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報告書&レポート

2020年1月29日 金属企画部 北良行、ヨハネスブルク事務所 原田武
20_01_vol.49

DRコンゴにおける銅鉱業について

<金属企画部 北良行、ヨハネスブルク事務所 原田武 報告>

はじめに

現在EVのバッテリーに欠かせない原料としてコバルトが話題となっているが、その主生産地はDRコンゴであることは周知のことである。しかし、DRコンゴにおけるコバルトの生産は主に銅鉱山の副産物として生産されているため、銅生産がコバルトの生産に及ぼす影響は極めて高い。

世界における銅の鉱石生産(SxEwを含んだ金属量)は2015年に20百万tを超え、2018年には20.93百万tに達した。アフリカにおける銅生産は、2018年はおよそ2.40百万tであったが、DRコンゴは1.22百万tでザンビアと合わせると2.2百万tで、アフリカにおいては9割、世界においては1割を占める(WBMS)。図1に両国の銅生産推移を示す。

図1.アフリカ・カッパーベルト地域の鉱山銅生産推移(金属量換算)

図1.アフリカ・カッパーベルト地域の鉱山銅生産推移(金属量換算)

出典:WBMS他

DRコンゴにはGecamines(La Générale des Carrières et des Mines)という国営鉱山会社が存在するが、銅生産者は外国企業が主体となっており、近年中国企業の活動が盛んになっている。

DRコンゴで最大の銅生産者はChina Molybdenum社のTenke Fungurume鉱山(TFM)で、2017年には213千tの銅を生産した。これに次ぐのはGlencoreによるMutanda鉱山の192千tとKatanga鉱山の152千t(Kamoto+KOV)であり、さらにERG社はFrontia鉱山で同100千t、Metakol鉱山で同77千t、Boss鉱山で50千tを生産した。中国資本としては、China Molybdenum社のほかMMG社のKinsevere鉱山(2017年生産量80千t)、紫金集団(Zijin Mining Group)のKolwezi鉱山(同58千t)、金川集団(Jinchuan Group)のKinsenda鉱山(同24千t)の生産がある。

銅鉱石は大きく分け、酸化鉱を対象に採掘し湿式製錬(SxEw処理)をするもの、硫化鉱を対象に採掘し乾式製錬するものがある。AME groupのウェブページには、アフリカ・カッパーベルトにおけるその分布が鉱山の分布とともにわかりやすく整理されている(図2)。これによればアフリカ・カッパーベルト南東部では硫化鉱での生産が主で、北西部では酸化鉱での生産が主であることがわかる。

図2.アフリカ・カッパーベルト地域鉱石種類別鉱床分布

図2.アフリカ・カッパーベルト地域鉱石種類別鉱床分布

出典:AME The swift rise of the African Copperbelt1

また、Ivanhoe社が会社ごとに表示した鉱山分布が図3である。GlencoreとERG社が北西部及び南東部の両地域で活動しているが、MetalcolはLubumbashi周辺での活動が主である。

図3.アフリカ・カッパーベルト地域操業会社別鉱山分布図

図3.アフリカ・カッパーベルト地域操業会社別鉱山分布図

出典:The Southern African Institute of Mining and Metallurgy2

さらにResearchgateによる鉱床のタイプ別に分類された鉱床分布図が図4である。

図4.アフリカ・カッパーベルト地域鉱床タイプ別分布図

図4.アフリカ・カッパーベルト地域鉱床タイプ別分布図

出典:Researchgate3

DRコンゴにおける鉱山活動は(1)Gecamines単独による銅生産活動、(2)Gecaminesとの私企業のJVによる生産、(3)DRコンゴ政府が権益参入するプロジェクト(政府とのJV形式)、(4)民間企業のみによる活動の形態で稼行しているもの(民間企業単位の生産等)に分類できる。GecaminesとのJVと政府とのJVの違いについては、政府とGecaminesの力関係で生じているものと察するが、これまでの調査では明確な理由はつかめなかった。ここではS&P社の資料を参考に上記分類した形態別に各鉱山の近況を報告する。

1.Gecamines単独による銅生産活動

Gecaminesの歴史は、1906年のUnion Minière du Haut Katangaに遡ぼり、1967年に政府によって国有化された。1986年、Gecaminesは年間476千tの銅、14.5千tのコバルト及び64千tの亜鉛金属を生産するに至った。しかしながら、その後銅価の低迷と国有化による組織疲弊により1987年以降生産量は減少し、1999年には銅329千t、コバルト2.15千tまで落ち込んだ。この状態からの脱却を目指し、1995年には合弁事業方針を開始、銅市場の回復と相まってDRコンゴの鉱業は復活、2018年には銅生産が1,220千tに達した。

S&P社によると、Gecaminesは単独でGecamines製錬所のほか、ShituruやLubumbashiの各精錬所を保有している。「カッパーベルトの現状と今後の市場への影響(北良行、2001、(社)日本メタル経済研究所)」によれば、南グループにLuilu、中央グループにShituru、南グループにLubumbashi各製錬所、LuiluとShituruに精錬所がある。

Gecamines精錬所は2012年の時点で30千tの銅、837tのコバルトを生産、Shituru精錬所はこの時点で30千tの生産能力と記載されている。

S&P社の資料によれば、Kalumines(資源量1.3百万t)、Deziwa(資源量4.6百万t)、Ecaille C(資源量250千t)、Luishiaの4プロジェクトが記載されている。

表1.Gecaminesプロジェクト
Property Owner(s) Development Stage
Deziwa Gecamines SA Feasibility
Ecaille C Gecamines SA Reserves Development
Gecamines Refinery Gecamines SA Operating
Gecamines Smelter Gecamines SA Operating
Kalumines Gecamines SA Feasibility
Lubumbashi Refinery Gecamines SA Operating
Luishia Gecamines SA Reserves Development
Shituru Refinery Gecamines SA Operating

出典:S&P社のデータを基にJOGMECが作成

一方、Gecaminesによると、南部グループ(LubumbashiとKipushi周辺)、中央グループ(Likasi、Kambove、Kakanda周辺)、西グループ(KolweziとLuena周辺)の3地域に分け組織されている。4

南部グループではPolygon Kasonta-Lupoto(銅1.4百万t)、Kasombo(銅100千t)のポテンシャルがある。中央グループでは現在稼行中のKamfundwa露天掘り鉱山があり、埋蔵量は銅310千tである。そのほか探鉱案件としてM’sesa(銅170千t)、Kibindji(銅100千t)、Kajilangwe(銅200千t)及びShangoloweなどがある。西部グループでは、埋蔵量銅430千tのKilamusembu露天掘り鉱山が操業しており、探鉱案件としてKingamyambo(銅432千t)がある。

