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報告書&レポート

2013年12月26日 調査部 金属資源調査課
2013年71号

2013年金属鉱物資源分野の10大ニュース

 JOGMEC調査部では、2013年の世界の金属鉱業情勢を概観し、金属鉱物資源分野における10大ニュースを次のとおり選定し、それらについてまとめた。

 NO.1  2013年も価格下落が続く

 NO.2  インドネシア新鉱業法に基づく2014年1月からの高付加価値化義務政策の混迷

 NO.3  非鉄メジャー、ノンコア事業の資産売却続く

 NO.4  国際ビジネスサミット(J-SUMIT)、日アフリカ資源大臣会合、TICADⅤ開催

 NO.5  Glencore とXstrata合併完了

 NO.6  南ア労働争議の混迷、白金族金属の生産低迷

 NO.7  メキシコ新鉱業税制など資源国での課税強化続く

 NO.8  LME・CEO交代、倉庫ルール改正

 NO.9  豪州総選挙、野党保守連合勝利、鉱物資源利用税(MRRT)、炭素価格制度(炭素税)廃止へ

NO.10 JOGMEC、南鳥島沖の公海域でコバルトリッチクラスト鉱区を取得、また、「白嶺」がシップ・オブ・ザ・イヤー2012特別賞受賞

1.2013年も金属価格下落が続く

 2013年の金属価格は、減速する中国経済や米国量的緩和(QE3)の縮小観測の影響を受け、2012年に引き続きさらなる下落を辿った。この価格低迷による業績悪化を受け、資源業界では、資源メジャー3社で経営の立て直しを図るためCEOが交代し、ノンコア事業の整理・開発停止が相次ぐ事態となった。

 2013年の金属価格動向としては、年初はQE3の継続決定などにより上伸するも、その後は世界経済に対する先行き不透明感が嫌気され下落、QE3の早期縮小観測が更なる下押し圧力となり年央にかけ一層値を下げた。後半はその水準のまま一定の価格帯を推移するも、中国経済やQE3の継続/縮小の判断材料となる米国の経済指標結果に左右される状態が続いた。その後、12月下旬に米国連邦準備制度理事会(FRB)が1年数か月に亘るQE3を2014年1月から縮小することを決定したことを受けて貴金属価格が下落した一方で、ベースメタルについては、12月に発表された米中欧の堅調な経済指標結果によって12月初旬から続いている上昇基調の中、QE3縮小決定による価格への影響は限定的なものとなった。

 鉱種別では、銅は2月に8,200 US$/t台の年内最高値をつけた後、年央には一時6,600 US$/tまで下落した。その後は7,200 US$/t前後の価格帯を推移、11月に7,000 US$/tを下回る価格帯まで値を下げた後、12月に入って上昇基調に転じ、一時7,300 US$/tまで値を戻す展開となった。金を始めとする貴金属価格についても大よそ同様の傾向が見られたが、ベールメタルよりも軟調傾向にあり、年央にかけ下落、後半は一時期持ち直すも、年末のQE3縮小決定により再び年内最低圏に下落した。

2.インドネシア新鉱業法に基づく2014年1月からの高付加価値化義務政策の混迷

 新鉱業法に基づく鉱石高付加価値化義務の施行まで残すところ1年となった2013年は、未加工鉱石禁輸の完全実施か、それとも緩和かを巡り、特に年後半にかけ状況が目まぐるしく変化した。

 2月、必ずしも順調には進んでいないように思われる製錬所建設計画とその認定や業界の不満という現状への打開策として、ユドヨノ大統領は「鉱物資源高付加価値化促進に関する大統領指示」を発布し、関係閣僚や地方政府長に当該政策促進の為の対策を6か月以内に実施するよう要請した。但し、これも有効な対策にはならなかったようで、その後フォローされることはなかった。4月には Jero Wacikエネルギー・鉱物資源大臣が多くの企業が製錬所建設の期限内完了が困難であることを受け、鉱石禁輸の条件付き緩和を示唆した。国の利益極大化、経済発展を目指しての政策ではあるものの、現状では困難であるという認識を、政府関係者が初めて公に示すものとなった。

