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報告書&レポート

2012年3月1日 金属企画調査部 渡邉美和
2012年12号

非鉄金属産業に関わる2011年の中国の税制の動向

 2011年、豪州では論議されてきた鉱物資源利用税(MRRT)が導入され、ペルーでも鉱業超過利益課税が実施されるなど、多くの資源国で政府による税収増加をもたらす税制やロイヤルティ改正の動きが見られた。また、ジンバブエでの外国企業に対する現地資本比率51%への引上げの義務化や、ギニアでの鉱業プロジェクトの政府権益拡大を目的とする鉱業法改正など、政府支配力が強化された。これらの動きは「資源ナショナリズム」として世界中の資源国に広がりを見せ、各国の政策動向に対する継続的な注視が要請されている。
 世界で有数の鉱業国であり、非鉄金属の生産消費も大きな部分を占める中国でも、2011年は税制の改正を通じて大きな動きが見られた。2011年10月には過去何年かにわたって噂されていた資源税の改定が発表されたが、中国の税制改定の動きは2011年1月から始まっていた。2008年決定の「再生資源増値税政策に関わる通知」の施行に伴い、段階的に引下げられてきた再生資源に関わる増値税還付が、2011年1月から還付されないことになった。
 ここでは2011年の中国の非鉄金属産業関連税制の改定等を振り返りつつ、その経緯や背景を考察する。なお、法制度や表の中国語原文の和訳はJOGMECによる仮訳である。

1.金属屑の増値税17%についての50%還付を取消(2011年1月)

1-1. 還付取消の背景
 2008年12月9日、中国財政部と国家税務総局は、「再生資源増値税政策に関わる通知」(財税[2008]157号、2008年12月9日)を発行、2009年1月1日から段階的に増値税の実質免税政策を取消すことにした。
 この結果、「先納還付」(正規の増値税を納付後、手続きにより所定税率を還付)により以下のようになった。
 2009年 還付率70%で還付
 2010年 還付率50%で還付
 2011年 免税取消

1-2. 2011年の動向
 2011年1月から、再生鉛企業の原料となる廃棄蓄電池回収でも増値税還付に関わる優遇政策がなくなったことにより、再生鉛企業のコストの増加、再生鉛市場の「縮小、分散、混乱」が見られ、廃棄蓄電池価格が上昇した。再生鉛の生産者も減少し、このような状況は再生鉛企業(一部で廃棄鉛蓄電池回収業者)の増値税優遇政策がなくなったことでもたらされたと見られ、優遇策の復活が要望されその実施が検討された。
 この結果、2011年11月23日、国務院の承認を経て、財政部と国家税務総局は改めて「資源総合利用産品及び労務の増値税政策の調整に関する通知」を発表。廃棄蓄電池を原料として鉛等の非鉄金属を生産する場合、増値税の課税を50%に留めるとする優遇措置を設定した。
 ただし、対象企業の選定に当たっては、享受できる条件指標が明確に定められていた。再生鉛産業の健全な発展を図り、資源回収産業の調整強化を奨励することが目的とされ、2011年8月1日に遡って実施された。
 掲げられた条件指標は次の通り。

 1.対象;元来回収業者であり、現在「危険廃棄物の総合利用企業」であること
 2.増値税優遇の対象として「危険廃棄物総合経営許可証」を有していること
 3.生産物の原料として上述の資源の比重が90%以上であること

 この背景としては、2011年4月8日付けで環境保護部等9部門が連合して、鉛蓄電池産業を重点とした「2011年、民衆の健康を保障し環境を保護するために違法汚染排出企業の整理を展開する活動の通知」(環発[2011]41号)に基づく鉛蓄電池産業の一斉環境検査が考えられる。この環境検査と産業構造の転換による再編は車の両輪である。比較的大きな企業を中心とした企業再編で蓄電池製造業は構造転換できると見られているが、廃棄蓄電池の回収から再生処理の一部を担う回収産業の育成のためには、何らかの優遇措置の継続が必要と見られた結果の措置と考えられる(鉛蓄電池産業の一斉環境検査に関しては、JOGMEC カレント・トピックスNo.11-45「中国鉛蓄電池企業の環境検査による生産停止動向」を参照されたい)。

