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報告書&レポート

2014年7月17日 リマ事務所 岨中真洋
2014年29号

ペルーの2013 年の鉱業の動向

 2014 年2 月にエネルギー鉱山省が公表した資料によると、ペルーの2013 年の輸出総額は41,826百万US$で2012 年に比べて約9.6%減少し、その内、鉱産物輸出額の合計は全体の55%に当たる23,030百万US$であり、2012 年に比べ12.6%の減少となった。一方で、鉱産物輸出額の8 割を占める銅、亜鉛、金の2013 年の鉱石生産量は、金を除き2012 年に引き続き増加した。 

 本稿では、これら主要鉱種について、エネルギー鉱山省により公表された2013 年の生産量とペルーの鉱業プロジェクト及び政策に関する最近の動向を概観する。

1.2013 年の金属鉱石生産量

 ペルーにおける主要鉱種の2013 年の生産量、世界生産量及び世界順位を表1に、また、銅、亜鉛及び金の過去10 年の生産量の推移を図1に示す。

表1.金属鉱石生産量(2013 年)

鉱種 2012年
ペルー
生産量
2013年
ペルー
生産量
増減 2013年
世界
生産量
2013年
ペルー
世界シェア
2013年
世界順位
( )は前年順位
銅(千t) 1,298.8 1,375.6 5.9% 18,306.7 7.5% 3(3)
亜鉛(千t) 1,281.3 1,351.3 5.5% 13,782.4 9.8% 3(3)
鉛(千t) 249.2 266.5 6.9% 5,600.1 4.8% 4(4)
金(t) 161.5 151.5 -6.2% 2,776.5 5.5% 6(6)
銀(t) 3,480.9 3,674.3 5.6% 25,967.3 14.1% 3(3)
錫(千t) 26.1 23.7 -9.2% 327.4 7.2% 3(3)
モリブデン(千t) 16.8 18.1 7.7% 267.5 6.8% 4(4)

出典: ペルー生産量:エネルギー鉱山省
    世界生産量及び世界順位:World Metal Statistics April 2014

図1.金属鉱石生産量の推移(2004 ~2013 年)
図1.金属鉱石生産量の推移(2004 ~2013 年)

(1) 銅
 2013 年のペルーの銅生産量は1,375.6千tであり、2012 年比で77千t(5.9%)の増加となった。2013 年の世界の銅生産量は、2012 年比で9.4%増加して18,306.7千tとなったが、ペルーの世界順位は、チリ、中国に次いで世界第3 位を保っている。ペルーの銅生産量は、世界生産量の伸びには届かないが、2012 年に引き続き増加しており、史上最高を更新している。

 2013 年の生産量を鉱山別にみると、ペルー最大のAntamina鉱山は2012 年3 月の拡張工事完了以降、順調に生産量は推移し2013 年も461千t(全体の33.5%)を生産した。

 Glencore XstrataのTintaya鉱山は、鉱量枯渇により2012 年内に操業を閉じ、代わって2012 年11 月に生産を開始したAntapaccay鉱山が2013 年は順調に151千tを生産し、2012 年までのTintaya鉱山と同じく第4 位の生産量を誇る銅鉱山となった。Antapaccay鉱山は、鉱量720百万t、平均銅品位0.56%で、マインライフは20 年以上が期待されており、粗鉱処理量は70千t/日、年間銅生産量は160千tとされている。

 また、生産量第6 位のMilpo社のCerro Lindo鉱山は、選鉱場拡張により23.5%生産量を上げた。

 なお、2013年12月には、Junin州のToromocho銅鉱山(Chinalco 100%)が生産を開始した。同鉱山ではこれまでに4,820百万US$が投資され、Antamina銅・亜鉛鉱山プロジェクト以降最大規模のプロジェクトとなっている。同鉱山の銅生産能力は年間250千tとされているが、現在拡張工事を実施中であり、2016年の工事完了で年間銅生産量は375千tになると地元報道は伝えている。

表2.ペルー上位10 銅鉱山の生産量(2013年)