2.Gecaminesと私企業のJVによる生産

GecaminesがJVの形で参加する外国企業として、Groupe Forrest Intl S.A.、Ivanhoe Mines Ltd.、Eurasian Resources Group Sàr、Tiger Resources Ltd.、Katanga Mining Ltd.(Glencore)並びにJinchuan Grp Intl Rsrc Co. Ltd.、Zijin Mining Group Co. Ltd.、China Molybdenum Co. Ltd.、Pengxin Intl Mining Co.Ltd.などが挙げられる。表2に、Gecaminesがこれらの企業とJVを実施しているプロジェクト(実際はGecaminesがプロジェクトの権益を有するのみと思われる)を取りまとめ、以下に概要を記す。

表2.Gecaminesと外国企業とのJVプロジェクト
Property Owner(s) JV partner Development Stage
Kalukundi Gecamines SA ENRC Congo B.V. Feasibility
Boss Gecamines SA Eurasian Resources Group Sàr r.l. Operating
Kabolela Gecamines SA Eurasian Resources Group Sàr r.l. Operating
Kambove Gecamines SA Eurasian Resources Group Sàr Satellite
Lonshi Gecamines SA Eurasian Resources Group Sàr. Operating
Luita SxEw Gecamines SA Eurasian Resources Group Sàr. Operating
Metalkol RTR Gecamines SA Eurasian Resources Group Sàr IFC Industrial
Development Corp.
Construction Started
Mukondo Mountain Gecamines SA Eurasian Resources Group Sàr Prairie International Ltd Satellite
Katanga Gecamines SA Katanga Mining Ltd. Grassroots
KOV Gecamines SA Katanga Mining Ltd. Satellite
Tilwizembe Gecamines SA Katanga Mining Ltd. Satellite
Musonoi Gecamines SA Jinchuan Grp Intl
Rsrc Co. Ltd.
Ruashi Mining SAS Construction Started
Ruashi Gecamines SA Jinchuan Grp Intl
Rsrc Co. Ltd.
Operating
Kipoi Gecamines SA Tiger Resources Ltd. Expansion
Kipoi SxEw Gecamines SA Tiger Resources Ltd. Operating
Lupoto Gecamines SA Tiger Resources Ltd. Reserves
Development
Kolwezi Gecamines SA Zijin Mining Group
Co. Ltd.
Operating
Tenke Fungurume Gecamines SA China Molybdenum Co. Ltd. BHR Newwood Invt Mgmt Ltd. Operating
Kipushi Gecamines SA Ivanhoe Mines Ltd. Feasibility Started
Lubumbashi Slag Hill Gecamines SA Groupe Forrest Intl S.A. Operating
Shituru Gecamines SA Pengxin Intl Mining
Co.Ltd.
Feasibility
Kisanfu Gecamines SA CuCo Resources
Ltd.
Preproduction
Kasombo Gecamines SA Fe Ltd. Paragon Mining
SARL
Target Outline
Kipushi Tailings Gecamines SA Paragon Mining
SARL
Cape Lambert
Resources Ltd.
Commissioning

出典:S&Pのデータを基にJOGMECが作成

2.1.Eurasian Resources社(ERG)とのJVによる生産5

Gecaminesは、Eurasian Resources社とはKambove鉱山、Boss鉱山、Lonshi鉱山、Luita SxEw鉱山、Metalkol RTR鉱山、Mukondo Mountain鉱山、Kabolela鉱山でJVを形成している。2009年12月には、ENRC(ERG社の関連企業)がThe Central African Mining and Exploration Company(CAMEC)の株式95.40%を取得している。CAMECはアフリカ各地で鉱業関連の活動をしているが、DRコンゴではMukondo鉱山を所有していた。同鉱山からの銅はLuita工場で精錬されており、年間100千tのカソード生産が計画されていた。CAMECは、中国の浙江嘉利珂鈷鎳材料有限公司と原料を納入する長期契約をしている。

(1)Boss鉱山

Boss鉱山は電解銅、酸化コバルト、硫化鉱精鉱、炭酸コバルトを生産している。地理的にはLualaba州とKatanga州の南東部に位置するLubumbashi、Kakanda、Luitaにて露天採掘、粉砕、選鉱、濃縮プラント、電解銅の生産が行われている。

様々な鉱山から供給される酸化物鉱石を処理し、年間50千tの電解銅の生産能力を確保するために、Boss50プロジェクトを立ち上げている。また、2018年から2019年にかけて年間2〜3千tのコバルトを精鉱の形で生産することを目標としている。

ERG社は、Boss鉱山からの酸化鉱は少なくなり、今後は硫化鉱の開発とともに、尾鉱堆積物の再回収などで、この地域の新たな銅ポテンシャルの可能性を評価している。これにより2020年〜2020年代半ばまでのマインライフを20〜30年延長できる可能性があり、現在最適な方法の検討に向けて研究が進められている。

(2)Metalkol RTRプロジェクト

Metalkol RTRプロジェクトは、Haut-Katanga州に位置する。KingamyamboとMusonoi River Valleyに保管されていたコバルトと銅の尾鉱の再処理が行われており、平均品位0.32%のコバルトと1.49%の銅の尾鉱が112百万t存在する。フェーズ1では、水酸化コバルト14千t、電解銅77千tを生産する見込み(生産は2018年第4四半期に開始)。

フェーズ1の完了は、設計・調達・建設(EPC)請負業者を含む中国非鉄金属産業の建設会社コンソーシアムによる約65mUS$の融資が活用される。フェーズ2では24千tのコバルト、120千tの銅増産の可能性がある。

(3)Mukondo Mountain鉱山

Mukondo Mountain鉱山では銅コバルト精鉱を生産し、Luita工場に供給している。これは中国で各種コバルト化成品を扱う浙江嘉利珂鈷鎳材料有限公司における原料となる。

(4)Lonshi鉱山

酸化鉱を対象として資源量500千tが算定されており、First Quantum Minerals社(FQM)が稼行していた際にはザンビアのSxEw施設Bwanaに鉱石を輸送していたが、違法であるとの指摘を受け現在は生産が中止されている。

(5)Luitaプロジェクト

CAMECが稼行しており、2009年頃の資料によればSxEwで年産100千tの銅と12千t(金属量)のコバルトが生産される計画とされていた。

(6)Kabolelaプロジェクト

本件は探鉱の段階である。

最近のトピックス:

ERG社はザンビアChambishi鉱山で製錬所を運営している。DRコンゴのBoss鉱山とFrontier鉱山からも鉱石を手当てしており、同製錬所の生産能力は2017年の時点でコバルト6.8千/年、銅55千/年であった。

2019年2月14日付の報道によると、ERG社はChambishi製錬所の生産を一時中断した。これは2019年ザンビアに輸入されたコバルトと銅の精鉱に対する新たな5%の関税の導入が発効されたことで、輸入原料の供給が制限されたことが影響しているとされている。基本的にBoss鉱山からの鉱石供給自体が減っているため、2018年のコバルト生産量は23千tに留まった。

なお、ERG社が単独で実施するDRコンゴのプロジェクトとしてComideプロジェクトがある。同プロジェクトはAfricoとComideが合弁したもの。2012年に生産が開始され、湿式プラントを備えた露天掘り鉱山である。銅1.6%、コバルト0.2%で、埋蔵量は53百万tある。年間200千tの酸化鉱を生産する計画。

2.2.Tiger Resources社とのJVによる生産

Tiger Resources社は銅の探査開発を行う豪州に拠点を置く企業で、DRコンゴのカッパーベルトにおける銅とコバルト鉱床の探査、開発、生産を実施している。2011年から2014年にかけてKipoi Copperプロジェクトで銅精鉱を生産し、2014年5月から電解銅の生産が始まった。

S&P社によるとGecaminesがTiger Resources社とJVを実施しているのはKipoiプロジェクト、Kipoi SxEw鉱山及びLupotoプロジェクトである。

Kipoi鉱山は資源量850千tで、SxEwにより2014年5月に電解銅の生産が開始された。Kipoiプロジェクトはアフリカ・カッパーベルトの中心部、Katanga州都Lubumbashiの北西75kmに位置し(Kipoi Mining Licenseは55km2)、Tiger Resources社が95%所有する子会社SEK(Societe d’ Exploitation de Kipoi)によって操業されている。鉱床の胚胎層準はUpper Roan Sediment(R2、R4)で、走向延長12kmにわたって銅-コバルト鉱化(いわゆるエカイユ)が存在する。また、Kipoi Central、Kipoi North、Kileba、Judeira、Kaminafitweの5つの銅鉱床が知られている。Kipoi SxEw施設では年産2千tの生産能力を有するが、将来的には32.5千tへの拡張が計画されている。

Lupotoプロジェクトは探鉱案件でKipoiプロジェクトの走向延長に位置しており、資源量14.7百万t、銅品位1.4%換算として200千tの資源量が期待されている。

なお、Tiger Resources社単独では、上記のほかKipoi Central SX-EW Plantの拡張計画、La Patienceの探鉱案件を有する。

2.3.Katanga Mining社(Glencore)とのJVによる生産

Katanga Mining社はトロント証券取引所に上場する企業で、Kamoto鉱山(坑内掘り)とKOV鉱山(露天掘り)を稼行、それぞれ硫化物鉱石と酸化物鉱石を採掘している。Kamoto鉱山は1960年から1985年まで、またKOV鉱山は1983年以降、Gecaminesが運営し、ピットが浸水する2000年まで採掘されていた。その後、Katanga Mining社(75%)とGecamines(25%)のJV事業として2007年に再開し、Kamoto鉱山では坑内からの揚水が開始され、2008年6月1日に商業生産を再開した。Katanga Mining社は2015年から2017年の間生産を中断した。

採掘された鉱石の総量は、2017年の433,169tから2018年には10,167,727tに増加したほか、電解銅の生産は2017年の2,196tから2018年には152,358tに増加した。また、コバルト水酸化物の生産は2017年の0.1tから2018年の11,112t(コバルト金属量換算)に増加した。しかしKamoto Copper Company(KCC)は水酸化コバルト中の法定基準を超えたウラン含有問題により輸出を中断した。現在、イオン交換プラントによる長期的な技術的解決策が検討され輸出を再開する計画としており、イオン交換プラントに必要な認可を取得後に、プラントの実現可能性調査を行い、試運転は2019年第4四半期に開始される予定である。

2019年の生産予測は銅285千tと水酸化コバルト26千t(含有コバルト量)と発表されている。

銅の生産に関しては、2018年第4四半期に浸出湿式製錬の銅・コバルトの回収率を上げるWhole ore leach(WOL)、プロジェクトデカンテーション(CCD)回路及びEWタンクハウス(EW)が導入され、最終試運転がなされた。WOLプロジェクトでは最大300千tの電解銅を生産することが目標とされており、特に酸化鉱を直接浸出するためにLuiluでの浸出能力の増強が課題となっている。

コバルト生産では、新たに3台のフィルタープレスの導入のほか、既存のコバルト回路内のMgO試薬工場や2台の水酸化コバルト乾燥機の建設により、年平均30千t、最大40千tのコバルト生産の達成が計画されている。

最近のトピックス

2018年11月、鉱石中の放射性金属ウランのレベルが輸出許容限界を超えたことによりKamoto鉱山はコバルトの輸出を一時的に停止し、約25mUS$のウラン除去イオン交換システムを構築すると発表した。2019年4月15日にKCCが輸出を再開したと発表したが、世界及びDRコンゴの規制に準拠した範囲に限られた量の出荷となっている。

2018年末時点の埋蔵量等は下表のとおりである。

2018年末時点の埋蔵量等

出典:Katanga Mining社

2.4.Jinchuan Group International Resources社とのJVによる生産

Jinchuan Group International Resources社(金川集団国際資源有限公司、金川集団)は現在、アフリカ・カッパーベルトで3つの鉱山(Musonoi鉱山、Ruashi鉱山(銅、コバルト)、Kinsenda鉱山(銅))とザンビアのChibuluma鉱山を操業している。このうちGecaminesとのJVはRuashi鉱山(Metrex社を介して権益75%を保有)とMusonoi鉱山である。Musonoiプロジェクトは建設中であり、探鉱案件としてLubembeプロジェクトを有する。

Musonoi鉱山は2018年12月時点で、埋蔵量銅590千t、コバルト165千t、資源量銅1.02百万t、コバルト282千tが算定されており、建設工事は2018年末に開始された。

Kinsendaプロジェクトは銅品位5.5%と世界で最も品位の高い銅鉱床で、金川集団は77%の権益を保有し、残り23%はDRコンゴの国有鉱山企業Sodimico社が保有している。