2. レアアースに資源税品目新設定、軽希土・中重稀土とも税率引き上げ(2011年4月)

2-1. 品目新設定と税率引き上げ
 2011年3月24日、財政部と国家税務総局は、2011年4月1日からの適用として、それまでの「資源税税目税額明細表」では「その他非鉄金属鉱石」として括られ課税されていたレアアース原鉱について、法律改正に基づかない通知により「資源税税額」の新税目と従量税率を設定し発表した。
 この結果、従来の「資源税税目税額明細表」で「その他非鉄金属鉱石」として0.40~3.00元/t(0.06~0.46 US$/t)又はm3が適用されていたレアアースの税率は以下のように引上げられた。
 ・ 軽希土(*1)   60元/t(9.16 US$/t)
 ・ 中重希土(*2)  30元/t(4.58 US$/t)
    * 1バストネサイト、モザナイトを含む
    * 2燐イットリウム鉱(xenotime)、イオン吸着型希土を含む

2-2. 地方政府の独自課税設定権の背景
 実態としては、2011年3月以前は「資源税税目税額明細表」の中の「その他非鉄金属鉱石」に記載された課税率の細目の決定権は、中央政府ではなく地方の省政府にあった(*注「資源税税目税額明細表には付帯事項として以下の記述がある。「上表中に列挙したその他非金属鉱石原鉱とその他非鉄金属鉱石原鉱については省クラスの人民政府が決定する」-原文は「上表中未列挙名称的其他非金属鉱原鉱和其他有色金属鉱原鉱,由省級人民政府決定」)
 例えば、広東省は、希土鉱という税目を設定することで「その他非鉄金属鉱石」から分離し、税額を標準税額0.40元/tとし、ただし財政部が1996年から適用していた減税の例外措置である「非鉄金属の資源税の減税率30%」(財政部財税字[1996]82号の規定)により、課税率を0.32元/tとしていた(広州工商注册、2010年10月10日「広州資源費介紹」)*。
 このように省政府が独自課税設定の裁量権を有していることが、最近も遅々として進まないレアアース産業の再編に関わる中央政府と省政府の利益対立に関係しているのかもしれない。(*筆者注;「非鉄金属の資源税の減税率30%」(財政部財税字[1996]82号)は、財政部が2008年1月31日付けで通知した「第10回財政部発行の規範性文件の廃止と失効の決定に関する通知」(財務部令第48号)で298件の廃止文件の一つとして含まれ、廃止されている。上記、広東省の資源税減税率設定に関して矛盾が見られるが、その経緯等については不詳。)

3. 亜鉛地金、ニッケルくず等輸入関税引下げ(2011年7月)

 中国財政部は、2011年6月24日、先進的技術設備や部品そしてエネルギー・原材料の輸入を拡大し、貿易バランスと国内経済の安定的な運営を保証するため、及び国内の応急災害用物資備蓄を確保するために、2011年7月1日からガソリン、ディーゼル油、ジェット燃料などの最恵国輸入関税を大幅に下げると発表した(国務院関税税則委員会による「一部商品の輸入関税の調整に関する通知」(税委会[2011]12号;2011年6月24日に基づく)。
 この内、ディーゼル油やジェット燃料などは関税をゼロとし、ライフジャケットや防毒マスクなどの応急災害用物資や亜麻繊維などの繊維原料、そして亜鉛地金やニッケルスクラップなどの輸入関税が対象として掲げられている。2011年初めに600種以上の品目について2011年の暫定関税を設定していたが、これに加えて品目を拡大したものと説明されている。
 今回の関税率圧縮の対象品目は33種で、農産品が2品目、ガソリン等のエネルギー関連が4品目、亜麻繊維などの繊維原料が9品目、応急災害用物資を含む繊維製品が7品目、非鉄金属が6品目、応急災害用物資等が5品目である。
 非鉄金属関連品目の暫定関税適用の一覧を表1に示す。