鉱山名 権益所有企業 2012年
生産量(t)
2013年生産量(t) 増減
合 計  
精鉱 SX-EW
1 Antamina BHP Billiton:33.75%、Glencore Xstrata:33.75%、
Teck Resources:22.5%、三菱商事:10%
462,832 461,058 461,058 0 -0.4%
2 Cerro Verde Freeport McMoRan:53.56%、Buenaventura:19.35%、
住友金属鉱山:16.8%,、住友商事:4.2%
278,813 261,348 214,037 47,311 -6.3%
3 Cuajone Southern Copper (Grupo Mexico:80.9%) 161,732 168,585 168,585 0 4.2%
4 Antapaccay Glencore Xstrata 5,027 151,187 138,999 12,188 2907.5%
5 Toquepala Southern Copper (Grupo Mexico:80.9%) 149,379 139,095 110,695 28,400 -6.9%
6 Cerro Lindo Milpo (Votorantim:50.06%) 29,929 36,970 36,970 0 23.5%
7 Cerro Corona Gold Fields:98.5% 37,673 31,443 31,443 0 -16.5%
8 Colquijirca El Brocal(Buenaventura:53.76%) 24,000 27,894 27,894 0 16.2%
9 Cobriza Doe Run 20,258 19,578 19,578 0 -3.4%
10 Condestable Iberian Minerals 20,887 18,431 18,431 0 -11.8%
    1,190,530 1,315,589 1,227,690 87,899 10.5%
  その他   108,231 60,052 58,293 1,759 -44.5%
  総 計   1,298,761 1,375,641 1,285,983 89,658 5.9%

出典:エネルギー鉱山省

 ペルーにおける銅の生産は、外資が操業する上位5鉱山が全体の85%を占めており(図2)、今後のペルーの銅の生産推移は、これら5鉱山の生産動向と、新規開発プロジェクトの進捗が鍵を握っていると言える。

図2.上位5 銅鉱山の占める割合
図2.上位5 銅鉱山の占める割合

(2) 亜鉛
 2013 年の亜鉛の生産量は1,351.3千tとなり、2012 年比で70千t(5.5%)の増加で、世界順位は中国、豪州に次ぎ、世界第3 位と変化がなかった。ペルーにおける亜鉛の生産量は、2008 年の1,602.6千tをピークに2011 年まで減少傾向が続いてきたが、2012 年に引き続き増加した(図1)。

 生産量を個別にみると、ペルーの亜鉛生産量の23.4%を占めるAntamina鉱山は、2012 年は銅生産に力点が置かれ、相対的に銅品位が高い鉱石が採掘されていたため亜鉛生産量は横ばいであったが、2013 年は亜鉛生産量を45.8千t(17.0%)伸ばした(表3)。ペルーの亜鉛生産量は、同鉱山の生産動向に大きく左右される状況となっている。

 さらに、2012年に引き続き第2位の亜鉛生産量を誇るCerro Lindo鉱山は、2013年上半期に行った鉱山拡張が功を奏し、亜鉛生産量を47.7千t(41.8%)伸ばした。

 また、2012年にペルーの亜鉛鉱山のベスト10入りを果たしたIberian Minerals社のCatalina Huanca鉱山は、2013年も前年比で10%を超える増産となり、ペルーの亜鉛鉱山として第8位の鉱山となっている。

 一方、亜鉛価格低迷のため一時休止していたIscaycruz鉱山は2010年4月から生産を再開し、2011年にはペルー第2位の亜鉛鉱山に返り咲いたが、2012年は2011年比で28%減産とふるわず、2013年はさらに6.1千t(-6.9%)の減産で、2008年当時の生産量(175千t/年)の50%を下回っている。

表3.ペルー・上位10 亜鉛鉱山の生産量(2013 年)


