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報告書&レポート

2018年7月23日 シドニー 事務所 吉川竜太
18-16

豪連邦政府・州政府による鉱物資源探鉱支援への取り組みについて

(2018年版)

<シドニー事務所 吉川竜太 報告>

はじめに

豪州における連邦政府及び各州政府の鉱物資源探鉱支援制度に関しては、当事務所が2015年7月16日付で作成したカレント・トピックス15-35「豪州の鉱物資源探鉱費の推移と政府の探鉱支援策」において報告した。その後約3年が経過し、支援制度の中には終了したもの、新しく開始されたものが存在する。豪州における鉱物資源探鉱の重要性は3年前と比較してもますます高まっている状況であり、前回の報告を更新する形で、2018年時点の豪州における連邦及び各州政府による鉱物資源探鉱支援への取り組みを報告することとする。

1.豪州における探鉱の現状

豪州の経済における鉱物資源産業は非常に重要な位置づけとなっており、2016/17年度の鉱物資源・エネルギー輸出額は前年度比25%増の205bA$で、豪州の2016/17年度GDPの6.9%に貢献しているとされる1。鉱物資源産業が豪州の国土から産する物質を採掘・消費することで成立している以上、その持続的な発展のためには新たな資源を発見することが非常に重要であり、鉱山を経営する大小の鉱業企業はもとより、資源を探す探鉱そのものをビジネスとしている中小のジュニア探鉱企業も含め、多くの企業が豪州国内において探鉱を実施している。1988年7~9月四半期から2017年10~12月四半期までの、豪州における鉱物資源探鉱支出費用の推移を見てみると、探鉱支出費用は2004年頃から急激に増加を始め、2012年4~6月四半期に1,061.1mA$のピークを迎えた後、金属価格の下落に伴い急速に減少したが、近年金やベースメタル、その他の鉱種(リチウムなど)の探鉱費を軸として回復基調にあると考えられる(図1)。探鉱支出費用の内訳を州別でみてみると、WA州、QLD州、NSW州における探鉱支出費用が2015年後半を底にして回復しつつあると言える(図2)。

図1.豪州における鉱種別の四半期ごとの探鉱支出費用推移

図1.豪州における鉱種別の四半期ごとの探鉱支出費用推移

(出典:豪統計局「8412.0 – Mineral and Petroleum Exploration, Australia, Dec 2017」より作成)

図2.豪州における州別の四半期ごとの探鉱支出費用推移

図2.豪州における州別の四半期ごとの探鉱支出費用推移

(出典:豪統計局「8412.0 – Mineral and Petroleum Exploration, Australia, Dec 2017」より作成)

近年、探鉱における新鉱床発見の深部化が問題となっており、探鉱の費用対効果が低下していることが世界的に指摘されている。豪コンサルタント企業であるMinEx Consulting社の資料によると、豪州における新鉱床の発見は2008~2010年頃をピークにその後減少しており、特に大規模鉱化の発見数の減少が著しく、2010年以降の探鉱支出費用の傾向と一致していない(図3)。また、発見された鉱床の価値も、2005年頃を境に減少の一途を辿っており(図4)、この点も探鉱支出費の傾向と合致しておらず、豪州における探鉱の難易度が増していることの証左であるといえよう。

図3.1990~2016年の豪州における新鉱床発見の推移(規模別)

図3.1990~2016年の豪州における新鉱床発見の推移(規模別)

(出典:MinEx Consulting社プレゼン資料, 24/06/2017)

図4.1990~2016年の豪州における発見された鉱床の推定価値総額の推移

図4.1990~2016年の豪州における発見された鉱床の推定価値総額の推移

(出典:MinEx Consulting社プレゼン資料, 24/06/2017)

上述のような問題は、豪連邦政府や州政府も認識しており、豪連邦政府は2012年12月に発表した「国家鉱物探鉱戦略(National Mineral Exploration Strategy)」を2017年3月に修正し、豪連邦・各州政府首脳によって構成された豪州政府間評議会(Council of Australian Governments:COAG)により「National Mineral Exploration Strategy 2017-2020」として2017年7月に承認されている2。この中では、豪州は世界でも最も成熟した探鉱地域の一つであり、地表近くで比較的に簡単に発見され得る鉱化は既に発見されてしまっており、今後豪州は魅力的な探鉱地域であり続けるための国際的な競争に晒されることから、更なる探鉱活動を促進する必要がある、と問題提起がされている。また当初の国家鉱物探鉱戦略で提言されていた、地球科学データの提供(information)、鉱物資源探鉱への投資の促進(attraction plan)、地球科学分野の研究推進(research)を更に発展させ、1)政府拠出資金による地球科学基礎データの収集と提供、2)被覆層下の探鉱実施に必要な地球科学情報を提供するための組織を超えた研究事業の活用、3)環境保護を目的とした地球科学基礎データの提供、4)地球科学データの提供による地域社会の人々への貢献、の4つの目標が提唱されている。