表1. 2011年7月から輸入暫定税率適用の品目(非鉄金属関連のみ)

HSコード   品      名 従来税率(%) 暫定税率(%)
75030000
79011110
79011190
79011200
79012000
79020000
ニッケルの屑
亜鉛の含有量が全重量の99.995%以上の未鍛圧の亜鉛
亜鉛の含有量が99.99%以上で99.995%未満の未鍛圧の亜鉛
亜鉛の含有量が99.99%未満の未鍛圧の亜鉛
未鍛圧の亜鉛合金
亜鉛の屑
1.5
3
3
3
3
1.5
1
1
1
1
1
1

注1:従来税率は2011年最恵国税率
注2:暫定税率は2011.7改定適用の税率

 亜鉛に関しては、増加している構造用部材や鋼板などのメッキ用途と思われる。なお、亜鉛については輸出も規制されていて2010年以来亜鉛精鉱などを対象に許可制になっている(2011年輸出入許可証管理貨物目録)。
 ニッケルに関しては特殊な合金用途とも考えられる。ステンレス用としてはステンレス屑で対応でき、敢えて高価なニッケル屑について関税が引き下げられた意味合いが不明である。
 なお、最恵国税率はWTO加盟国相互に適用される税率で、中国にはこの他に2国間または地域貿易協定に適用される協定関税などがある。

4. 資源税に関わる税率改定(2011年10月)

4-1. 2011年資源税に関わる法改定
 2011年9月30日付けで、国務院は「国務院令第605号」を通知し、「中華人民共和国資源税暫定条例」、「中華人民共和国対外合作開採海洋石油資源条例」、そして「中華人民共和国対外合作開採陸上石油資源条例」を国務院第173回常務会議での審議承認を経て改定し、2011年11月1日から発効すると発表した。なお、細則である「中華人民共和国資源税暫定条例実施細則」も2011年10月28日付けの財政部令第66号により改正されている(2011年11月1日から発効)。
 これに先立ち、2011年9月21日からメディアでは改定の内容が報じられてきた。報道された改定の品目と改定後税率は以下の通りである。

表2. 2011年11月から改定された資源税品目

No   品     目   2011年11月改正前   2011年11月改正後
1 原油   8~24元/t 販売額の5%~10%
2 天然ガス   2~15元/千m3 販売額の5%~10%
3 石炭のうち「コークス」
石炭のうち「その他石炭」
  8元/t
  0.3~2.4元/t
8~20元/t
0.3~5元/t
4 その他非金属鉱の原鉱のうち「普通非金属鉱原鉱」
その他非金属鉱の原鉱のうち「貴重非金属鉱原鉱」
① 0.5~5元/t又はm3
② 10元/カラット
0.5~20元/m3
0.5~20元/g又はカラット
5 黒色金属(鉄など)鉱の原鉱* ⑥ 2~25元/t 2~30元/t
6 非鉄金属鉱石原鉱のうち「稀土鉱」
非鉄金属鉱石原鉱のうち「その他有色金属鉱原鉱」
  未設定
  0.4~3元/t
0.4~60元/t
0.4~30元/t
7 塩のうち「固体塩」
塩のうち「液体塩」
③ 25元/t
④ 12元/t
⑤ 3元/t
10~60元/t
2~10元/t

* 中国ではマンガン・クロムは黒色金属(鉄など)に含まれる
① 宝石・ダイヤ以外の非金属鉱
② 宝石・ダイヤ
③ 北方海塩
④ 南方海塩、井鉱塩、湖塩
⑤ 液体塩
⑥ 2011.11改定後の2~30元/tは明細表からは対応がとれない。新旧対照で差異の見られるものは、マンガン鉱石
  2→6元/tのみ。