 また、こうした認識に加え、折しも同国では米国QE3縮小観測の影響を受け、年初来ルピア安や株価下落による経常収支悪化が進行しており、この状態が継続したまま2014年1月から鉱石禁輸を実施すれば更なる財政の深刻化は必至となることから、8月以降、複数の政府閣僚による条件付きの輸出継続についての発言が見られるようになった。11月に、政府はいよいよ条件つき輸出継続(製錬所建設計画を持つ企業に限り2017年まで輸出を許可)とする方針を固め、商工会議所(KADIN)が設置した高付加価値化に係るタスクフォースとの調整を行った。しかし、12月初旬に国会第7委員会(エネルギー鉱物資源、技術、環境等担当)は、エネルギー・鉱物資源大臣による鉱石禁輸緩和措置案を否決、完全実施の方針を改めて示し、大臣もこれに合意するという展開になった。但し、現地報道によれば大統領が関係閣僚及び国会と協議を行ったうえで最終的な決定を下す見通しとのことで、まだ禁輸緩和への可能性は残されている。KADINタスクフォースや民間鉱山会社は、落としどころを見出すべく、水面下での働きかけを続けている。来年1月12日の施行日が迫る中、今後の動きに益々注目が集まる。

3.非鉄メジャー、ノンコア事業の資産売却続く

 資源価格の低迷と生産コストの増加による収益悪化は、資源大手も例外ではなく、各社とも2012年度に引き続き、「パーティーの後始末」に追われた年であった。新規投資や買収案件の精査による支出削減は然ることながら、既存事業におけるノンコア事業の切り離し、もしくはコア事業であっても、開発費用の一部負担を外部に求める事によるキャッシュフローの創出(CAPEXの負担軽減と事業売却益)を実行するなど、規律ある財政計画が現在の経営上の最大のテーマとなっている。

 例えば、12年度決算で▲30億US$の当期純損失に転落したRio Tintoは、合計で約25億US$の事業売却を13年1月から同12月までに達成し、財務体質の改善を急いでいる。また、ニッケルや石炭などで56億US$の減損が発生し、12年度決算の当期純利益を11年度の228億US$から55億US$へと大幅に減少させたValeも、アルミニウム大手Norsk-Hydro社の保有株式22%を約18億US$で13年11月に売却し、ノンコア事業から撤退した。加えて、ブラジルの鉄道事業において、保有株式の60%近くを総額20億US$で売却する等、キャッシュの積み増しを進めている。その他にも、Anglo Americanがブラジルの鉄鉱石、Glencore Xstrataがカナダの原料炭と、いずれも数億US$規模の事業売却を13年12月までに実行している。なお、BHP Billitonは原油とガスの収益が下支えとなり、大手資源メジャーで唯一となる当期純利益100億US$を堅持したが(12年6月~13年7月決算期。前期比では30%減少)、財務体質の強化が必要な状況には変わりなく、13年1月から同12月までの間に約60 億US$規模の売却を実行している。その中には、西豪州のJimblebar鉄鉱石権益の15%を約15億US$で日系企業に売却するなど、コア事業であっても、パートナーを呼び込む事での事業リスクと資金負担の軽減を選択するケースも見られる。

 資源価格の急速な回復が見込めない中、2014年度もノンコア事業の売却および事業パートナーを募る投資スタイルは続くものと思われ、資源分野でのアセット積み増しを狙う企業にとっては絶好の機会到来でもある。

4.国際ビジネスサミット(J-SUMIT)、日アフリカ資源大臣会合、TICADⅤ開催

 2013年5月16~17日、日本初の国際的な資源フォーラムとなる国際資源ビジネスサミット(J-SUMIT)が開催された。アフリカ資源開発をテーマとした講演ではアフリカ各国の資源担当大臣等によるプレゼンテーションをはじめ、資源メジャーや探鉱ジュニア、国際機関、日本企業等からアフリカの資源開発に関するプレゼンテーションが行われたほか、先進技術をテーマにした講演では多業種・多分野の日本企業、研究機関等より技術紹介のプレゼンテーションが行われる等、計73のプレゼンテーションが行われた。また展示会場では53の特別展示・ブースが出展され、各企業・機関の技術が紹介されたほか、多くの情報交換や商談が行われるなど、2日間の参加者は約2,000人を記録した。

 またJ-SUMIT翌日となる5月18日には、茂木経済産業大臣及び11か国の資源担当大臣を含むアフリカ15か国により日アフリカ資源大臣会合が開催された。本会合では茂木大臣からアフリカ資源開発支援における基本方針として、①資源投資促進とインフラ整備、②資源産業基盤の強化、人材育成、③環境・保安面で持続可能な資源開発、④地域社会との共生、の4つが提示され議論された。また茂木大臣から「日アフリカ資源開発促進イニシアティブ」として、今後5年間でJOGMECを通じた20億US$のリスクマネー供給支援、資源分野での1,000名の人材育成等の取組を説明し、参加国から賛同を得るほか、今後2年に1度のペースで大臣会合を開催する予定で合意された。

