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ペルー共和国ペルー共和国(Republic of Peru)

面積(k㎡):
1,285,216
海岸線延長(km):
2,414
人口(百万人):
31. 9
人口密度(人/k㎡):
24. 8
GDP(bUS$):
214.2
一人当たりGDP(US$):
6,711.58
主要鉱産物:鉱石:
銅、亜鉛、鉛、金、銀、錫、モリブデン、鉄
主要鉱産物:地金:
銅、鉛、亜鉛、錫
鉱業管轄官庁:
エネルギー鉱山省
(Ministerio de Energía y Minas:MINEM)
鉱業関連政府機関:
鉱山地質冶金研究所
(Instituto Geológico Minero y Metalúrgico:INGEMMET)
鉱業法:
鉱業一般法
(1992年)
ロイヤルティ:
最高政令NO.180-2011-EF
(ロイヤルティ法(2004年法律NO.28258)の施行細則を改正する最高政令))
外資法:
民間投資法
環境規制法 (環境影響調査制度、環境・排出基準の有無等):
環境一般法(法律第28611号、2005年)、国家環境管理システムのフレームワークについての法律(法律第28245号、2004年)、環境影響評価の国家システム(SEIA)についての法律(法律第27446号、2001年)等
鉱業公社(環境):
Activos Mineros S.A.C.(AMSAC)
鉱業活動中の民間企業:
BHP、Glencore、Freeport McMoRan、Anglo American、Nexa、Buenaventura等
最終更新日:
2020年02月28日

1.鉱業一般概況

(1)主要生産物

ペルーは、我が国の非鉄金属資源確保上、豪州やチリと並ぶ最重要国の一つであり、同国の総輸出額の約60%(2018年)を銅精鉱等の鉱産物が占める鉱業国である。

表1.ペルーの主要鉱物資源の埋蔵量
鉱 種 2017年 2018年 2019年 対前年増減比(%) 世界シェア(%) ランク
銀(t) 93,000.0 110,000.0 120,000.0 9.1 21.4 1
銅(千t) 81,000.0 83,000.0 87,000.0 4.8 10.0 2
モリブデン 2,200.0 2,400.0 2,900.0 20.8 16.1 2
セレン(t) 13,000.0 13,000.0 13,000.0 0.0 13.1 3
鉛(千t) 6,000.0 6,000.0 6,300.0 5.0 7.0 4
亜鉛(千t) 28,000.0 21,000.0 19,000.0 – 9.5 7.6 5
レニウム(t) 45.0 45.0 45.0 0.0 1.9 6
金(t) 2,300.0 2,600.0 2,100.0 – 19.2 4.2 7
錫(千t) 105.0 110.0 110.0 0.0 2.3 9

出典:Mineral Commodity Summaries 2020

表2.ペルーの主要金属鉱石生産量
鉱 種 2017年 2018年 2019年 対前年増減比(%) 世界シェア(%) ランク
銅(千t) 2,445.6 2,437.0 2,455.4 0.8 11.9 2
亜鉛(千t) 1,473.0 1,474.7 1,385.2 – 6.1 10.6 2
銀(t) 4,303.5 4,161.3 3,845.0 – 7.6 15.0 2
鉛(千t) 306.8 289.2 307.2 6.2 6.2 3
錫(千t) 17.8 18.6 19.7 5.8 5.5 4
モリブデン(千t) 28.1 28.0 30.4 8.6 11.0 4
水銀(千t) 40.0 40.0 40.0 0.0 1.0 4
金(t) 151.1 142.6 128.4 – 10.0 4.0 7
鉄(千t) 8,603.3 9,533.9 10,120.0 6.1 0.3 15

出典:World Metal Statistics Yearbook 2020,Mineral Commodity Summaries 2020

(2)鉱山開発・探鉱活動

ペルーの鉱業投資額は、2017年第2四半期に、2014年から12四半期ぶりとなる対前年同期比増となって以降回復傾向にあり、2019年は6,157mUS$と前年比24.5%増となった。この内訳としては、プラント設備費が1,513mUS$で全体の24.6%を占めたほか、採掘機器が前年比57.7%増の1,035mUS$、インフラ整備が1,316mUS$となり、既存開中発案件の進展を反映したものとなった一方、探鉱費用は前年比13.6%減の357mUS$となり減少傾向が続いた。

2019年9月時点の鉱山拡張、鉱山開発、探鉱などの主要プロジェクトは48件あるとされ、これらの実施期間中の総投資予定額は合計で57,772mUS$に上る。

これらプロジェクトのうち、25件は銅を主対象とするプロジェクトで投資予定額は40,988mUS$(総投資予定額の70.9%)で、次いで金が7件で投資予定額は6,342mUS$(同11.0%)である。これを親会社の国別資本で見ると、第1位は英国(12,066mUS$、20.9%)、第2位は中国(10,155mUS$、17.6%)、第3位はカナダ(8,498mUS$、14,7%)となっている。