 なお、前述したレアアースに関する2011年4月1日発効の「資源税税額標準の『統一調整』」は、今回の2011年9月30日改定にそのまま反映されている。また、コークスに関しても既に2007年に「調整」されているものの再掲である。更に、今回の改定では直接には表面化していないが、2007年7月5日付けの「鉛亜鉛鉱石等の税目の調整に関わる通知」 (財政部・国家税務総局、財税[2007]100号)により『調整』された銅、鉛・亜鉛、タングステン鉱石の資源税額もこれを反映して改定に盛り込まれている。

4-2. 資源税改正の経緯
 中国の資源税は、数年来、制度としての改革の方向が何度か報道され、課税方式の従量税から従価税への変更、税率のアップ、課税範囲の見直しによる拡大、地方税収の増加などがその特徴とされていた。その後の経緯は以下の通り。

 ・ 2007年、新浪財経紙が「資源税の改革検討始まる」と報道
 ・ 2010年4月22日、人民日報紙は、「『資源税改革を推進する時期は到来』と財政部科学研究所長」との記事を掲載

・ 2010年6月、財政部と国家税務総局は「新疆原油天然ガス資源税改革の若干問題の規定に関する通知」を発し、2010年6月1日から新疆ウイグル自治区の原油、天然ガスで5%の従価税率への変更を先行実施。

 ・ 2010年末、更に西部12省区市に原油、天然ガスで5%の従価税率への変更試行範囲が拡大。

4-3. 2011年資源税改正と今後の動向
 2009~2010年頃、中国メディアは資源税の改正について、次のような改正が行われるのではないかと報道していた。
 ① 課税方式の従量税から従価税への変更

石油価格は1994年に20 US$/bblだったものが2008年は140 US$/bblに上昇、それにも拘わらず税収は従量課税のため低下していたとの例が引用されていた。

 ② 税率のアップ:3~5%
 ③ 課税範囲の見直しによる拡大

これまでの石油や金属・非金属鉱産品などに加えて、水・電力・森林資源など広い意味での「資源」への拡張も報じられていた。

 資源税改定の当初の狙いとしては以下のように推察できる。
 ① 税収の確保と地方税収のアップ

資源税の多くは地方に配分される税であり、地方の税収アップによる地域格差の是正と地方の投資財源確保。同時に、旧式設備淘汰(環境問題を生じやすく、エネルギー多消費設備)と産業再編(大企業による集約政策→これに対して小さな企業の多い地方政府が抵抗)に対し、地方政府への利益誘導。

 ② 省エネ・環境問題に対して資源使用量抑制、及びそのための産業構造転換の推進

 しかし、2011年の資源税改定は当初報道されていたような広範囲の大改正とは遠い。もちろん、鉱産品などの価格に照らして下流産業への転嫁がしやすい時期や、通貨供給のコントロールに関する時期、資源税改革が最終的に産業構造調整(過剰設備淘汰)などに結びついて効果を及ぼすことが可能となる時期などの、技術的問題として改定のタイミングの問題もある。
 だが、以下の『地方政府の裁量の例(2011年改定後)』に掲げたように、地方政府の裁量事項は改定後も残されている。従課税に変更された場合にはこれら再量範囲も狭まることも予想でき、このような地方裁量権に関わる中央政府対地方政府の綱引きにより、限定された改定に留まったと推察される。

 『地方政府の裁量の例(2011年改定後)』
 ・ 「中華人民共和国資源税暫定条例」
  第三条「税率適用が未確定の『その他非鉄金属鉱石』などは、省・自治区などの地方政府が確定する」