2018年末時点の資源量は以下の通り。

2018年末の時点において、金川集団全体での資源量は銅4.657百万t、コバルト374百万tと見積もられている。主な内訳はRuashi鉱山で銅623千t、コバルト92千tが算定されているほか、Chibuluma South鉱山(Chifupu鉱床を含む)で銅830千t、Kinsenda鉱山銅1.21百万tが見積もられている。また、Musonoiプロジェクトでは、1.023百万tの銅と282千tのコバルト、Lubembeプロジェクトでは1.718百万tの銅が見積もられている。

Kinsenda鉱山はすでにフル稼働しているため、同社では現在Kolwezi Musonoi銅コバルト鉱山の建設及びRuashi鉱山の硫化物鉱床の開発に焦点が当てられており、Musonoiプロジェクトは2018年後半に生産が開始される予定である。探査活動は、Ruashi鉱山における酸化帯下部の硫化物や、Musonoi鉱山の深部及びKinsenda鉱山の周辺を対象として継続されている。

(1)Ruashi鉱山

Ruashi鉱山は1911年に生産を開始した鉱山で、3つの露天掘り採掘場とSxEw工場で構成されている。現在、年間38千tの銅と4.4千tのコバルトを生産している。

(2)Kinsenda鉱山

坑内掘りとSxEwがあり2013年に建設開始、2017年に生産が開始された。名目上の年間生産量は24千tであるが、2018年の生産量は28千tであった。

2.5.Zijin Mining Group社とのJVによる生産

DRコンゴにおけるZijin Mining Group社(紫金集団)のGecaminesとのJV活動は、Kolwezi鉱山(S&P社によれば、Kolweziは同じ名称で3つ記載あり。そのうち紫金集団のみ生産中)とIvanhoe社とともに実施のKamoa-Kakula(「2.8.Ivanhoe Mines Ltd.」で記述)がある。Kolwezi鉱山の権益割合は紫金集団72%、Gacamines28%である。

資源量は1.53百万tで、2017年には21,940tの銅が生産された。2018年3月にはフェーズⅡの建設が始まり、2018年12月にはフェーズⅡによる生産が開始された。計画上の生産量は銅50千t、コバルト3千tである。これにより、同銅山では70千t以上の銅を生産することになった。フェーズⅡが完了しフル操業となれば年間生産量は銅100千t、コバルト3千tになる。Kolwezi鉱山は2017年にスタートし2018年は58千tを生産、2019年4月湿式生産ラインが稼働100千t規模になった。

2.6.China Molybdenum社とのJVによる生産

China Molybdenum社(CMOC:洛阳栾川钼业集团股份有限公司)は、中国国内ではSandaozhuang(三道桩)鉱山を所有・運営し、世界のモリブデン最大の確定埋蔵量と世界第2位のタングステン埋蔵量を誇る。

CMOCは香港証券取引所(HK:3993)と上海証券取引所(SH:603993)に上場しており、CMOCの完全所有子会社であるCMOCインターナショナルはDRコンゴTenke Fungurume鉱山(TFM、銅)の他ブラジルNioBras鉱山(ニオブ)、ブラジルCopeBras鉱山(リン酸塩)、豪Northparkes鉱山(銅)を操業している。そのうち、TFMでは資源量として銅24.33百万t、コバルト2.39百万tが算定されている。

同鉱山に関して、2016年にCMOCは56%の権益をFreeport-McMoRan社から取得したほか、2019年1月にはBHR Newwood DRコンゴ社を1.14bUS$で買収して同社が持つ24%の権益を間接的に取得するに至り、現在の保有権益は80%となる。

コバルト精鉱は、フィンランドのKokkola精錬所で精錬されている。

Lundi mining社によると、2016年及び2017年の生産量は、それぞれ銅215.9千t及び213.8千t、コバルト16.1千t及び16.4千t(いずれも金属量換算)である。なお、2018年の生産量はCMOC権益分が銅168千tである。

2.7.Groupe Forrest InternationalとのJVによる生産

Groupe Forrest International(GFI)とは、Lubumbashi Slag Hill(別名Big Hill)でJVを実施している。

Big Hillには、1924年から1992年までにGecaminesの生産活動によって堆積された尾鉱(Lubumbashi tailing)があり、Société pour le Traitement du Terril de Lubumbashi(STL)がこれを処理している。

1997年に設立されたGTL社(OM Group(55%)、Gecamines(20%)、GFI(25%))に関して、OM Group分をGFIが2013年に獲得し、GTL社はGFI(70%)とGecamines(30%)のJV事業として運営されることになった。この時、これまでGTL社が得ていた年間5千tのコバルトを生産する権利も更新された。STLはGTL社が77%、Gecaminesが23%を所有し、乾式製錬でスラグの処理を行っている。

なお、GFIは、製錬所を運営しその製品を販売するため2つの新しい子会社、Atelier mecanique et fonderie(AMF)及びCongo Supply and Engineering(CSE)を設立したが、華友等の中国企業は尾鉱に対して関心を示している。

2.8.Ivanhoe Mines Ltd.

Ivanhoe Mines Ltd.は、Kipushi鉱山でGecaminesとJVを実施している。Ivanhoe社の権益は68%で、残り32%はGecaminesが保有している。6

Kipushi鉱山は比較的高品位の坑内掘り亜鉛・銅鉱山で、1924年から1993年にかけて60百万tの鉱石が採掘された。その時の鉱石品位は亜鉛11%、銅7%である。1956年から1978年には12,673tの鉛、278tのゲルマニウムが生産されたが、1993年から休山している。

Ivanhoe社が2017年に発表したFSによると、亜鉛0.48US$/lbを想定する場合、11年間で381千tの生産が可能であるとした。また、2018年6月には亜鉛の資源量が10.2百万tから11.8百万tへと増加し(増加率16%)、亜鉛品位も34.89%から35.34%に上がった。銅資源は、1.6百万tから2.3百万tへと40%増加し、銅品位は4.01%から4.03%に向上した。

2.9.Pengxin Intl Mining Co.Ltd.(鹏欣环球资源股份有限公司)7

Shituru銅鉱山はDRコンゴ南東Katanga州に位置し、Likasiから約2km、Katanga州都Lubumbashiの西125kmに位置する。Shituru Mining Corporation(SMCO)が操業しており、1992年から休山していたが2012年に再開した。同社の株主は上海の総合投資会社Shanghai Pengxin Group Company Ltd.(鹏欣环球资源股份有限公司)であり、中国の走出政策によりアフリカに進出をした。埋蔵量は金属換算で3.89百万t、銅の平均品位は4.7%である。鉱山ではSxEwで33千tの銅生産能力があり、2014年には30,506t、2015年には32,232t、2017年には34,000tの電解銅がそれぞれ生産された。