2.連邦政府による最近の取り組み

(1) ジュニア探鉱企業インセンティブ制度(Junior Minerals Exploration Incentive:JMEI)

豪連邦政府は2014年7月より、ジュニア探鉱企業への投資家に対する税額控除措置である探鉱開発奨励措置(Exploration Development Incentive;「EDI」)を2016/17年度までの3か年度にわたって実施した。EDIは100mA$規模の予算措置で、2014/15年度は25mA$、2015/16年度は35mA$、2016/17年度は40mA$分の税額控除を鉱物資源のジュニア探鉱企業の投資家に対して認め、ジュニア探鉱企業への投資を促進するという内容であった。2017/18年度の予算案策定時、EDIの予算は計上されず同制度は延長されないこととなったが、業界団体からの強い要請を受けた豪連邦連立与党である保守連合のTurnbull政権はEDIに代わる税額控除措置としてJMEIの導入を決定し、2018年2月に法案が連邦議会に提出され、与野党の賛成を受け2018年3月下旬に可決された。

JMEIもEDIと同様、ジュニア探鉱企業への投資家に対して4年間にわたり、総額100mA$の税額控除を認めることで豪州内における探鉱の促進を企図するもので、控除予算の内訳は2017/18年度に15mA$、2018/19年度に25mA$、2019/20年度及び2020/21年度に各30mA$となっている。JMEIは、鉱物資源のグリーンフィールド探鉱を実施し、資金調達を実施予定、かつ当該年度を含む過去2か年度内に関連企業を含め採掘活動を一切実施していない、という条件に適合する探鉱企業が申請可能とされている。当該条件に適合する企業はJMEIに基づいて、同企業がグリーンフィールド探鉱に費やした探鉱費の一部を、「税控除クレジット」として同社の株式を新規に購入する豪州在住の投資家に譲渡し、当該投資家はそのクレジットによって税控除を受ける権利を得ることができる3。税控除クレジットの額は、豪国税局により申請順で審査の上決定され、2017/18年度分の申請は、2018年4月16日から豪国税局において開始されている。税控除クレジットの一企業あたりの年度上限額は、各年度の控除予算額の5%である(例えば、2017/18年度は750kA$)。

(2) Cooperative Research Center(CRC)を利用した支援スキーム

CRCは、豪州の研究開発を効率的に推進することを目的に1990年に策定された産学官の共同研究プログラムであり、豪連邦の産業技術革新科学省が所管している4。連邦・州・準州政府機関、豪州地質調査所や連邦科学産業研究機構等の研究機関、大学、民間企業などが連携して強力な研究協力を図るため、最大10年間官民が資金を折半で拠出して実施される5。CRCでは産業界の技術開発ニーズから発生するテーマに関して研究が行われ、その結果となる知識や技術を産業界にフィードバックすることを目的としている。2018年4月の時点で、31のCRCが実施されているとされる5

鉱物資源探鉱関連で現在実施されているCRCは、2010年から8年間、設備・サービスなどの現物提供分(インカインド)を含めた予算総額155mA$(現金28mA$はCRCプログラムから、現金34mA$は産業界から、93mA$は産学のインカインド拠出分)で実施されている「Deep Exploration Technologies CRC(DET CRC)」である6。DET CRCは、鉱物資源探鉱により未鉱化被覆層の深部に存在する資源の有効利用及び商業化を実現するための技術開発を目的に、①コイルチューブ試錐※など、革新的な新試錐技術の開発、②試錐ビット摩耗管理の良化や試錐ロッドの手作業工程の削減など、従来の試錐技術における漸進的な改善、③ダウンホール装置や各種センサーの利用による試錐現場での分析技術の開発、④物理探査技術(MT法、3次元地震探査法など)の改善を目標として研究が実施されているほか、「Regional Mineral System Drilling」として、探鉱が進んでいないエリアにおいて実際に上述の技術を利用した構造試錐調査も実施している6