 ・ 「中華人民共和国資源税暫定条例実施細則」

第四条「資源税の適用税率は『資源税税目税率明細表』により等級ごとに定められる。等級は『主要品種の鉱産資源等級表』による。『主要品種の鉱産資源等級表』に例示されていない場合は、省・自治区などの地方政府が近隣鉱山例などに基づき確定する」

 いずれにせよ、2011年の資源税改正は、当初財政当局が示唆し報道されていたものより格段に小さな改正に留まっている。資源税改革は今後も継続されるものと予想され、動向を注視する必要がある。

5. 2012年から輸出入関税、部分調整(2011年12月)

 2011年12月20日、中国税関総局は「海関総局広告2011年第79号」で2012年1月1日から適用される「2012年関税実施方案」を発表した。2011年と比較した変更等は以下の通りである。

5-1. 輸入
 ① 感光材料等52品目に従量税率を新規設定
 ② 最恵国税率は基本的に2011年と変わらず。
 ③ 最恵国に対して2011年に引き続き暫定税率を適用。

④ 2011年7月1日から実施された、ガソリン、ディーゼル油、ジェット燃料などの最恵国輸入関税の暫定税率設定(国務院関税税則委員会、「一部商品の輸入関税の調整に関する通知」、税委会[2011]12号、2011年6月24日発表)については、燃料油やニッケル屑等はそのまま継続しているが、当時設定されたライフジャケットや防毒マスクなどの応急災害用物資は2012年に引き継がれていない。

 表3-1~3-3に2011年12月改定の輸入関税で暫定税率について前年と相違のある品目をHSコードに従って掲げる。

表3-1. 2011年12月改定輸入関税で前年と相違のある品目-その1(HSコード上位2桁が25、26)

HSコード 商品名日本語仮訳 2011 年 2012 年 備     考
暫定税率(%) 暫定税率(%)
25 25030000 硫黄 1 2011年は輸入関税設定なし
25041010 石墨鱗片 1
25059000 その他天然砂、着色してあるか否かを問わない 1
25083000 耐火粘土、焼成してあるか否かを問わない 1
25111000 天然硫酸バリウム(重晶石) 1
25191000 天然炭酸マグネシウム 1
25199010 溶融マグネシア 1
25199020 焼結重質マグネシア 1
25199030 焼結軽質マグネシア 1
25199099 その他マグネシアを70%以上(重量)含む鉱産品 1
25261020 破砕していない或いは粉状にしていない天然の滑石(タルクを含む) 1
25262020 粉状にした天然の滑石 1
25262020 破砕し又は粉状にした天然の滑石(タルクを含む) 1
25280010 天然ホウ砂及びその精鉱 0 2011年は輸入関税設定なし 25281000とコード付け替え?
25280090 天然の粗ホウ酸(ホウ酸重量が85%未満のもの) 0 2011年は輸入関税設定なし 25289000とコード付け替え?
25281000 天然ホウ砂及びその精鉱 0 2012年は輸入関税設定なし 25280010とコード付け替え?
25289000 天然の粗ホウ酸(ホウ酸重量が85%未満のもの) 0 2012年は輸入関税設定なし 25280090とコード付け替え?
25309099 マグネシウムの廃棄磚 1 2011年は輸入関税設定なし
25309099 未焼結のブルーサイト 1
26 26180010 鉄鋼生産で発生するマンガンくず(マンガン含有量が従量で25%より大きなもの) 2 2011年は輸入関税設定なし
26190000 鉄鋼生産で発生するスラグや屑で五酸化二バナジウムの含有量が25%までのもの 2
26209990 その他金属及び化合物のスラグや屑で五酸化二バナジウムの含有量が25%を超えるもの 2

表3-2. 2011年12月改定輸入関税で前年と相違のある品目-その2(HSコード上位2桁が27、28)

