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報告書&レポート

2017年9月28日 前シドニー事務所副所長 矢島太郎
17-22

第12回AusIMM International Uranium Conference参加報告

<前シドニー事務所副所長 矢島太郎 報告>

はじめに

2017年6月6~8日にSA州アデレードで開催された第12回AusIMM International Uranium Conferenceに参加した。近年のウランに関する情報及びFour Mile(Beverley)ウラン鉱山視察について報告する。

1. 豪州ウランの資源量・生産量

2015年におけるコスト130US$/kg未満で採掘が可能なウランの確認資源量(Identified resources)は世界全体で5,718,400tとされており、豪州の資源量は1,664,000tで全体の約30%を占め、世界最大の資源量を保有している(図1)1。さらに、豪州地質調査所(Geoscience Australia)は、2015年における豪州の経済的に回収可能な実証資源量(accessible economic demonstrated resource)を1,217,000tと発表している2

図1.130US$/kg未満のコストで採掘可能な各国のウラン資源量(2015年)

図1.130US$/kg未満のコストで採掘可能な各国のウラン資源量(2015年)

データ出典:Geoscience Australiaウェブサイト

豪州のウラン資源は南オーストラリア州(SA州)、北部準州(NT準州)、西オーストラリア州(WA州)、クイーンズランド州(QLD州)で探査により確認されている(表1)。2012年時点で、回収可能といわれるウラン資源が最も豊富なのはSA州(954,000t U;80%)であり(Olympic Dam鉱山による)、以下NT準州(120,400t U;10%)、WA州(63,300t U;6%)、QLD州(36,200t U;4%)と続く。

表1.州・準州別の豪州ウラン資源量(2012年)3

表1.州・準州別の豪州ウラン資源量(2012年)

データ出典:Geoscience Australiaウェブサイト

図2では2011~2016年における豪州と世界のウラン生産量を示している。2016年に豪州では世界全体の9.6%を占める5,889tが生産された4。豪州は2013年からウラン生産量に減少の傾向が認められていたが、2015年以降は生産量が徐々に増加している。世界のウラン生産量でも同様の傾向が認められている。しかし、市場におけるウランの供給過剰と価格低迷により、ウラン生産量が世界一とされるカザフスタンのKazatomprom社が生産量を2,000t(約10%)減少させることを2017年1月に発表したため、今後世界のウラン生産量が僅かに減少する可能性がある5。図3に示すとおり、2016年における世界最大のウラン生産国はカザフスタン(24,000t)、2位がカナダ(14,132t)であり、豪州は第3位(5,889t)である。

図2.豪州と世界全体のウラン生産量の推移

図2.豪州と世界全体のウラン生産量の推移

データ出典:World Metal Statistics Yearbook 2017

図3.2016年における各国のウラン生産量

図3.2016年における各国のウラン生産量

データ出典:World Metal Statistics Yearbook 2017

豪州のウラン輸出量及び輸出額を表2及び図4に示している。ウランは最も安定した最終生産物であるイエローケーキ(U3O8)として取引されており、2015/16年度は豪州のイエローケーキの輸出量は7,837tだった。同期間における輸出額は959mA$であり、豪州の輸出額全体に占めるウラン輸出額はごく僅かであり、豪州の主要な輸出資源である鉄鉱石、石炭やLNGと比較すると2~6%程度に過ぎない(2015/16)。

表2.豪州におけるウラン、鉄鉱石、石炭、LNGの輸出状況

表2.豪州におけるウラン、鉄鉱石、石炭、LNGの輸出状況

データ出典:Office of the Chief Economist Resources Energy Quarterly

図4.豪州におけるイエローケーキの輸出額の推移

図4.豪州におけるイエローケーキの輸出額の推移

データ出典:Office of the Chief Economist Resources Energy Quarterly

豪州ウランの最大の輸出先は北米であり、2014年には4,457.5tU3O8が輸出された(図5)6。また、同年にアジアには767.7tU3O8、欧州には443.4t U3O8が輸出されるなど、これらの地域が主要な輸出先となっている。また最近では新たにインドへの輸出を開始している。

図5.2014年における豪州ウランの輸出先(t U3O8)

図5.2014年における豪州ウランの輸出先(t U3O8

データ出典:Annual Report 2014-2015 (ASNO)