鉱山名 権益所有企業 2012年
生産量(t)
2013年
生産量(t)
増減
1 Antamina BHP Billiton:33.75%、Glencore Xstrata:33.75%、
Teck Resources:22.5%、三菱商事:10%
269,989 315,802 17.0%
2 Cerro Lindo Milpo (Votorantim:50.06%) 114,038 161,740 41.8%
3 Chungar Volcan 99,217 104,634 5.5%
4 San Cristobal Volcan 87,848 83,682 -4.7%
5 Iscaycruz Glencore Xsterata (97%) 87,617 81,539 -6.9%
6 El Porvenir Milpo (Votorantim:50.06%) 71,956 63,317 -12.0%
7 Atacocha Milpo (Votorantim:50.06%) 45,461 45,177 -0.6%
8 Catalina Huanca Iberian Minerals (98.73%) 38,670 42,732 10.5%
9 Andaychagua Volcan 37,463 36,538 -2.5%
10 Americana Casapalca 32,831 31,960 -2.7%
    885,090 967,121 9.3%
  その他   396,192 384,152 -3.0%
  総 計   1,281,282 1,351,273 5.5%

出典:エネルギー鉱山省

図3.上位5 亜鉛鉱山の占める割合
図3.上位5 亜鉛鉱山の占める割合

(3) 金
 2013 年のペルーの金の生産量は、2012 年の生産量を約10.1 t(-6.2%)下回る151.5tであった。2011 年以降生産量が増加傾向にある銅及び亜鉛とは対照的に金の生産量は減少し、2013 年は、ここ10 年間で最も生産量が多かった2005 年の生産量207.8 tの約73%となった(図1)。

 2013 年の生産量を鉱山別にみると、2005 年には104 tの金を生産したペルー最大のYanacocha鉱山の金生産量は、2012 年比で10.2 t減少(-24.4%)し、2013 年は31.6 tにとどまった(表4)。

 Yanacocha鉱山が位置するCajamarca州では、2011年末からNewmont社が進めてきたMinas Conga金プロジェクト反対運動が激化し、同金プロジェクトは翌2012 年8 月末にプロジェクトの中断に至ったが、その後も断続的に発生した反鉱業運動に伴ってYanacocha鉱山では生産が中断する等、操業に悪影響が出た。

 また、ペルー第2 位の金生産量を誇るLagunas Norte鉱山(La Libertad州)、生産量第8位のOrcopampa鉱山(Arequipa州)も生産量を前年比で各々2 割、3 割落としており、Orcopampa鉱山では生産体制の再編に着手している。

 エネルギー鉱山省の統計で第3 位の金生産量であるM.D.D.は、小規模鉱業事業者や手工業的な零細規模の事業者の集合である。その金生産量は、2011 年には22.5 tであったが、翌2012 年は、インフォーマル鉱業(鉱業活動が認められる地域内における、正規手続きを踏まずにおこなわれる鉱業活動)の合法化措置による強制的な操業中断と、違法鉱業(鉱業活動が禁止されている地域内での鉱業活動)取締りによる影響で生産量が11.4 tに半減したが、2013 年には合法化された鉱業事業者の増加等により、前年比35%増の15.4 tまで回復した。

表4.ペルー・上位10 金鉱山の生産量(2013 年)


鉱山名 権益所有企業 2012年
生産量
(kg)
2013年
生産量
(kg)
増減
1 Yanacocha Newmont:51.35%、
Buenaventura:43.65%、IFC:5%
41,865 31,640 -24.4%
2 Lagunas Norte Barrick Gold 23,456 18,843 -19.7%
3 M.D.D Madre de Dios 11,412 15,398 34.9%
4 La Arena Rio Alto 6,214 6,564 5.6%
5 Horizonte-Curaubamba Consorcio Minero Horizonte 5,727 6,202 8.3%
6 Retamas Minera Aurifera Retamas 5,465 5,499 0.6%
7 Carolina Gold Fields 5,508 5,167 -6.2%
8 Orcopampa Buenanentura 7,417 5,024 -32.3%
9 Tucari Aruntani 5,531 4,915 -11.1%
10 Tantahuatai Coimolache 3,800 4,439 16.8%
    116,395 103,691 -10.9%
  その他   45,150 47,795 5.9%
  総 計   161,545 151,486 -6.2%

出典:エネルギー鉱山省

図4.上位5 金鉱山の占める割合
図4.上位5 金鉱山の占める割合

2. 2013 年の地金生産量

 ペルーにはIlo(Moquegua州、銅)、Cajamarquilla(Lima州、銅・亜鉛)、La Oroya(Junín州、銅・鉛・亜鉛)、Funsur(Ica州、錫)の4か所の製錬所が存在する。

