショナリズムに対する鉱山会社の関心・懸念の高まりがうかがえる。また技能不足が2010年に続いて2011年も第2位という上位にランキング入りしていることは、この問題が鉱山の生産能力に直接的かつ大規模なリスクを引き起こし得ることを示している。熟練技能者の養成には時間を要するため、技能不足の問題が2012年以降も引き続きリスクランキングで上位に入る可能性があると思われる。同報告書では2011年のビジネスリスク10項目に関して記載したが、鉱山・金属会社が直面するビジネスリスクは刻々と変化しているため、新しく浮上するリスクを特定し、リスク評価を行い、その対応策を検討することが重要である。

ページトップへ