HSコード 商品名日本語仮訳 2011 年 2012 年 備     考
暫定税率(%) 暫定税率(%)
27 27021000 亜炭(粉状にしてあるか否かを問わず、凝結させたものを除く) 0 2011年は輸入関税設定なし
27022000 亜炭(凝結させたもの) 0
27101191 exノネン 4 2012年は輸入関税設定なし コード付け替え?
27101199 exイソアミン異性体混合物 5 2012年は輸入関税設定なし コード付け替え?
27101210 自動車用及び航空機用ガソリン 1 2011年は輸入関税設定なし
27101220 ナフサ 0 2011年は輸入関税設定なし
27101291 exノネン 4 2011年は輸入関税設定なし コード付け替え?
27101299 exイソアミン異性体混合物 5 2011年は輸入関税設定なし コード付け替え?
27101911 ジェット燃料 6 0 税率変更
27101921 軽ディーゼル油 0 2011年は輸入関税設定なし
27101922 5-7号燃料油 3 1 税率変更
27111200 液化プロパン 2 1
27111390 その他液化ブタン 2 1
28 28013020 臭素 2 1 税率変更
28020000 昇華硫黄、沈降硫黄及びコロイド硫黄 3 1
28053016 プラセオジム 0 2011年は輸入関税設定なし
28053017 イットリウム 0
28070000 硫酸、発煙硫酸 3 1 税率変更
28366000 炭酸バリウム 2 1
28469017 酸化プラセオジム 0 2012年コード新設、2011年は28469090か、関税率同じ
28469024 塩化ネオジム 0
28469025 塩化プラセオジム 0
28469026 塩化イットリウム 0
28469034 フッ化ネオジム 0
28469035 フッ化プラセオジム 0
28469036 フッ化イットリウム 0
28469044 炭酸ネオジム 0
28469045 炭酸プラセオジム 0
28469046 炭酸イットリウム 0
28469090 希土金属、イットリウム、スカンジウムのその他化合物 0 2012年はコード分解
28469091 ランタンのその他化合物 0 2012年コード新設、2011年は28469090か、関税率同じ
28469092 ネオジムのその他化合物 0
28469093 テルビウムのその他化合物 0
28469094 ジスプロシウムのその他化合物 0
28469095 プラセオジムのその他化合物 0
28469096 イットリウムのその他化合物 0
28469099 希土金属、イットリウム、スカンジウムのその他化合物 0

表3-3. 2011年12月改定輸入関税で前年と相違のある品目-その3
(HSコード上位2桁が70、74、75、76、79、81)

HSコード 商品名日本語仮訳 2011 年 2012 年 備     考
暫定税率(%) 暫定税率(%)
70 70023110 光ファイバー用石英管 3 2011年は輸入関税設定なし
70052900 ex液晶或いはOLED表示盤用原板ガラス 8 3 税率変更
70060000 ex液晶或いはOLED表示盤用原板ガラス 3 4
74 74031200 精製銅ワイヤーバー 0 2011年は輸入関税設定なし
74031300 精製銅ビレット 0
74031900 その他未鍛圧の精製銅 0
74081900 exその他酸素含有5ppm未満の精製銅線 2
74111019 exその他酸素含有5ppm未満で外径が25mmを超えない精製銅管 2
74181090 厨房等で用いる銅製器具及びその部品 10
74181990 厨房等で用いる銅製器具及びその部品 10 2012年は輸入関税設定なし
75 75030000 ニッケルのくず 1 2011年は輸入関税設定なし
76 76061129 0.3mm以上で0.36mmを超えない厚さの合金アルミ製でない矩形の板、片、帯 1 4 税率変更
76151090 厨房等で用いるアルミ製器具及びその部品 10 2012年コード新設、2011年は76151900か、税率同じ
76151900 厨房等で用いるアルミ製器具及びその部品 10 2012年は輸入関税設定なし、コード新設の76151090か
79 79011110 亜鉛の含有量が全重量の99.995%以上の未鍛圧の亜鉛 1 2011年は輸入関税設定なし
79011190 亜鉛の含有量が99.99%以上で99.995%未満の未鍛圧の亜鉛 1
79011200 亜鉛の含有量が99.99%未満の未鍛圧の亜鉛 1
79012000 未鍛圧の亜鉛合金 1
79020000 亜鉛のくず 1
81 81019700 タングステンのくず 1 2011年は輸入関税設定なし
81129240 未鍛圧のニオブ、ニオブのくず、同粉 1