 Soutern Copper社のIlo製錬所は前年比で30.6%生産量を伸ばしているが、2014年1月現在、生産量拡張工事中で、年間生産量を82万tに拡張するとしている。

 米国Doe Run社が所有するLa Oroya製錬所は、2008年には銅地金を54千t、亜鉛地金を43千t、鉛地金を114千t生産していたが、資金繰りの悪化によって2009年半ばから操業を停止していた。2010年末には債権者会議で一旦会社清算を決定したが、ピークを過ぎたとは言え依然金属価格が高く、環境対策プログラムを進めるとして、2012年7月末に銅、亜鉛の製錬再開を発表、2012年9月に銅と亜鉛の製錬を再開した。その後2013年4月には債権者会議において清算手続きを中止し、会社更生後にHuancavelica県のCobriza銅鉱山とともに売却することが決定されているが、2013年は断続的な生産にとどまった。

 一方、Cajamarquilla製錬所では生産設備の拡張工事の結果、亜鉛地金の生産量が2009年の140千tから2011年の313千tへとおよそ2.2倍の増産を達成し、前年に引き続き2013年も順調に操業は推移した(表5)。

表5.ペルー・地金生産量(2013 年)

製錬所名 権益所有企業 2012年
生産量(t)
2013年
生産量(t)
増減 備考
 Ilo Southern Copper (Grupo Mexico:80.9%)   203,865 266,260 30.6%  
 Cajamarquilla Votorantim 4,320 5,039 16.6%  
 La Oroya Doe Run 1,934 493 -74.5% 2012年7月生産再開
合 計   210,119 271,792 29.4%  

 Cajamarquilla Votorantim 315,893 326,171 3.3%  
 La Oroya Doe Run 3,387 20,191 496.1% 2012年7月生産再開
合 計   319,280 346,362 8.5%  
 La Oroya Doe Run 0 467 2013年6月生産再開
合 計   0 467  
 Funsur Minsur 24,811 24,181 -2.5%  
合 計   24,811 24,181 -2.5%  

出典:エネルギー鉱山省

3. 鉱業投資の動向

 ペルーでは、2011 年7 月に左派のウマラ政権が誕生し、反自由主義経済や民族主義を打ち出すことが懸念されたが、当初の方針は中道寄りに変換され、民間投資を促進する経済政策が継続されている。ウマラ政権は発足から丸3 年が経ち、鉱業ロイヤルティ法の改正、鉱業特別税及び鉱業特別賦課金の新設など鉱業税制が変更・強化され、一方ではインフォーマル鉱業者の合法化・違法鉱業に対する取締りが行われ、鉱業界からは一定の評価をもって受け取られており、鉱山企業各社による鉱業投資が継続されている。

 エネルギー鉱山省によると、ペルーの鉱業投資額は過去最高を更新し続け、2013は97.2億US$に達し、2012 年の85.0億US$に比べ14.4%の伸びを示し、2009 年から2013 年までの5 年間では3.4 倍に増加している(図5)。

 2012 年に最も鉱業投資額が多かったのはApurimac州(17.5億US$)で、以下Junín州(15.1億US$)、Arequipa州(13.9億US$)、Cusco州(11.7億US$)、Ancash州(7.4億US$)と続く。鉱業投資額を企業毎に見ると、2013 年に最も鉱業投資額が多かったのはXstrata Las Bambas社(17.1億US$)で、以下、Chinalco Perú社(11.9億US$)、Cerro Verde社(10.7億US$)、Antapaccay社(6.3億US$)、Antamina社(5.4億US$)と続く。

 2013 年の鉱業投資額97.2億US$のうち、探鉱費は7.74億US$(8.0%)であり、近年は探鉱費の伸びは頭打ち傾向にあったが、2013 年は減少(前年比-14.5%)に転じた。