DET CRCは2017/18年度で終了することから、その後継プロジェクトの位置づけとなる「MinEx CRC」が2017年にCRCプログラムに申請され、2018年3月28日に連邦政府により実施が発表された7。MinEx CRCには豪連邦政府から50mA$が投じられるほか、プログラム参加者から資金拠出やインカインド拠出を含めて更に165mA$が投じられる予定で、生産性と安全性がより高く環境負荷の小さい試錐方法(例えば、コイルチューブ試錐)や、試錐調査と同時並行でデータ収集を可能とするような新技術の開発が実施されるほか、各州の地質調査所や研究者、産業界が共同して、鉱物資源のポテンシャルがありながら未だ探鉱が実施されていない地域において新技術を利用した試錐を実施する「National Drilling Initiative」も実施される予定である。MinEx CRCには、Anglo American、BHP、Atlas Copco社をはじめとする民間企業、豪州地質調査所や各州の地質調査所、連邦科学産業研究機構、また各州の大学・研究所が参加することが予定されている。

※コイルチューブ試錐とは

従来型のダイヤモンド試錐の場合、例えば1,000mの掘削を実施するためには、孔底のビットに推進力を伝達するため、長さ3mの「ロッド」と呼ばれる鋼鉄製の円筒チューブが333本必要となる。例えばビット交換時のロッド取付け・取外しなどを含むロッドの取扱には時間と労力が必要となり、作業員が怪我をするリスクも伴う。コイルチューブ試錐はロッドの代わりに、リールに巻き付けたスチール製の「コイルチューブ」を連続的に孔内に送り込むことで掘削するもので、ロッドの取扱が無くなることにより、リスクとコストの削減が見込めると考えられている。ダイヤモンド試錐のようなコア試料ではなく、コイルチューブ試錐では「カッティングス(岩片試料)」が回収されることとなるが、DET CRCでは500m程度の試錐を50A$/m程度の単価で安全かつ迅速に掘削するとともに、スキャニング装置を組み込んだダウンホール調査などを活用し、必要な地質情報をリアルタイムで取得することを目指している8

写真 コイルチューブ試錐機(RoXplorer)の様子

写真 コイルチューブ試錐機(RoXplorer)の様子

(出典:http://detcrc.com.au/top-ten/roxplorer-revolution-live/)

(3) Exploring for the Future

「Exploring for the Future」は、豪州地質調査所が主導して2016/17~2019/20年度にかけて実施されるプロジェクトで、4年間で100.5mA$を費やしてWA州の北部を含む豪州北部とSA州の一部を対象(図5)として基礎的地球科学情報を収集し、探鉱が進んでいない地域における将来の石油、ガス、金属資源に対する探鉱投資を促進することを目的としている。本プログラムで収集される地球科学情報は、空中電磁探査、構造試錐調査、地震探査、重力探査、電磁探査(MT法)、地化学探査などの結果に基づいたもので、各データは一年に一度豪州地質調査所のホームページ上で公開されている。

図5.「Exploring for the Future」の実施対象地域

図5.「Exploring for the Future」の実施対象地域

(出典:Exploring for the Future –Queensland Exploration Council 2017)

3.主要な州政府による最近の取り組み

3.1. ニューサウスウェールズ州(NSW州)

・New Frontiers Initiative9

NSW州地質調査所(Geological Survey of New South Wales)が主管して実施している探鉱振興制度であり、NSW州の探鉱フロンティア地域における民間による探鉱事業を促進することを目的に、2006年から開始されている。州内の有望地域における物理探査データ取得・公開や、先進的な地球科学関連地図の作成と解釈、重要な鉱化作用システムの研究、データ整備事業などが実施されている他、特定の鉱種に対し、企業が実施する試錐探鉱への200kA$を上限とした助成事業も実施している(New Frontiers Cooperative Drilling)。New Frontiers Cooperative Drillingは2016/17年度にRound 2が2mA$の予算で実施されたが、NSW州の担当者の話によると、Round 3の実施は現在のところ未定とのことである。

3.2. ビクトリア州(VIC州)

・TARGET Minerals Exploration Initiative10(「TARGET」)

TARGETはVIC州政府が銅やその他のベースメタル、金の探鉱促進を目的に総額15mA$の予算で2016年から実施している事業であり、11.7mA$の企業への探鉱費助成事業と基礎的地球科学データの収集・公開を実施している。VIC州政府内の主管部門は経済開発・雇用・運輸・資源省(Department of Economic Development, Jobs, Transport and Resources)である。

探鉱費助成事業はグリーンフィールドエリアにおける探鉱プロジェクトの探鉱費用の50%が助成される。助成費用の上限は定められていない。探鉱費用はボーリングだけではなく、各種物理探査、地化学探査、分析費も対象となる。2016年に同州内のStavely地域を対象としたRound 1が実施され、10プロジェクトに約2.2mA$が、2017年にはBendigo地域を対象としたRound 2が実施され、5プロジェクトに約1.3mA$が助成された。VIC州政府は2018年6月22日付でStavely地域に所在する11の探鉱鉱区に関する入札実施を発表しており、落札者は1鉱区当たり500kA$を上限とし、TARGETを介した探鉱費助成に応募する権利を有することが明らかにされている11