 さらに翌月の6月1~3日には、5年に1度日本で開催し今回で5度目の開催となるTICADⅤが開催され、39名の国家元首・首脳級を含むアフリカ51か国、31か国の開発パートナー諸国及びアジア諸国、72の国際機関及び地域機関の代表並びに民間セクターやNGO等市民社会の代表等、約4,500人が参加した。TICAD Ⅴの主要テーマである「強固で持続可能な経済」、「包摂的で強靱な社会」、「平和と安定」に沿って、今後のアフリカ開発の方向性について活発な議論が行われたほか、アフリカ首脳と日本の民間企業の代表が直接対話を行う「民間との対話」セッションがTICADにおいて初めて実施された。

5.Glencore とXstrata合併完了

 2013年5月2日、GlencoreによるXstrataとの合併作業が完了し、銅120万t(世界4位)、亜鉛160万t(世界1位)、鉛32万t(世界1位)、ニッケル11万t(世界4位)および一般炭1億2,500万t(海上貿易量で世界最大)を生産する資源大手、「Glencore Xstrata」が誕生した。2012年2月にGlencoreが株式交換による合併の提案(Xstrata株1に対して、Glencore株2.80)を行い、Xstrataの取締役会が基本合意した後、Xstrata側の株主が合併条件の改善(同3.25株など)を長らく求めていたが、Glencore側は同2.8株には十分な価値があるとして、交渉は平行線を辿っていた。最終的に3.05株に引き上げる事でGlencore側が譲歩し、2012年11月にXstrataの株主総会で合併への賛成が得られた。一方で、EUや南アフリカ、中国等の当局による独占禁止法抵触の調査が合併協議と並行して行われ、南ア当局が2012年10月に、次いでEU当局が同年11月に比較的緩やかな条件での合併を承認した。しかし、残る中国当局による調査が長引いたため、当初予定していた合併期日は複数回延期された。2013年4月、Xstrataが開発を進めているペルーのLas Bambas銅プロジェクトを同当局が認める買い手に売却する事を条件に(*)、中国当局が合併を承認した事で、最終的に2013年5月2日に法的な合併手続きが完了した。なお、合併の金額は公正価値にもとづく純資産が321億U$で、これに「のれん代」として126億US$を加えた448億US$と試算され、うち、グレンコアが合併前に保有していた34.2%株式の価値である151億US$を差し引いた296億US$が新株発行の対象金額となった。

 合併後初の決算となる2013年上期時点での総資産は約15兆円(1,559億US$)で、BHP Billiton(1,381億US$)、Vale(1,265億US$)、Rio Tinto(1,115億US$)のいわゆる大手3社を抜いて業界最大手に躍り出た。ただし、Xstrata関連の資産を減損テストした結果、鉱業部門に帰属する開発中の各種プロジェクトを対象とする85億US$の減損が生じた。うち、76億US$が「のれん代」から生じたもので、合併時に算定された「のれん代」の実に60%が合併完了から数カ月で消滅した事になる。日本円に換算して約8,500億円にも及ぶ巨額の減損が主な原因で、2013年上期の決算は税引き前の当期利益で90億US$の赤字となった。同社のコア分野である非鉄(銅・鉛・亜鉛・ニッケル)は価格ボラティリティーが高いコモディティであり、また一般炭も市況が低迷している事から、資源メジャーで最大の資産規模となったGlencore Xstrataの今後の舵取りに強い関心が寄せられている。

*: Las Bambasの売却作業は競争入札によって進められている。入札作業が遅れており、当初2013年12月までの売却作業完了を予定していたが、2014年1月以降に延期される見込み。Glencore Xstrataの決算期は1月/12月なので、2013年度決算に対する影響は出ない。

6.南ア労働争議の混迷、白金族金属の生産低迷

 従来、南アのPGM鉱山の労働組合は、穏健派のNational Union of Mineworkers(NUM)
が多数派を形成していたが、2013年初から急進派のAssociation of Mineworkers and Construction Union(AMCU)がイニシアティブを取る組合が増加し、労使交渉がより厳しくなり、昨年からのスト多発による操業停止で、鉱石産出量は減少し、価格は上昇すると見られていた。