JOGMEC作成

5-2. 輸出
 2011年12月20日付けの「2012年関税実施方案、海関総局広告2011年第79号、中国税関総局」では、2012年1月1日から適用される輸出関税として、「フェロクロムなどの一部の商品について暫定税率を実施」と発表した。しかし、2011年版と2012年版の輸出暫定税率の適用の通知表を見ると、HSコード72024100~72024900については、最恵国税率と暫定税率が、各々2011年が40%と20%、2012年も同様に40%と20%となっていて変化が見られない。
 レアアース関連では2010年12月15日に発表された(JOGMEC ニュース・フラッシュNo.10-50「中国:財務部、2011年輸出暫定税率発表」、2010年12月22日)、HSコード28053011「ネオジム」の関税率アップやHSコード72029991「重量で10%以上の希土元素を含む鉄合金」の新規設定、そしてHSコード28053014「ランタン」等の実質税率は前年と変更なく、そのまま2012年版に引き継がれている。2012年版では更に、実質的な適用税率は前年と同じだが、新たに品目コードが設定された。
 表4に2011年12月改定の輸出関税で暫定税率について前年と相違のある品目をHSコードに従って掲げる。

表4. 2011年12月改定輸出関税で前年と相違のある品目(HSコード上位2桁が28、72、74)

HSコード 商品名日本語仮訳 2011 年 2012 年 備     考
暫定税率(%) 暫定税率(%)
28053016 プラセオジム 25 新規コード設定で2011年までは28053019、税率変わらず
28053017 イットリウム 25
28271010 塩化アンモニウム-肥料用 7* 暫定税率の新規設定   *1-6月、11月、12月の各月は75%
28469017 酸化プラセオジム 25 新規コード設定で2011年までは28469019、税率変わらず
28469024 塩化ネオジム 15 新規コード設定で2011年までは28469029と思われる、税率変わらず
28469025 塩化プラセオジム 15
28469026 塩化イットリウム 15
28469034 フッ化ネオジム 15 新規コード設定で2011年までは28469039、税率変わらず
28469035 フッ化プラセオジム 15
28469036 フッ化イットリウム 15
28469044 炭酸ネオジム 15 新規コード設定で2011年までは28469049と思われる、税率変わらず
28469045 炭酸プラセオジム 15
28469046 炭酸イットリウム 15
28469090 希土金属、イットリウム、スカンジウムのその他化合物 25 2012年は以下にコード分割されたためか暫定税率設定無し
28469091 ランタンのその他化合物 25 新規コード設定で2011年までは28469090、税率変わらず
28469092 ネオジムのその他化合物 25
28469093 テルビウムのその他化合物 25
28469094 ジスプロシウムのその他化合物 25
28469095 プラセオジムのその他化合物 25
28469096 イットリウムのその他化合物 25
28469099 希土金属、イットリウム、スカンジウムのその他化合物 25
72029911 凝固速度の速いネオジム-鉄-ボロン永久磁石片 20 新規コード設定で2011年までは2846991と思われる、税率変わらず
74072100 銅亜鉛合金の条、ロッド、型材及び異型材 0 2012年は以下にコード分割されたためか暫定税率設定無し
74072111 真直性が0.5mm/メートルより小さい銅亜鉛合金の条、ロッド 0 新規コード設定で2011年までは74072100、税率変わらず
74072119 その他銅亜鉛合金の条、ロッド 0
74072190 その他銅亜鉛合金の条、ロッド、型材及び異型材 0
74082200 銅ニッケル合金或いは銅ニッケル亜鉛合金の線 0 2012年は以下にコード分割されたためか暫定税率設定無し
74082210 銅ニッケル亜鉛鉛合金の線 0 新規コード設定で2011年までは74082200、税率変わらず
74082290 その他の銅ニッケル合金或いは銅ニッケル亜鉛合金の線 0