2.各州/準州における規制と政権与党

豪州では、ウランの探査・採掘活動が各州/準州の法律で規制されている。その具体的内容を示すのが表3である。ウランの探査・採掘の両方が可能なのはSA州、NT準州のみである。NSW州とQLD州では探査は認められるが、採掘は不可とされている。WA州でも従前は探査も採掘も可能であったが、2017年3月の労働党への政権交代以降、新規のウラン開発は禁止されている。ただし、前政権時に採掘権が認可済みの4つの鉱山について生産を認める方針を示している。

VIC州では探査・採掘のいずれもが不可であり、TAS州とACT特別地域にはウランに関する具体的な規制がない。

表3.ウランの探査・採掘権発給に関する各州の対応

表3.ウランの探査・採掘権発給に関する各州の対応

○:可 ×:不可 △:既に認可済みの鉱山のみ可

豪州連邦政府では、ウラン鉱山開発を支持する与党の連邦保守連合(自由党・国民党)と、新たな鉱山開発には全面的に反対する野党の労働党が競い合っている。一方、州政府レベルでは、保守連合から労働党への政権交代が近年続けて生じたことから、これらの地域におけるウラン鉱山開発の先行きはやや不透明になっている。

QLD州では2015年1月21日に総選挙が行われた結果、保守連合に勝利した労働党が新たに政権を獲得した。労働党新政権は、保守連合政権時代に予定されていたウラン採掘事業への許認可決定を覆した。しかし、探査活動については容認している。

NT準州では2016年8月27日に総選挙が実施され、労働党新政権が誕生した。しかし、NT準州の新政権は既存のウラン鉱業を引き続き支持するだけでなく、新たなウラン鉱業プロジェクトについても容認する姿勢である。

WA州では2017年3月11日に総選挙が行われた結果、労働党が政権を獲得した。新政権は従来からの党方針に従い、新規のウラン鉱山開発は支持せず、認可しないこととしたが、前政権が認可した4件のプロジェクト(Toro社のEnergy Wiluna、Cameco社のKintyre、Vimy Resources社のMulga Rock及びCameco社のYeelirrieの各プロジェクト)についてはこの限りではなく、開発を進めることを認めている7

SA州は労働党政権であるが、ウランの採掘・探査の両方を支持する立場をとっている。

3.豪州のウラン鉱山

豪州で現在操業中及び近年まで操業していたウラン鉱山の概要及び位置をそれぞれ表4、図6に示している。稼働中の3か所の鉱山から2015/16年度に生産したウランは合計8,186tである。

表4.豪州のウラン鉱山

表4.豪州のウラン鉱山

データ出典:各社ウェブサイト

図6.豪州のウラン鉱山・探査プロジェクト分布図

図6.豪州のウラン鉱山・探査プロジェクト分布図

位置座標データ出典:SNL

BHPが操業するSA州中央付近に位置するOlympic Dam鉱山では、銅の副産物としてウランの生産が行われている。本鉱山には世界最大級のウラン資源が存在し、年間4,000t U3O8超のウランを生産している。2015/16年の生産量は4,363t U3O8だった。本鉱山で生産されるウランの約80%は、銅の生産過程で得られる銅浮選尾鉱の酸浸出により回収するものであり、残りの20%は銅精鉱を酸浸出して回収されている。

Energy Resources of Australia社が運営するRanger鉱山は、NT準州北部のダーウィンから東へ約260kmに位置する。本鉱山は1981年から現在まで操業を続ける豪州で最も古いウラン鉱山である。かつては露天掘りによる採掘活動が行われていたが2012年末で採掘が終了しており、現在この鉱山が生産するウランは、過去に採掘した鉱石の貯鉱を利用したものである。2015/16年度の生産量は2,208t U3O8だった。ただし、本鉱山の操業は先住民と延長に関する合意が得られなかったため、2021年1月までに終了することが決定している。

Heathgate Resources社のFour Mile(Beverley)ウラン鉱山はSA州の中東部に位置し、ウランの生産を行っている。In-situ recovery(原位置回収、以下ISR)法により、2015/16年度は1,615t U3O8を生産している。ISR法は地下に胚胎するウラン鉱床に注入井から酸性溶液を注入し、地下で砂岩中のウランを回収し、ウランを伴う回収液を生産井からポンプアップして採取するウラン採掘法である。ISR法は環境への負荷が少ないウラン抽出法とされている。ISR法による生産からイエローケーキ生成プロセスまでを示した概念図を図7に示している。本鉱山のマインライフは2026年までとされている。