コバルトは2km離れたLikasiで精錬される。第一期には水酸化コバルト3千t(金属換算)を生産、最終的には7千tに増加、2018年第4四半期には市場にコバルト製品を出荷する計画としている。

鹏欣环球资源股份有限公司は、Shituru鉱山のほかにPE1078 銅コバルトプロジェクトで25年間の調査権を取得している。

3.DRコンゴ政府が権益参入するプロジェクト

DRコンゴの鉱業法上、探査ライセンスから採掘ライセンスに転換する際に、国へのフリーキャリー権益を譲渡することが義務付けられており(旧鉱業法(2012年)では5%以上、新鉱業法(2018年)では10%以上の権益譲渡を規定)、本規定に基づいてDRコンゴ政府が権益を有しているプロジェクトがある。Ivanhoe社のKamoa-Kakula銅プロジェクトをはじめ、表4のようなプロジェクトがあるが、いずれも外資主体の探鉱の結果、開発に結び付いている案件である。

表4.DRコンゴ政府と私企業のJVプロジェクト
Property Owner(s) JV partner Development Stage
Kamoa-Kakula Democratic Repub of the Congo Ivanhoe Mines Ltd. Zijin Mining Group
Co. Ltd.
Crystal River Global Ltd. Construction Started
Frontier Democratic Repub of the Congo Eurasian Resources Group S.à r Operating
Kamoto Democratic Repub of the Congo Katanga Mining Ltd. Operating
Kamoto SxEw Democratic Repub of the Congo Katanga Mining Ltd. Limited Production
Bisie Government of
Congo (DRC)
Alphamin Resources Corp. Industrial
Development Corp.
Operating
Kalongwe Democratic Repub of the Congo Nzuri Copper Ltd. Gicc SPRL Kalongwe Mining SA Feasibility Complete
Etoile Democratic Repub of the Congo Shalina Resources
Ltd.
Operating

出典:S&P社のデータを基にJOGMECが作成

3.1.Ivanhoe社によるKamoa-Kakula銅開発プロジェクト

Kamoa-Kakula銅開発プロジェクトは2008年にIvanhoe社によるボーリング調査で発見され、その後の権益譲渡の結果、同社39.6%、紫金集団39.6%、Crystal River Global社0.8%及びDRコンゴ政府が20%権益(2016年に5%から20%に拡大された)を有する構成となっている。2019年2月の発表では、地域南部のKakula鉱床(粗鉱生産量6百万t/年)を最初に開発すべくPFSを完成。その後に予定されるKansoko鉱床及びKamoa鉱床を合わせ、最大粗鉱生産量18百万t/年の開発計画PEA(Preliminary Economic Assessment)も発表された。この6百万tのKakula開発計画では、当初の10年間の山元キャッシュコストは0.46US$/lb、総キャッシュコストは1.11US$/lbで年間平均291千tの銅生産が想定されており、4年目までに最大360千tに達する。現在、坑内採掘に着手しており、2021年に生産が開始される予定である。同鉱山については「カレント・トピックス17-23:中国の銅資源確保とDRコンゴの鉱業について(1)8」を参照されたい。

3.2.Eurasian Resources Group社によるFrontier銅・コバルト鉱山

Frontier鉱山は、2003年頃に加First Quantum社による探鉱で発見された。その後、Eurasian Resources Group(ERG)社が95%の権益を所有し、同社のアフリカ事業における最重要案件の一つになっており、DRコンゴ政府は5%権益を所有している。ザンビアNdolaから北30kmの国境付近に位置しており、道路、鉄道、電力網の面で安定したインフラにアクセスできる。露天掘りで硫化銅精鉱が生産されており、精鉱品位は27%で年370千tの生産規模を有するが、2018年には102,058tが生産された。埋蔵量は95.2百万tで、現在第3次剥土プロジェクトを進めている。これにより4年分の鉱量が確保され、2023年に実施が予定されている予定の第4次剥土計画の基礎になる。

また、ERG社は最近、主要なコバルトと銅の尾鉱を再処理するERG所有の低コスト湿式冶金施設Metalkol SAに対し、最大10年間の電力供給を確保するための供給契約を締結した。

3.3.Katanga Mining社とのJVによる生産等

2.3.参照

3.4.Shalina Resources社によるEtoile銅・コバルト鉱山

Shalina Resources社はアラブ首長国連邦の企業で、2001年からDRコンゴの銅・コバルト資源に特化した活動を開始した。操業当時は銅500t/年、炭酸コバルト240t/年の生産規模であったが、2011年には20千tの精錬銅を生産している。DRコンゴでの操業は100%子会社のChemaf社9を介して操業している。Chemaf社は2017年にEtoile鉱床を中心に5千tのコバルトを生産、2018年には7千tに達した。Chemaf社では、Etoile鉱山以外には、Etoile Extensionプロジェクト、Usoke Plant、Etoileプラント、Mufunta鉱山、Luishaプロジェクト、Mutoshiプロジェクトを有しているほか、Trafiguraとコバルト水酸化物のマーケットに関する合意がある。

うちMutoshi鉱区では300千tのコバルト埋蔵量が確認されており、2019年からの銅20千t、水酸化コバルト3.8千tの生産に向けて、SxEwプラントが建設されている。これらはUsokoプラントで処理される。Usokoプラントは2002年にスタートし、生産能力は銅13.5千t、炭酸コバルト塩2.4千tで原料はEtoile鉱山のほか、Luisha鉱山(衛星鉱体Kanshishi鉱山:300千t、銅品位1.95%及びKansongwe鉱山:鉱量7百万t、銅品位1.43%)から供給される。今後4年間に銅50千t/年、炭酸コバルト6千t/年の規模に拡張する計画としている。

その他、探鉱案件としてMufuntaプロジェクト(鉱量2.2百万t、銅品位1.71%)で操業する。

Trafigura社は2020年12月まで、Shalina社とその子会社Chemaf社との間で水酸化コバルトの買収契約を締結しており、北京に支店を置く。10

3.5.その他

S&P社のデータには、そのほかDRコンゴ政府が権益をもつプロジェクトとしてBisie(Alphamin Resources Corp.他)、Kalongwe(Nzuri Copper Ltd.他)の記載がある。

4.民間企業単位の生産等

S&P社がまとめるDRコンゴ内での銅に関するプロジェクト活動の件数は、携わる企業名の記載がない案件を除いても50社以上が掲載されている。ここでは、その中で生産活動もしくはFS段階以上にあるプロジェクトのみを整理した。なお、整理の都合上、生産活動をしている企業が実施する探鉱段階の案件等が記述に含まれる場合もある。企業単位で取りまとめた案件リストを表5に示す。