 一方、鉱業投資額の中で近年、特に2010 年以前と比較して大きな比重を占めるのが、プラント設備・鉱業機器、インフラ整備費、準備費及びその他の費用である。2011 年付近の鉱業を取り巻く環境の変化としては、銅価格高騰(2011 年2 月最高値10,148 US$/t)、反鉱業運動の激化がある。探鉱費の伸びの鈍化・減少と合わせてみると、資源ブームに乗じて探鉱活動が活発化、鉱山開発のステージが全体的に進んだものの、反鉱業運動や鉱山労働者の要求の高まり、環境対策費の増加などの影響がここにも現れているように見える。

 なお、準備費及びその他に含まれる費用の内訳は、エネルギー鉱山省に対するヒアリングでも明瞭な回答はえられなかったが、地元対策(水道、学校・教育、説明等)や環境影響評価等の費用が含まれるものとみられる。また、今後、ペルー鉱業が成熟の度合いを深めていくに従い、鉱山プロジェクトの奥地化等により、インフラ整備費も増大していくことが予想される。

図5.ペルーにおける鉱業投資額の推移

4. 進行中の鉱業プロジェクト

 2014 年5 月のエネルギー鉱山省発表によると、鉱山拡張、鉱山開発、探鉱などの主要プロジェクトが、リン及びカリウムを対象とするプロジェクトを除き46 件あるとされ、これら主要プロジェクトによるプロジェクト実施期間中の投資予定額は合計で558億US$に上る。

 主要46 プロジェクトは、鉱山拡張7 件、環境影響評価(EIA)書承認済み~鉱山開発工事中13 件、EIA審査中3 件、探鉱段階23 件であり、探鉱が初期段階であるものや小規模なものを含まない。また、46 プロジェクトの内、28 件は銅ないし銅を主対象とするプロジェクトである。

 今後のEIA承認手続き等の動向次第ではあるが、現時点で比較的早期に拡張工事完成や生産開始が見込まれている、主な鉱業プロジェクトを表6に示す。

表6.ペルーの主な鉱業プロジェクト

プロジェクト名
(所在地)
企業名 投資額
(百万US$)
年 間
生産量
完成/
生産開始
ステージ
Toquepala銅・モリブデン鉱山
拡張計画(Tacna州)
Southern Peru Copper 1,050 Cu:100千t
Mo:3.1千t
2014 拡張工事中
Colquijirca亜鉛鉱山拡張計画
(Pasco州)
El Brocal
(Buenaventura53.76%)
432 Zn:90千t 2014 拡張工事中
Cerro Verde銅鉱山拡張計画
(Arequipa州)
Freeport McMoRan
(住友金属鉱山16.8%、
住友商事4.2%)
4,600 Cu:500千t 2016 拡張工事中
Toromocho銅鉱山拡張計画
(Junin州)
Chinalco 1,320 Cu:375千t 2016 拡張工事中
Constancia銅プロジェクト
(Cusco州)
HudBay Minerals 1,790 Cu:80千t 2014 EIA承認済/開発中
Inmaculada金・銀プロジェクト
(Ayacucho州)
Hochschild Mining 370 Au:3,860kg
Ag:131t
2014 EIA承認済/開発中
Invicta多金属プロジェクト
(Lima州)
Invicta Mining 93 Au:4,980kg 2015 EIA承認済/開発中
Las Bambas銅プロジェクト
(Apurimac州)
Glencpre Xstrata
(2014年中にMinnetalsほかの中国グループへの売却手続完了予定)
5,895 Cu:400千t
Mo:5.0千t
2015 EIA承認済/開発中
Crespo金・銀プロジェクト
(Cusco州)
Hochschild Mining 110 Ag:84t 2015 EIA承認済/開発中
Corani銀プロジェクト
(Puno州)
Bear Creek Mining 750 Ag:84t 2015 EIA承認済/開発中
Ollachea金プロジェクト
(Puno州)
Minera IRL 170 Au:3,510kg 2015 EIA承認済/開発中
Tambomayo金・銀プロジェクト
(Arequipa州)
Buenaventura 200 Au:3,420kg
Ag:93t
2015 EIA審査中
Haquira銅・モリブデンプロジェクト
(Apurimac州)
Antares Minerals 2,800 Cu:190千t 2015 探鉱中
Anubia銅プロジェクト
(Apurimac州)
Grupo Castillo 90 Cu:20千t 2015 探鉱中
Shahuindo金プロジェクト
(Cajamarca州)
Sulliden Gold 208 Au:2,490kg 2016 EIA承認済/開発中
Pukaqaqa銅・モリブデンプロジェクト
(Huancavelica州)
Milpo
(Votorantim50.06%)
630 Cu:40千t 2016 EIA審査中
Tia Maria銅プロジェクト
(Arequipa州)
Southern Peru Copper 1,000 Cu:120千t 2016 EIA審査中
Marcobre (Mina Justa)銅プロジェクト
(Ica州)
Minsur、KORES、
LS-Nikko Copper
744 Cu:110千t 2016 探鉱中
Chucapaca金プロジェクト
(Moquegua州)
Canteras del Hallazgo
(Gold Fields 51%、
Buenaventura 49%)
1,200 Au:12,440kg 2016 探鉱中
Hilarión亜鉛プロジェクト
(Ancash州)
Milpo(Votorantim50.06%) 470 粗鉱処理量
10,000t/日
2016 探鉱中
Magistral銅プロジェクト
(Ancash州)
Milpo(Votorantim50.06%) 750 Cu:31千t 2016 探鉱中
Rondoni銅プロジェクト
(Huanuco州)
Volcan 350 Cu:50千t 2016 探鉱中