図7.ISR法の概念図

図7.ISR法の概念図

出典:Heathgate Resources社ウェブサイト

4.豪州のウラン探査プロジェクト

豪州では現在、複数のウラン探査プロジェクトが実施されている。各プロジェクトの概要を表5に示す。また、各プロジェクトの位置を図6に示している。豪州のウラン鉱床は、表成型(カルクリートタイプ)や不整合型、砂岩型(ロールフロントタイプ)が存在する。NT準州北部に位置するJabilukaやKoongarraウラン鉱床の開発については、その地域の土地所有者である先住民の書面による合意が必要とされているが、先住民の反対などにより開発及び採掘を行うことができない状況となっている。

表5.豪州のウラン探査プロジェクト

表5.豪州のウラン探査プロジェクト

表5.豪州のウラン探査プロジェクト

出典データ:各社ウェブサイトより

5.豪州のウラン探査費支出状況

豪州の鉱山探査に関しては、豪州統計局が四半期ごとに統計データの公表を行っている。図8は年度別のウラン探査費支出状況を示すものである。2007/08年には鉱山ブームにより探査費支出がピークに達したが、その後はリーマンショックにより減少傾向が続き、2011年の東日本大震災と原発事故の発生後に大きく減少した。

図8.豪州のウラン探査費支出状況

図8.豪州のウラン探査費支出状況

出典データ:Australian Bureau of Statistics (8412.0)

図9は全鉱物資源に関する探査費の支出状況をまとめたものである。ウランの探査費は他の鉱種(鉄鉱石、金、石炭、ベースメタル等)と比較した場合、支出が少ないことが示されている。

図9.豪州の鉱物探査費支出状況

図9.豪州の鉱物探査費支出状況

出典データ;Australian Bureau of Statistics (8412.0)

6.ウランに関するその他の情報

6.1.環境に関する法令

ウラン鉱業による環境への影響は、他の金属鉱物鉱業におけるものとほぼ同様であり、ウラン鉱石の鉱石処理が行われる場所が鉱山内に限られ、また適切に取り扱われるのであれば、ウランの放射線が環境に大きな影響を及ぼす可能性は少ないとされている。しかし、実際にはウランプロジェクトはその他の鉱種の鉱業活動が遵守すべき一般的な管理義務に加え、放射性物質の取扱いに関する特別な義務が要求される。豪州で1999年に制定された環境の保護及び生物多様性の保全に関する連邦法(The Environment Protection and Biodiversity Conservation Act 1999;EPBC法)では、原子力プロジェクトは「保護対象(protected)」に分類されており、ウランに関連するいかなる作業を行う場合にも該当する許認可を連邦政府から事前に得ることが必要となる10。ウランそのものの放射線強度は高くないが、その副産物であるラドンやラジウムなどは環境や人体の健康への重大な脅威であるとされている。従って、ウランから生産される尾鉱はその地域を汚染しないよう適切に封じ込めることが義務付けられている。

豪州では露天掘りによる鉱石の採掘を終了して閉山する場合、露天掘りピットや尾鉱、機械作業場の原状復帰が義務付けられているため、近年、鉱業企業の閉山鉱山の原状復帰の負担は大きくなっている。ISR法によるウラン採掘は、地表における鉱山用地の改変面積が少ないため、露天掘りと比べて環境への影響は格段に小さく、原状復帰も容易となるため、ISR法による採掘が可能であればISR法が採用されている。

6.2.豪州国内における原発導入論

豪州においては現在、石炭火力発電が主電源となっているため、ウランを燃料とする原子力発電がこれに対抗するには、二酸化炭素排出量の削減を大きな長所として打ち出す必要がある。現状では、豪州に原発を導入する上でいくつかの法的・政治的ハードルが存在する。ウランの探査及び生産の両方または一方を禁じるNSW州やVIC州の州法はその一例である。さらに、原子力発電の導入を実現するには、現在の厳しい法規制からウランを対象外とするなどEPBC法の改正も必要になる11

2016年初めに、豪州のターンブル首相とフライデンバーグ環境相は、豪州原子力産業の拡大を支持する声明を発表した12。しかし、その内容は主にウランの生産・輸出事業の拡大への支持であった。ターンブル首相は、豪州には今のところ経済的な石炭が豊富に存在するとして、豪州国内に将来原発を導入する案に懐疑的な姿勢を示している。