 Johnson Mattheyの“PLATINUM2013中間報告”によると、2012年の南アのプラチナ生産は大規模ストライキの影響で、2006年のピーク時に比較して約30%下落し、2013年もこの低い生産レベルが続いている。

 Amplatsは、今年3月にコスト増加に伴う合理化として、Rustenbergの2鉱山(4シャフト)の閉鎖と14,000人の従業員のレイオフを提案し、その後、政府/組合との交渉を経て、10月10日に妥結した。最終的には、3,300人に自主退職手当を支給してレイオフするという結果になった。

 労使交渉については、上記のとおり交渉相手の組合の変更で交渉開始示時期が8月以降になったこと、さらに、Implats、LonminもこのAmplatsの合理化案の行方を見守っていたため、いまだ労使が交渉中という状態であり、Amplatsも結局、来年1月から労使交渉に入るという事態になった。2013年は、各社とも単発のストライキが数回発生し、結局その期間に上記鉱山が休止をしたことで、結果的には減産が続いている。

 また、南アフリカの主要輸出先である欧州、中国の景気減速で輸出が減少して、南アの経済が悪化した。2013年8月、南アの自動車メーカーでストライキが発生し、これが産金、建設分野にも飛び火したが、比較的早急に妥結した。AMCUの影響力が強いPGM鉱山でも労働者側にストライキによる長期の収入減を避けたい意識が強かったと言われている。

 需要面では、プラチナは、欧州を始めとしたディーゼル車市場及び中国のジュエリー市場の低迷、パラジウムは、中国、米国の自動車需要が伸びたが、使用済み自動車触媒のリサイクル量が増加したことで全体的には小幅な供給不足という小康状態であるが、世界の自動車生産台数の増加、環境規制の厳格化で将来的には需要が増加すると思われる。

 南アの労働争議は、今後も続くと思われる。現状の価格レベルでは、南アのコストアップを吸収するにはさらなる合理化が必要であることから、それに対抗してストライキに発展する可能性が高い。また、2014年には総選挙及び大統領選挙が予定されており、この結果次第で大きな変動が起きることも予想される。

7.メキシコ新鉱業税制など資源国での課税強化続く

 メキシコでは鉱業税制の改正を含む連邦税制の改正法案が2013年10月末に議会に承認された。改正法案は2014年1月より施行される予定であり、鉱業特別税が新設されるなど鉱業にとっては税負担が増大することとなった。税制改正の主な内容は以下のとおり。

① 鉱業特別税(Derecho Especial sobre Minería)の創設

鉱物を採掘又は抽出する法人を対象として、EBITDAに対し7.5%を鉱業特別税として課税。

② 貴金属鉱業特別税(Derecho Extraordinario a la Minería)の創設

貴金属(金、銀及びプラチナ)を採掘又は抽出する法人を対象として、売上に対し0.5%を課税。なお本税は上述の鉱業特別税とは別途、課税される。

③ 鉱業コンセッション税(料金)の改正

鉱業コンセッションを保有する法人が2年以上鉱業活動を行っていない場合、それが2年以上9年以下であれば50%、10年以上であれば100%をそれぞれ鉱業コンセッション税(料金)の割り増しとして賦課。

④ 鉱物輸出時における原産地証明書等の徹底

鉱物輸出時における原産地証明書等の発行、携帯、提示等の徹底

⑤ 税額控除対象の改正

これまで税額控除の対象とされていた車両購入費(付加価値税(IVA)を除く車輌価格が175,000ペソ以下の車両が対象)等に関し、控除措置を見直し。

 上記のような改正内容に対し、鉱山会社や鉱業協会等からは反対する意見が多く出された。例えば、メキシコ鉱山・冶金・地質技師協会(AIMMGM)は、現状、鉱業に対する実効税率は40%程度であるが、今回の改正の結果、57%にまで引き上げられることになるため、メキシコ鉱業の国際競争力低下に繋がると懸念している。

 メキシコ以外でも、例えばDRコンゴでは銅・コバルト精鉱の輸出税率を引き上げるなど、鉱業をめぐる課税強化の動きが資源国において見られる。

8.LME・CEO交代、倉庫ルール改正

 LMEは香港取引所(HKEx)による買収を2012年7月に発表し、2012年12月、英国高等法院による承認が下りたことから、買収が正式に成立した。2013年9月30日、Martin Abbott 氏の後任としてGarry Jones氏がロンドン金属取引所(LME)の新CEOに就任した。Jones新CEOは約30年間の金融業界での経歴を有し、2012年までNYSE LiffeのCEOを務めていた。