表5.民間企業単位の生産等
Owner(s) Property JV partner Development Stage
Chemaf SPRL
(Shalina)
Mutoshi Construction Started
Chemaf SPRL
(Shalina)
Usoke Plant Operating
China Molybdenum Co. Ltd. Tenke Fungurume Gecamines SA BHR Newwood Invt Mgmt Ltd. Operating
China Railway
Engineering Corp.
Congo Mines and
Infrastructure
Construction
Sino Hydro Corp. Zhejiang Huayou
Cobalt Co. Ltd.
Congo National
Mining Co.
Operating
CN Nonferrous
Mining Corp. Ltd.
Huachin Huachin SPRL Expansion
CN Nonferrous
Mining Corp. Ltd.
Mabende China Hainan
Sino-Africa
ZCCM Investments Holdings Plc Expansion
ENRC Congo B.V. Kalukundi Gecamines SA Feasibility
Eurasian Resources Group S.à r Comide Operating
Eurasian Resources Group S.à r Dezita Reserves
Development
Eurasian Resources Group S.à r Frontier Democratic Repub of the Congo Operating
Eurasian Resources Group S.à r Luita Refinery Operating
Eurasian Resources Group S.à r Boss Gecamines SA Operating
Eurasian Resources Group S.à r Kabolela Gecamines SA Operating
Eurasian Resources Group S.à r Kambove Gecamines SA Satellite
Eurasian Resources Group S.à r Lonshi Gecamines SA Operating
Eurasian Resources Group S.à r Luita Sx-Ew Gecamines SA Operating
Eurasian Resources Group S.à r Metalkol RTR Gecamines SA IFC Industrial
Development Corp.
Construction Started
Eurasian Resources Group S.à r Mukondo Mountain Gecamines SA Prairie International Ltd. Satellite
Freeport-McMoRan
Inc.
Kisanfu Reserves
Development
Glencore Plc. Kansuki Gertler Family Trust Satellite
Katanga Mining Ltd. Katanga Gecamines SA Grassroots
Katanga Mining Ltd. KOV Gecamines SA Satellite
Katanga Mining Ltd. Tilwizembe Gecamines SA Satellite
Katanga Mining Ltd. Kamoto Democratic Repub of the Congo Operating
Katanga Mining Ltd. Kamoto Sx-Ew Democratic Repub of the Congo Limited Production
Katanga Mining Ltd. Luilu Refinery Operating
Groupe Forrest Intl S.A. Lubumbashi Slag Hill Gecamines SA Operating
Ivanhoe Mines Ltd. Kamoa-Kakula Democratic Repub of the Congo Zijin Mining Group
Co. Ltd.
Crystal River Global Ltd. Construction Started
Ivanhoe Mines Ltd. Western Foreland Target Outline
Jinchuan Grp Intl
Rsrc Co. Ltd.
Musonoi Gecamines SA Ruashi Mining SAS Construction Started
Jinchuan Grp Intl
Rsrc Co. Ltd.
Ruashi Gecamines SA Operating
Jinchuan Grp Intl
Rsrc Co. Ltd.
Lubembe Prefeas/Scoping
Jinchuan Grp Intl
Rsrc Co. Ltd.
Miniere Musoshi
Kinsenda
Sodimico Operating
Korea Resources
Investment
Musoshi Sodimico Feasibility
Managem S.A. Pumpi Wanbao Mining Ltd. Private Company Feasibility Started
Mawson West Ltd. Dikulushi Local Interest Limited Production
Mawson West Ltd. Kapulo Private Company Operating
Mawson West Ltd. Lufukwe Democratic Repub of the Congo Exploration
MMG Ltd. Kalemie Grassroots
MMG Ltd. Kinsevere Operating
Nova Mining sprl Nova Preproduction
Nzuri Copper Ltd. Kalongwe Democratic Repub of the Congo Gicc SPRL Kalongwe Mining SA Feasibility Complete
Pengxin Intl Mining
Co.Ltd.
Shituru Gecamines SA Feasibility
Private Interest Luapula Plant Winmar Resources
Ltd.
Operating
Shalina Resources
Ltd.
Etoile Democratic Repub of the Congo Operating
Shalina Resources
Ltd.
Luisha Reserves
Development
Shalina Resources
Ltd.
Mufunta Reserves
Development
Tiger Resources
Ltd.
Kipoi Gecamines SA Expansion
Tiger Resources
Ltd.
Kipoi Sx-Ew Gecamines SA Operating
Tiger Resources Ltd. Lupoto Gecamines SA Reserves
Development
Tiger Resources Ltd. Kipoi Central Sx-Ew Plant Expansion
Tiger Resources Ltd. La Patience Grassroots
Zhejiang Hailiang
Co. Ltd.
SEMHKAT Asa Resource Group Plc Reserves
Development
Zhejiang Huayou
Cobalt Co. Ltd.
Kambove Operating
Zhejiang Huayou
Cobalt Co. Ltd.
Luiswishi Operating
Zijin Mining Group
Co. Ltd.
Kolwezi Gecamines SA Operating

(S&P社を基にJOGMECが作成)

DRコンゴ内において銅を対象に活動をしている中国関連企業は、以下の通り12社がリストアップされた。なおChina Molybdenum社、Jinchuan Group社、Zijin Mining Group社、Pengxin Intl Mining社については、GecaminesとのJVの項にて前述のとおりである。

  • China Molybdenum Co. Ltd.(洛阳栾川钼业集团股份有限公司)
  • China Railway Engineering Corp.(中国铁建股份有限公司)
  • CN Nonferrous Mining Corp. Ltd.(中國有色礦業有限公司)
  • Jinchuan Grp International Resources Co. Ltd.(金川集團國際資源有限公司、金川集団)
  • Pengxin International Mining Co. Ltd.(鹏欣环球资源股份有限公司)
  • Wanbao Mining Ltd.(万宝矿产有限公司)
  • Sino Hydro Corp.(中国水利水電建設集団公司)
  • Zhejiang Huayou Cobalt Co. Ltd.(浙江華友鈷業股份有限公司)
  • Zijin Mining Group Co. Ltd.(中国紫金鉱業集団有限公司、紫金集団)
  • Huachin SPRL
  • China Hainan Sino-Africa
  • Asa Resource Group Plc(China International Mining Group Corporation(16.29%))

4.1.中国関連企業による活動

4.1.1.MMG Ltd.(Minmetals Resources社)

Kinsevere鉱山は1920年頃に発見され、2004年にAnvil Mining社がGecaminesとの契約に基づき銅・コバルト探鉱を開始、2006年後半に採掘が開始された。2011年後半にAnvil Mining社がMMG Ltd.(Minmetals Resources社)に買収され、現在に至る。