6.3.ウラン価格の推移

ウラン価格は2007年6月の136US$/lb U3O8以降、2016年11月まで右肩下がりに推移し、18US$/lb U3O8まで落ち込んで2004年以来の最安値を更新した。2016年全体のウラン価格の下落率は29%に達した。ウラン価格は2016年12月から緩やかな上昇を開始したが、2017年5月に再び20US$/lb U3O8を割り、2011年の福島原発事故発生前の73US$/lb U3O8から大幅に下落している。その原因としてはウランの供給過剰が挙げられており、日本の原子力規制委員会による2015年2月以降の原発再稼働の決定後もウラン価格に大きな変化は見られていない13。ウラン価格のサイクルは、短い価格の急上昇期と長く緩やかな価格の下降期が繰り返していることが指摘されている14(図10)。

図10.ウランのスポット価格の推移(US$/lb U3O8)

図10.ウランのスポット価格の推移(US$/lb U3O8

データ出典:BREE15, Ux Consulting等

7.Four Mile(Beverley)ウラン鉱山視察

第12回AusIMM International Uranium Conferenceでは、Four Mile(Beverley)ウラン鉱山視察の機会が提供された。同鉱山はアデレードから北北東約600kmに位置しており、アデレード空港からチャーター機によりBeverley飛行場を利用してアクセスした。

Heathgate社が鉱区を所有するBeverley鉱床は既に鉱量が枯渇し、現在はBeverley鉱床の約10km北西に位置するHeathgate社の子会社であるQuasar Resources社が鉱区を所有するFour Mile East鉱床を主として、Heathgate社がオペレータを務めてウランの生産を行っている(図11)。なお、視察時にFour Mile West鉱床の試験生産が開始されていた。

図11.Four Mile(Beverley)ウラン鉱山鉱床分布図

図11.Four Mile(Beverley)ウラン鉱山鉱床分布図

出典:Heathgate社AusIMM International Uranium Conferenceプレゼンテーション資料

本鉱山は地下の砂岩層中に胚胎するロールフロント型ウラン鉱床を採掘の対象としており、北西にNE-SW方向に露出するNorth Flinders山地を形成する結晶質基盤岩のウラン含有濃度が高く(>90ppmU)、ウラン鉱床の供給源とされている(図12)。

図12.Four Mile(Beverley)ウラン鉱山周辺の概略地質図

図12.Four Mile(Beverley)ウラン鉱山周辺の概略地質図

(ピンク-地下のウラン鉱床、グレー-結晶質基盤岩、黄色-河川堆積物)
出典:Wulser et al. (2011) 16

酸素及び二酸化炭素を含んだ酸化的な天水が結晶質基盤岩中のウランを溶出し、Frome盆地に堆積する空隙が多く透水性の高い砂岩層中に浸透し、砂岩中に存在する還元的な堆積物との酸化還元反応によってウランの沈殿が生じ、ロールフロント型ウラン鉱床が形成されている。Beverley鉱床、Beverley North鉱床、Four Mile鉱床はそれぞれ異なる層準の砂岩層中で形成されている(図13)。Four Mile鉱床の砂岩中のウラン鉱床は厚さが最大で10m、ウラン品位~1%U3O8と世界最大級とされている。U-Pb法により鮮新世6.7~3.4Maの鉱化年代が得られている。

図13.Four Mile(Beverley)ウラン鉱床の地質断面

図13.Four Mile(Beverley)ウラン鉱床の地質断面

出典:Heathgate社AusIMM International Uranium Conferenceプレゼンテーション資料

探査に関して、Heathgate社は年間約5mA$の予算で主に物理探査、ボーリング調査等を実施している。物理探査は空中電磁探査や地震探査等を行っており、新規エリアでは地質を確認するためにダイヤモンドボーリングを行い、ウラン鉱化を確認するためのボーリングとしてRotary Mud法によるボーリングで自立する裸孔を利用して検層(ガンマ線等)を行っている。RCボーリングやAir Coreで得られる砕屑状の岩片試料はボーリング孔壁からの砕屑物との混合が多いため、同社は利用していない。ボーリングは基盤岩まで掘削を行い、各孔の掘削深度は190~270m程度である。開発が進むにつれてウラン鉱床の胚胎深度が深部化している。

Four Mile(Beverley)ウラン鉱山ではISR法によりウランの採取を行っており、Beverley鉱山が豪州でISR法によりウラン回収を行った初めての鉱山である。現地地表の状況を写真1に示す。

写真1.ISR法によるウラン回収(Four Mile East鉱床)

写真1.ISR法によるウラン回収(Four Mile East鉱床)