6. その他の税制の改正等

6-1. コバルトの輸出に際しての税還付を検討(2011年11月)
 2011年8月17日の「金属資訊」website内の「中国コバルト産業振興計画(三);
 www.35metal.com」の中で次のようにコメントされている。
 「コバルト材料を生産している企業が、品質を高め、先進産品を開発し、国際市場を開拓していくことをサポートするためには、コバルト材料の輸出に際しての増値税還付の実行が必要である。中国の増値税率は17%だが、欧米は僅かに11%前後に過ぎず、これだけでも中国のコバルト産業は国際競争力を大きく低下させている。中国国外のコバルト資源を加工して先進技術材料、例えばコバルト酸リチウム、四酸化三コバルト、コバルトパウダー、高純度コバルト塩などについて、全面的にの増値税(17%)の全額還付を実行すべきである」
 これに対する関係部門の対応などは2012年2月現在報じられていないが、このような動きが業界内にあることは認識しておく必要がある。

6-2. 国務院常務会議、増値税制度改革試行を決定(2011年10月)
 2011年10月26日に新華社は、温家宝首相が国務院常務会議を招集し、増値税制度改革試行などを決定したと報じた。
 これは、貨物と労務税制の重複課税解決やサービス業務発展のため、2012年1月1日から、一部の地方での増値税制度改革を試行し、現在の営業税課税を増値税課税に順次改正することが決まったものである。改定点としては以下のような事項が挙げられている。
 ① 上海市の交通運輸産業と現代的サービス産業を試行として選定し、条件が整い次第全国展開する。
 ② 現在の増値税税率の標準税率17%と低率13%に加え、11%と6%の新低税率を新たに設ける。

③ 試行地域での営業税及び改正増値税収入は地域に帰属させ、これまでの地域での優遇営業税政策は延長可能とするが、増値税での得点と併せて調整する。

 直接に非鉄金属動向に影響するものではないが、試行地域での非鉄金属取引などでは、これに関連するものがあることが予想される。

7. まとめ

 公開されている情報を収集分析することにより、2011年の中国の非鉄金属産業関連税制の変更をみてきた。資源税の改定がまだ当初予定していた全面改革に結びついていないことが推察される。
 なお、2012年2月、新たな資源税改定の情報に接した。これは、中国の財政部と国税総局が、2012年2月1日、財税[2012]2号「錫鉱石等の資源税の適用標準税率の調整に関する通知」として発表したもので、2012年2月1日から適用となる。錫鉱石等6種の資源税を改定するもので、非鉄金属関連では以下の内容となっている。特に錫の税率は大幅なアップである(注:上記通知では中国元で表示され、以下のUS$表示はJOGMECによる参考のための換算値である)。

① 錫鉱石      ; 鉱山等級により20~12元(3.16~1.90 US$)/tに改定

(従来は1~0.6元(0.16~0.09US$)/t)

② モリブデン鉱石 ; 鉱山等級により12~8元(1.90~1.27US$)/tに改定

(従来より各等級4元(0.63US$)/tアップ)

③ マグネサイト   ; 15元(2.37US$)/tに改定

(従来より13元(2.06US$)/tアップ)

 メディアでは総論的に報道されることが多く、実態としてどのような影響が予想されるかは、メディア報道だけでなく通知文書や付表として発表される資料と比較してみることが必要とされる状況は変わっていない。特に、変更された後の一覧表の形で発表されることが多く、内容的に何がどのように変わったのかは丹念な比較を実施しないと分からず、タイムリーな分析や理解の障壁となっている。
 今後の税制の動向に注視が必要な状況は、中国においても変わっていない。

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