電解銅生産能力は名目上年60千tで、2018年まで4年連続で80千tを生産、2019年も80千tレベルでの生産となる見込みとされている。Kinsevere鉱山は、北西から南東に約3kmにわたって分布する3つの主な鉱体Tshifufiamashi、Tshifufia(Tshifufia North、Central及びSouthを含む)、Kinsevere Hill / Kilongo(Kinsevere Hill Extended)から構成される。当初計画ではマインライフは2024年までとされているが、更なる酸化鉱石の獲得並びに硫化鉱石の処理について検討しており、2019年12月にマインライフを10年以上伸ばす新計画が発表される予定である。その際には、コバルトに関する事項も検討される。

4.1.2.China Railway Engineering Corp.(中国铁建股份有限公司)

中国铁建股份有限公司(中鉄)は、基本的には中国国内の鉄道や高速道路のほか、インフラ建設が中心事業であるが、大規模プロジェクトの海外進出がある場合、中国企業に随伴して進出している。現在、中国国内ではLuming Molybdenum鉱山(黒竜江)に、DRコンゴではSicomines Copper-Cobalt Mine(Sino Congolaise des Mines:2007年に開発の合意に達した案件Kolwezi鉱山地域にある。中鉄33%、Sino Hydro30%、資源量6百万t)に参画している。

4.1.3.CN Nonferrous Mining Corp. Ltd.(中國有色礦業有限公司)

DRコンゴでは、Huachin(CNMC67.5%、Huachin Mabende社32.5%、銅20千t、水酸化コバルト2千t(銅換算量)のプラント)及びMabendeの2プロジェクトを稼行している。そのうち、Mabendaでの中国の活動については、環境汚染などのレポートがオランダのthe Centre for Research on Multinational Corporations(SOMO)から発表されている。11

アフリカでは子会社のNFC Africa Mining PLCが中心となって、特にザンビアにて活動が行われている(ザンビアではthe China Economic and Trade Cooperation Zoneが特設されている)。主な資産はChambishi銅鉱山(銅4,510千t、コバルト160千t)及び精錬所(精錬所は中国が海外に所有するもので最大、ザンビア内でも3位、第一開発計画では年産ブリスター銅150千t、第二開発計画では250千tと硫酸560千t)、Luanshya銅鉱山(資源量銅2,38百万t、コバルト88千t)である。このほかBaluba Center鉱山、Muliashiプロジェクト、Baluba East鉱山などを所有する。

また、同社はSino-Metals Leach Zambia Ltd.を介し、Chambishi Leachingプラント、Congoiプロジェクト、Mwambashi iプロジェクト、Kakosoプロジェクト及びMabendeプロジェクトを実施している。

4.1.4.Wanbao Mining Ltd.(万宝矿产有限公司)

中国兵器工業集団関連で、China North Industries Corporationが親会社である。ミャンマーではMonywa銅鉱山の権利を取得しているほか、DRコンゴではPumpiプロジェクトをManagem S.A.社とともに実施、埋蔵量銅1.37百万t、コバルト330千tのKamoya鉱山を保有し、2017年生産開始している。

4.1.5.Sino Hydro Corp.(中国水利水電建設集団公司)

世界中で多くのプロジェクトを展開している。アフリカではエネルギー関係だけでもカメルーン、DRコンゴ、エチオピア、ガーナ、コートジボワール、ナイジェリア、スーダン、ウガンダ、ナミビア、ジンバブエなどで事業実績がある。DRコンゴではSicominesプロジェクトに参加している。

4.1.6.Zhejiang Huayou Cobalt Co. Ltd.(浙江華友鈷業股份有限公司)

アフリカでは子会社のCongo DongFang International Mining(CDM)を介在して事業を展開している。2018年12月にDRコンゴに104.72mUS$の出資を発表しており、対象とするプロジェクトはLukuni地域にある銅コバルト鉱山で、銅30千tの生産規模で2019年9月に立ち上がる予定である。

同社は2015年にGecaminesから権利を獲得して以来、Luiswishi地域のコバルト製錬所を稼行している。またDRコンゴにKalomgwe銅・コバルトプロジェクトを保有する豪Nzuri Copper社の権益14.7%を2017年に取得している。

リチウムについては、Manonoプロジェクトを保有するAVZ Mineralsの権益9.49%を取得している。プロジェクトは資源量259百万t、品位Li2Oが1.63%。年産440千tのリチウム精鉱を20年間にわたり生産する見込み。

4.1.7.Chengtun Mining社(盛屯鉱業社)

Chengtun Mining社は、Kalongwe銅・コバルトプロジェクトを所有する豪Nzuri Copper社を買収したほか、探査プロジェクトとしては主にKalongwe採掘プロジェクト及びFTB(FOLD&THRUST BELT JV)を買収し、事業を展開している。Kalongweプロジェクトでは、埋蔵量として13.46百万t(平均品位:銅 2.7%、コバルト 0.62%、銅含有量302千t、コバルト含有量42.7千t)が算定されている。

4.1.8.Huachin SPRL

CN Nonferrous Mining Corp. Ltdの現地子会社でHuachinプロジェクトを推進している。

4.1.9.China Hainan Sino-Africa

CN Nonferrous Mining Corp. Ltd.の現地子会社でMabendeプロジェクトを推進している。

4.1.10.Asa Resource Group Plc.

China International Mining Group Corporationが16.29%を所有する。Zhejiang Hailiang Co. Ltd.(浙江海亮株式有限公司)とともにSEMHKATプロジェクトを進めている(初期段階の探査)。

4.2.一義的には中国と直接投資関係がない企業

4.2.1.Chemaf社(Shalina社)

Chemaf社は、DubaiベースのShalina Groupの子会社である。2001年にDRコンゴで生産を行うためにEtoile鉱山とその拡張事業、Mufunta鉱山、Luisha鉱山(Kanshishi及びKansongwe)に権益を持った。現在、生産がある事業ではEtoile鉱山(23.8千t/年)、Usoke鉱山(33.9千t/年)、Mutoshi鉱山(36千t/年)があり、2017年の権益分相当の生産量は銅27.9千t、水酸化コバルト5,160tであった。

4.2.2.Glencore

Glencoreは、2017年2月に残りの31%を獲得することでMutanda Mining社を100%所有することになった。Mutanda鉱山は露天掘り鉱山でSxEwの設備を有するが、酸化鉱の採掘を中止する計画を検討している。また2019年2月には、DRコンゴでの銅・コバルト生産削減に伴って約2,000人の従業員(大部分は請負業者)を解雇することを計画した。また、2019年2月には硫酸輸送に関連した事故で20人が死亡している。12