ISR法による生産に関し、Heathgate社は社内で開発した流路解析ソフトウェアを用いてシミュレーションを行い、井戸の配置と間隔を決定している。注入井~生産井の距離は最大で30m程度であり、ウラン鉱床の分布形態によって注入井・生産井の配置パターンは5点配置、7点配置、カスタム配置を使い分けている(図15)。井戸は9インチ径でボーリングを行い、6インチ径のケーシングパイプで保護している。酸溶液の出入り部であるスクリーンのメッシュは平均5mのサイズであるが、鉱床の規模に応じてスクリーンの長さは最大9~10mのサイズが使用されている。

図14.シミュレーションによる注入井・生産井の7点配置例

図14.シミュレーションによる注入井・生産井の7点配置例

出典:Heathgate社AusIMM International Uranium Conferenceプレゼンテーション資料

生産工程は自動化されており、地表では酸溶液の流入量や地下でのフローの状況が常にモニタリングされている。職員は一日3~4回生産井やプラントを監視し、24時間7日間体制で稼働している。地表の放射能も常にモニタリングされている。Four Mile鉱床でISR法によって得られたウラン溶液はFour Mile Northに建設された2つの衛星プラントまで塩ビ管を通じて集められている。PannikanおよびPepegoona衛星プラントでそれぞれ2.5Mlb U3O8/y、4.0Mlb U3O8/yのウランがイオン交換樹脂(resin)で回収されている。衛星プラントのカラム中でウランは球状の樹脂(resin)に吸着させられ、その樹脂はトラックでBeverleyウラン精製プラントに運搬される(写真2)。

  • 写真2.Pepegoona衛星プラント

    写真2.Pepegoona衛星プラント

  • 写真3.Beverleyウラン精製プラント

    写真3.Beverleyウラン精製プラント

各衛星プラントからトラックで運搬されたウラン吸着樹脂がBeverleyウラン精製プラントに搬入される。精製プラントのカラム内で樹脂に吸着したウランを溶離し(写真3)、溶液から鉄分を除去する処理等が行われてからイエローケーキの生産が行われている。乾燥処理したイエローケーキはドラム缶に詰められ、SA州Adelaide港までトラックで輸送され、同港から海外の各国へ輸出されている。

おわりに

AusIMM International Uranium Conferenceではウラン需要・価格の回復に関して楽観的な発表が多かったが、会場の参加者は「生産者が望むウラン価格の回復には非常に長い時間がかかるだろう」とコメントしており、現実の厳しさが感じられた。また、現在オーストラリア国内ではウラン開発に反対の姿勢である労働党の勢力が強くなっており、ウラン開発に対し今後逆風が強まることが予想される。本会議には主要なウラン企業が多数参加しており、各企業のプロジェクトや探査に関する情報も得られ、さらに鉱山視察の機会も提供されたため、ウランに関する最新の状況を把握するうえで有意義だった。

1 NEA/IAEA Uranium 2016: Resources, Production and Demand: https://www.oecd-nea.org/ndd/pubs/2016/7301-uranium-2016.pdf

2 豪州地質調査所“Australia’s Identified Mineral Resources 2016”: http://www.ga.gov.au/scientific-topics/minerals/mineral-resources/aimr

3 豪州地質調査所: http://www.ga.gov.au/scientific-topics/minerals/mineral-resources/uranium

4 World Bureau of Metal Statistics “World Metal Statistics Yearbook 2017”

5 Kazatomprom Media News 2017/01/10 “Kazakhstan to reduce uranium production by 10%”

6 Australian Safeguards and Non-Proliferation Office(ASNO)“Annual Report 2014-2015”

7 The West Australian 2017/04/18 “Labor storm brewing over uranium mines”

8 ERA Media release 2012/12/07 “ERA completes open cut mining at Ranger mine after more than 30 years”

9 ERA ASX Announcement 2015/10/15 “Update on Ranger Authority extension”

10 連邦環境省「環境の保護及び生物多様性の保全に関する連邦法(EPBC法)」: https://www.environment.gov.au/epbc/what-is-protected

11 世界原子力協会 (WNA), uranium prospects: http://www.world-nuclear.org/information-library/country-profiles/countries-a-f/australia.aspx

12 The Australian 2016/01/30 “Nuclear energy a great economic opportunity for Australia”

13 Bloomberg 2016/09/23 “Uranium prices sink lower amid oversupply”

14 Duke Cole, “The Global Uranium Market”, November 2015

15 Bureau of Resources and Energy Economics (BREE), “Resources and Energy Statistics”

16 Wulser et al. (2011) The Sandstone-Hosted Beverley Uranium Deposit, Lake Frome Basin, South Australia: Mineralogy, Geochemistry, and a Time-Constrained Model for Its Genesis. Economic Geology, v. 106, pp. 835-867.

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