 LME承認倉庫からのアルミニウム等の在庫搬出に当たり遅延が生じている問題に関し、LMEは新たなルールを2013年11月に発表した。新ルールは2014年4月より施行される予定である。新ルールでは、在庫の搬出に50日以上要する倉庫を対象とし、例えば一日当たりの最低搬出義務量が現在3,000tの倉庫の場合、一日当たり搬入量に1,500tを加えた量が新たな最低搬出量として設定される。さらに、本問題に対応するため、LMEは、実物市場委員会(Physical Market Committee)を設置し、倉庫会社による在庫滞留の不当なインセンティブを監視及び防止とともに、市場の状況に合わせルールを随時見直すことも発表している。

9.豪州総選挙、野党保守連合勝利、鉱物資源利用税(MRRT)、炭素価格制度(炭素税)廃止へ

 2013年9月7日に行われた豪州連邦下院議員選挙の結果、保守連合(自民党・国民党)が150議席のうち90議席を獲得し、約6年ぶりに政権を獲得した。

 保守連合は公約として、前労働党政権が2012年7月に導入した炭素価格制度(炭素税)、鉱物資源利用税(MRRT)の廃止を掲げており、選挙後の10月に両制度を廃止する法案を発表した。また環境許認可手続きの簡素化も掲げており、資源業界は選挙結果を歓迎する旨のコメントを発している。

 今選挙で政権を奪われた労働党は2007年の総選挙で政権与党を獲得。公約として財政黒字化を掲げ、鉱物資源利用税、炭素価格制度の導入等を実施したものの財政黒字化を達成することができず、選挙直前の2013年6月に党首交代が行われていた。

10.JOGMEC、南鳥島沖の公海域でコバルトリッチクラスト鉱区を取得、また、「白嶺」がシップ・オブ・ザ・イヤー2012特別賞受賞

 2013年7月20日、JOGMECは、国連海洋法条約に基づき公海域の深海底鉱物資源を管理する国際海底機構(以下ISA)理事会の承認を得て、南鳥島の南東沖約600 ㎞の公海域にコバルトリッチクラストの探査鉱区(面積3,000 ㎢)の排他的権利を取得した。これにより、我が国が海外に供給の大部分を依存するコバルト、ニッケル、白金等のレアメタル資源について、我が国による将来の開発が可能となった。

 JOGMECは、1987年から西太平洋の公海域でコバルトリッチクラストの賦存状況調査を実施している。2012年7月、ISAでコバルトリッチクラストの探査規則が制定され、鉱区申請が可能となったことを受け、JOGMECは直ちに探査鉱区の申請を行い、2013年2月のISA法律・技術委員会の審査を経て、今回承認された。これは同探査規則が制定されてから初の事例となるものである。

 今後JOGMECは、ISAとの調整を経て、ISAから15年間にわたり当該鉱区を探査する排他的な権利を取得し、コバルトリッチクラストの資源量を把握するための本格的な調査や環境保全に配慮した開発技術等の調査研究に取り組む。

 なお、我が国の企業等がISAから深海底における排他的探査権を取得したのは、1987年にハワイ南東沖でマンガン団塊鉱区(面積7.5万 ㎢)を取得して以来26年ぶりとなる。

 また、JOGMECが保有する海洋資源調査船「白嶺」がシップ・オブ・ザ・イヤー2012技術特別賞を受賞した。

 JOGMECは海洋資源の探査、開発を加速するため、深海底鉱物資源探査専用船「第2白嶺丸」に代わる最新鋭の海洋資源調査船「白嶺」を建造し、2012年2月から本格的な調査航海を開始した。

 日本船舶海洋工学会が主催するシップ・オブ・ザ・イヤーは、毎年日本で建造された話題の船舶の中から技術的・芸術的・社会的に優れた船を選考して与えられる。優れた船舶・海洋構造物の建造を促進し社会生活の発展に貢献すると共に、広く社会一般に海洋思想の普及を図るために選定され、表彰するもので、今回で23回目となる歴史と伝統のある賞である。

 「白嶺」は予備審査委員会で技術の独創性・革新性と完成度が高く評価され、さらに応募作品発表会で、総合評価が行われた結果、「白嶺」の技術レベルと社会への貢献が高く評価された。

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