3.3. 南オーストラリア州(SA州)

・Plan for Accelerating Exploration12(「PACE」)

PACEはSA州における鉱業の振興を目的に実施されている制度で、経済の活性化や土地へのアクセス確保、持続性のある探鉱・鉱業の発展、文化や環境とのバランスを取った開発の実施などを目標としている。具体的には、基礎的地球科学情報・データの収集と提供、新しい資源を発見することを目的とした研究への投資、企業探鉱プログラムへの助成などが実施されている。PACEは2004年から開始され、Pace 2020、Pace Frontiersと名前を変えて継続されており、現在は2016/17年度と2017/18年度の2年間、20mA$の予算による「PACE Copper」が実施中で、SA州の重点地域において空中物理探査やMT探査、地化学探査、構造試錐などが実施されている他、SA州全域における3Dモデルの作成事業や企業の試錐調査への助成事業(PACE Discovery Drilling)が実施されている13。Pace Discovery Drillingは試錐調査に対し、250kA$を上限として費用の50%を助成するというもので、Pace Copperでは2016/17年度に26孔の試錐調査に対し、総額3.5mA$が助成されている14。なお、SA州担当者の話によると、2018年3月に実施された選挙により労働党が敗北し、16年ぶりに自由党が与党となった影響で、今後同州の探鉱支援制度はPACEから名前を変えて実施される可能性があるとのことである。

3.4. 西オーストラリア州(WA州)

・Exploration Incentive Scheme 15(EIS)

WA州の鉱山・産業規制・保安省(Department of Mines, Industry Regulation and Safety)が運営し、WA州地質調査所(Geological Survey of Western Australia)が主管する探鉱支援制度である。初期探鉱の促進、鉱物・エネルギー資源の発見、州の資源産業の持続的な発展を目的としている。当初の実施期間は2009~2017年であり予算総額は約130mA$であったが、2017年8月にWA州政府により、2017年7月からの2年間、1年あたり10mA$の予算での延長が発表された。EISは①Exploration Facilitation(オンライン鉱業権管理システムの改良)、②Innovative Drilling Promotion(地質構造試錐調査に対する助成金。Co-funded Exploration Drilling Programとも呼称される)、③Geophysical and Geochemical Surveys(WA州地質調査所による地化学探査・物理探査の基礎データ収集と公表)、④3D Prospectivity Mapping(WA Geology Online等のオンラインデータベースの拡張)、⑤Strategic Research with Industry(CSIRO等の研究者と探鉱企業の連携強化事業)の、5つの施策から構成されており、2017年7月以降はInnovative Drilling Promotionを除く事業に毎年5mA$が充てられ、残りがInnovative Drilling Promotionの助成金に当てられるとされている。

Innovative Drilling Promotionでは、WA州のグリーンフィールドエリアにおける地質構造を明らかにすること及び新鉱床発見を促進することを目的に、探鉱企業が実施する探鉱試錐に対して、1孔のみの試錐調査に対しては20万A$/件、複数のボーリング調査を実施する探鉱プロジェクトに対しては15万A$/件を上限に経費の50%を助成するというもので、年2回募集されている。Innovative Drilling Promotionは2009年の開始以来、2017年8月の時点で370のプロジェクトで総試錐延長560kmの試錐調査に適用され、25の鉱化発見に貢献したとされている。

3.5. 北部準州(NT準州)

・Creating Opportunities for Resource Exploration16(CORE)

COREはNT準州政府が鉱物・石油資源の探鉱と資源発見を推進することを目的として実施している探鉱支援策であり、NT準州地質調査所(Northern Territory Geological Survey)による地球科学データの収集・提供事業や民間企業の探鉱プロジェクトに対する補助事業、NT準州への資源プロジェクトへの投資誘致事業を実施している。当初計画では、2017/18年度までの4年間にわたり合計23.8mA$の資金が投じられる予定であったが、2018年5月16日に更に26mA$の予算を投じて「Resourcing the Territory」制度と銘打ち、4年間延長されることがNT準州Department of Primary Industry and Resourcesから発表されている17

民間企業の探鉱プロジェクトに対する助成事業はGeophysics and Drilling Collaborations18と呼ばれるもので、同州内の地質情報が不足している地域において民間企業により実施される探鉱事業に対し、ダイヤモンド試錐調査の場合125kA$を上限に、それ以外のRC試錐を含む試錐調査や物理探査の場合100kA$を上限に、調査費用の最大50%を助成するというものである。年一回募集が予定されており、2018/19年度の予算総額は1mA$が見込まれている。