出展:各種資料からJOGMEC作成

5. おわりに

 ペルーは、輸出総額の55%を鉱産物が占める鉱業国である。この比率は、ペルー経済における鉱業の相対的な位置づけを示すものであり、金属価格高騰の波が通り過ぎ、ペルー経済の発展とともに年々低下の傾向がみられるものの、ペルーにとって鉱業が重要な産業であることには変わりがない。2013 年は、ペルーの主要鉱産物である銅、亜鉛、鉛、銀、モリブデンが、順調に生産を伸ばし、中でも銅はAntapaccay鉱山の生産開始などもあり、史上最多生産量を2012 年に引き続き更新した。

 2013 年を通じた、ペルー政府による鉱業政策上の取り組みで大きなものとしては、インフォーマル鉱業事業者に対し正規手続きをとらせることによる合法化と、国立公園などの鉱業禁止区域における違法鉱業事業者の取り締まりが挙げられる。インフォーマル鉱業と違法鉱業に関する問題は、環境破壊や劣悪な労働環境、マフィアとの関連、鉱業のイメージ低下など、鉱業の健全な発展を阻害するものとして、社会問題になっており、未だ完全な解決に至っていない。

 反鉱業運動については、現地新聞等では大きく取り上げられることは2012 年当時と比較して減ってはいるが、必ずしも地元住民の理解が進み、問題解決が進んでいる訳ではない。Buenaventura社は、金の価格が下落し、Yanacocha鉱山の資源量が減少していく状況の中、2014 年5 月に、Minas Conga金プロジェクトの開発をより早く実現するため、同プロジェクトの規模の縮小を検討していることを明らかにしたが、一方で、プロジェクト開発には地域住民の賛同が前提となるとコメントしている。

 このほか、鉱業ロイヤルティや鉱業カノン税の地元州への還元については、その有効活用が進まず、依然として課題は多い。

 2014 年7 月で現ウマラ政権は発足から丸3 年を迎えるが、ペルーにおける健全な鉱業の発展に関し、依然として取り組むべき課題は多い。このような中、政府は、2014 年5 月に「生産多様化国家計画」(Plan Nacional de Diversificacion Productiva)のドラフトを公表した。これは、豊富な地下資源を活用し、生産効率化・製造コスト削減・生産多様化を進め、付加価値を高めた多様な製品の自国内生産を推進することにより、一次産品の輸出に依存する産業構造から脱却し、国際競争力の向上を狙うものである。

 鉱業セクターにおいても依然課題はあるが、終盤を迎えるウマラ政権の手腕に期待したい。

図6.ペルーの主要鉱山・精錬所・鉱業プロジェクト位置図
図6.ペルーの主要鉱山・精錬所・鉱業プロジェクト位置図
(本文あるいは図表で取り上げた鉱山・プロジェクト等を示した。)

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