2018年には、銅約200千t、コバルト27千t(世界のコバルト供給量の5分の1)が生産されていたが、2019年8月には最近のコバルト価格の下落等を受け、メンテナンスのために操業を休止する旨を発表した。2017年の生産量は銅192千t、コバルト24千tであったが、2019年には銅100千t、コバルト25千tの生産が計画されている。13

なお、以前発表においては、2019年の生産量として銅285千t及びコバルト26千tが計画されていたが、これを下回ると予想となっている。

4.2.3.Managem S.A.社

Managem社はモロッコに本拠を置く資源企業で同国の複合企業ONAグループの傘下の1社である。主力はコバルトであり、モロッコをはじめとしDRコンゴやガボンなどのアフリカ諸国で事業展開している。ガボンでは、2005年に加SearchGold社のガボン子会社の株式を取得することで、ガボン南東部の金プロジェクトに参入している。DRコンゴでは、2006年にDRコンゴ企業Congo Star Mining Resources(Costamin)とパートナーシップを締結してLAMIKAL(La Minière de Kalukundi)を設立し、75%の権益を所有し探鉱に携わっている。

また、西アフリカで金探査を行うカナダの資源企業Semafo社の株式を約10%所有している14。その他、DRコンゴではPumpiプロジェクトを中国Wanbao Mining Ltd.と実施している。

4.2.4.Mawson West社

Mawson West社は豪州企業で、DRコンゴに焦点を当てた活動をしている。Dikulushi鉱業区の90%を所有し、Dikulushiで1事業を、Kapuloで探鉱案件を実施している。

4.2.5.Nova Mining社

Nova Mining社はNew World Alloys Ltd.の子会社で、Lubumbashiにおける2基の製錬炉(キューポラ炉と記載されるが不明)において、およそ1千tの銅を生産している。豪New World Alloys(NWA)社は、2003年9月にLubumbashi粗銅製錬プラントを建設する計画を発表し、地元企業のTSM Enterprise社とJV Nova Mining社を設立した。2003年11月までに粗銅年産10千t規模のキューポラ炉を600kA$にて設置、2004年7月までにKolwezi鉱山にも酸化銅鉱石を処理して粗銅を年10千t生産する規模のキューポラ炉を設置する計画であった。

4.2.6.豪Cape Lambert社

豪Cape Lambert社は、Kipushi銅・コバルト鉱山尾鉱プロジェクトへの資金を拠出している。

4.2.7.Winmar Resources社

豪Winmar Resources社はLuapulaコバルト処理プラントの権益50%を獲得し、African Holding Investment Company(AHIC)社とJVを展開している。同プラントには8,000mUS$が投入され、2014年より操業が行われており、品位30~40%の水酸化コバルト及び品位15~20%の水酸化銅を含む高品位精鉱を年間124千t生産する能力を持つ。Winmar社がJVの運営・管理を担うと同時に、コバルト及び銅精鉱の全販売権及びマーケティング権を持つ。

まとめ

DRコンゴとザンビアと合わせた銅生産はアフリカの9割、世界生産の1割を占める重要な役割を果たしている。

DRコンゴで活動するプロジェクトは50以上あり、生産に関与する企業数も20以上に及ぶ。最大の銅生産者はTenke Fungurume鉱山で、2017年には213千tの銅を生産した。これに次ぐのはMutanda鉱山(192千t)とKatanga鉱山(152千t:Kamoto+KOV)で、さらにERG社はFrontia鉱山(100千t)、Metakol鉱山(77千t)、Boss鉱山(50千t)を生産している。このほかKinsevere鉱山(80千t)、Kolwezi鉱山(58千t)、Kinsenda鉱山(24千t)にて生産が行われており、この上位の生産プロジェクトで900千tを超える。中国関連企業で同国内において銅を対象に活動をしている企業は上記China Molybdenum社、MMG社のKinsevere鉱山、紫金集団のKolwezi鉱山、金川集団のKinsenda鉱山他12社が確認された。

現在ザンビアでは主に硫化鉱を対象に採掘し乾式製錬をしているが(2018年990千tのうちSxEwは220千t)、DRコンゴでは酸化鉱の採掘が多くSxEwによる銅生産が主流である(2018年鉱山生産1220千tのうち820千tがSxEw)。DRコンゴでは、当面は新規酸化鉱の生産もあるが、Kakula-Kamotoのように当初から硫化鉱を対象とした開発プロジェクトもある。また同国の硫化鉱は、ERG社のBOSS鉱山とFrontier鉱山で生産された鉱石がザンビアのChambishi鉱山に輸送・製錬される例のように、乾式製錬は国外で実施している。

DRコンゴでさらに多くの硫化鉱が生産されるようになれば、同国内での製錬が求められる。しかし、国内には中国新規製錬所Lualaba(年間400千t以上精鉱を処理、120千tのブリスター銅生産)が2019年10月にオープンの予定であるものの、この製錬所以外に大量の精鉱の処理を可能とする施設の建設計画はない。今後、増加すると考えられる硫化鉱をどのように処理するのか、特に中国資本の製錬企業の動向と合わせ注目する必要がある。


  1. http://www.amegroup.com/Website/FeatureArticleDetail.aspx?faId=412
  2. http://www.scielo.org.za/scielo.php?script=sci_arttext&pid=S2225-62532016000600011参照
  3. https://www.researchgate.net/figure/Basic-geologic-map-of-the-Central-African-Copperbelt-showing-the-distribution-of-various_fig1_328272383
  4. https://www.gecamines.cd/prospection.html/
  5. https://www.ergafrica.com/cobalt-copper-division/
  6. https://www.ivanhoemines.com/projects/kipushi-project/参照
  7. http://www.pengxinzy.com.cn/business/main/view.htmls?id=5参照
  8. https://www.ivanhoemines.com/projects/kamoa-kakula-project/
  9. https://www.chemaf.com/operations
  10. http://www.shalinaresources.com/operations.html参照
  11. https://docs.wixstatic.com/ugd/81d92e_c1cc8faa519a4a2f827e083534249e07.pdf参照
  12. https://www.mining-technology.com/mining-safety/truck-spill-glencores-mutanda-mine
  13. https://www.mining-technology.com/mining-safety/truck-spill-glencores-mutanda-mine
  14. http://www.managemgroup.com/

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。なお、本資料の図表類等を引用等する場合には、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構資料からの引用である旨を明示してくださいますようお願い申し上げます。

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