3.6. クイーンズランド州(QLD州)

・Strategic Resources Exploration Program19(「SREP」)

SREPは、2017/18年度から4年間、QLD州北西部における天然ガスと鉱物資源の探鉱及び資源開発プロジェクト支援のため、27.125mA$が投じられて実施される支援制度である。SREPでは、ガスや鉱物資源を対象とした物理探査、地化学探査の実施及びデータの提供事業や、北西部の鉱物資源を対象とした地質統合データ解釈の作成、フロンティア地域における探鉱技術開発に関する連邦主導の研究への支援、企業探鉱への助成事業(Collaborative Exploration Initiative;「CEI」)、QLD州鉱業への投資促進事業などが実施される。CEIでは3.6mA$の予算が計上され、企業が実施する試錐調査や物理探査、地化学探査などを対象とし、200kA$を上限として直接経費の半額を助成するというもの。ただし、指定の期日内に終了させることを条件として、300kA$を上限に直接経費の75%が助成される20。第1ラウンドでは、9企業の12プロジェクトに対し、1.13mA$が助成された。なお、CEIの第2及び最終ラウンドの募集が2018年8月末を締切として2018年7月より開始されている21

おわりに

豪州では連邦政府・州政府ともに、自国あるいは自州にとって重要な基幹産業の一つである鉱業の持続的な発展のため、企業探鉱への助成や探鉱費への税額控除措置、基礎的地球科学データの取得・公開を通じて探鉱を促進しようとしている。一方で、このような支援制度の発表の際、その制度によりどの程度の雇用が生じるかということをアピールするケースが多く認められ、政権与党による選挙対策の一環として制度が利用・発表されているという一面も色濃い。企業探鉱の助成制度が継続していない州も存在するが、今後の選挙日程などと絡んで新規の助成が発表される可能性もあるので、今後も情報が発表され次第、逐次ニュース・フラッシュなどを通じて報告することとしたい。


  1. Resources and Energy Quarterly. Department of Industry, Innovation and Science, March 2018
  2. http://www.coagenergycouncil.gov.au/publications/national-mineral-exploration-strategy-december-2012
  3. https://www.bdo.com.au/en-au/insights/tax/tax-industry/junior-minerals-exploration-incentive 及びhttps://www.ato.gov.au/business/Junior-minerals-exploration-incentive/
  4. https://www.business.gov.au/-/media/Business/CRC/Cooperative-research-centres-fact-sheet-PDF.PDF?la=en&hash=F5968BCEE27B891681E249A995A552DB34D00894
  5. https://queenslandexploration.com.au/wp-content/uploads/2018/03/Jonathan-Loraine-20180222-Energy-Marerials-Info-Pack-V-6.pdf
  6. 「Deep Exploration Technologies CRC」ホームページ
  7. http://minister.industry.gov.au/ministers/canavan-seselja/media-releases/funding-exploration-and-research-secure-jobs-future
  8. https://www.ausimmbulletin.com/feature/the-future-of-drilling/
  9. https://www.resourcesandenergy.nsw.gov.au/miners-and-explorers/geoscience-information/about/new-frontiers
  10. http://earthresources.vic.gov.au/earth-resources/industry-and-investment/grant-programs/target
  11. http://earthresources.vic.gov.au/earth-resources/industry-and-investment/stavely-ground-release/explorers/tender-information
  12. http://minerals.statedevelopment.sa.gov.au/geoscience/pace_copper
  13. http://www.minerals.statedevelopment.sa.gov.au/knowledge_centre/mesa_journal/news/pace_copper_accelerating_exploration_and_discovery
  14. http://minerals.statedevelopment.sa.gov.au/geoscience/pace_copper/pace_discovery_drilling_2016
  15. http://www.dmp.wa.gov.au/Petroleum/Exploration-Incentive-Scheme-2251.aspx
  16. https://core.nt.gov.au/
  17. http://newsroom.nt.gov.au/mediaRelease/25632
  18. https://dpir.nt.gov.au/mining-and-energy/geoscience-projects-and-initiatives/geophysics-and-drilling-collaborations
  19. https://dnrme.qld.gov.au/mining-resources/initiatives/strategic-resources-exploration-program
  20. https://www.dnrme.qld.gov.au/__data/assets/pdf_file/0007/1398526/cei-guideline-round2.pdf
  21. https://www.business.qld.gov.au/industries/invest/mining/exploration-incentives/exploration-grants
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