2.鉱業政策

前クチンスキー政権は、鉱業の推進を目的として「新たな探鉱促進」、「プロジェクトの実現推進」、「操業の継続保証」、「インフォーマル鉱業合法化」の4つの目標を掲げるとともに、この十数年で複雑化した現行の鉱業関連法規を見直す方針を示してきた。その一環として、2017年12月には、低環境負荷プロジェクトを対象とした新たなカテゴリー「環境調査票」(FTA:Ficha Tecnica Ambiental)の設定を含む、探鉱に関する環境保護規則を公布した。

2018年3月に発足したビスカラ政権は、鉱業投資の促進が貧困対策と環境保全の唯一の方法であるとの見解のもと、エネルギー鉱山省、環境省、農業省が恒常的に連携を図りつつ、停滞している鉱業プロジェクトの推進に重点をおくとの考えを示した。これに沿う形で、プロジェクト停滞の最大の要因である住民争議を念頭においた、「鉱業・エネルギーグッドプラクティスセンターの設置」や「Canon税法の一部改正」、「鉱業・エネルギー管理情報委員会の設置」に加えて、休廃止鉱山鉱害(PAM)対策への425mPEN(ヌエボ・ソル:約126.4百万US$)投資、さらには税安定化契約の改善を主目的とした鉱業一般法の改正法案の提出など、矢継ぎ早に対策を打ち出している。

表3.鉱業政策の主な動き
日 付 内 容
1997年 環境適正化計画(PAMA)
2002年 時限法により、鉱業等の探鉱活動に対する一般売上税(IGV)、自治体促進税の還付制度開始
2003年10月 閉山法成立(2005年8月施行細則公布)
2004年6月 鉱業ロイヤルティ法成立(2004年11月施行細則公布)
2005年2月 鉱業ロイヤルティ法に基づくロイヤルティの徴収開始
2006年1月 MINEM内に、鉱山会社と地域社会間の紛争対応に当たる社会管理総局を新設
2007年1月 鉱害・保安監督業務をMINEMからエネルギー鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)に移管
2007年7月 MINEM内に、鉱害対策を管轄する鉱業技術部を新設
2008年4月 探鉱許可に伴う環境規則改正
2008年11月 Canon税改正法成立
2010年7月 鉱業活動に関する環境監査業務及び環境規則違反への罰則適用等の権限がOSINERGMINから環境省環境評価監査局(OEFA)へ移管
2011年3月 零細鉱業合法化法公布
2011年8月 先住民事前協議法成立(2012年4月施行細則公布)
2011年9月 鉱業における超過利益課税に係る3法案(鉱業ロイヤルティ改正、鉱業特別税(IEM)新設、鉱業特別賦課金(GEM)新設)成立
2012年3月 大統領令(006-2012-EM)にて違法鉱業とインフォーマル鉱業を定義
2012年12月 持続可能環境投資許可庁(SENACE)設立法成立、独立機関による環境影響評価(EIA)の審査開始
2013年8月 インフォーマル鉱業従事者の合法化申請期限を2014年4月までと設定
2014年4月 インフォーマル鉱業を違法鉱業と同等の取扱とし、取締対象へ
2014年11月 鉱物採掘、選鉱、一般作業、輸送、貯蔵における環境保護に係る細則規定公布
2015年1月 最高政令(DS001-2015-EM)にて鉱業プロジェクト実施に必要な手続きを軽減・簡素化
2015年4月 SENACE、EIAD(環境影響詳細評価)審査の単一窓口としての業務開始
2015年10月 水俣条約を承認(2015年11月に批准、2016年1月批准書を国連本部に寄託)
2016年5月 水銀汚染でMadre de Dios州内計11区に環境緊急事態宣言を発令
2016年12月 インフォーマル・小規模・零細鉱業合法化、合法化プロセス再編の行政立法(1293号)成立
2017年1月 事前社会投資基金(FAS)設立
2017年12月 探鉱活動における環境保護規則公布
2018年8月 鉱業・エネルギーグッドプラクティス集約センター設立(2020年9月多セクター作業グループ設置)
2018年9月 Canon税改正法公布
2019年9月 持続鉱業開発委員会設立
2019年9月 MINEMにデジタル単一窓口(VUD)設置
2019年12月 鉱業セクターにおける先住民事前協議の実施時期を変更
2020年3月 鉱物採掘・処理・一般作業・輸送・貯蔵における環境保護・管理規則改正
2020年7月 鉱業探鉱活動における環境保護規則改正
2020年8月 新たな鉱業手続規則公布
2020年9月 セクター間管理委員会をMoquegua 州、Loreto 州、Cajamarca 州、Piura 州に設置
2020年9月 鉱業エネルギー管理委員会をMoquegua州に設置
(1)鉱業関連規則
1)探鉱に関する環境保護規則

政府は2017年12月22日、新たな探鉱促進を目的として大統領令042-2017-EMにて「鉱業探鉱活動における環境保護規則(Reglamento de Protección Ambiental para las Actividades de Exploración Minera)」を公布した。従前の環境影響申告書(DIA)、環境影響概要調査(EIAsd)といったカテゴリーの適用要件が緩和されたほか、低環境負荷プロジェクトに対するカテゴリーとして「環境調査票(FTA:Ficha Tecnica Ambiental)」が新たに設置された。全般的には要件の緩和が前面に出た改正となっているものの、審査プロセスにおける自動承認制度が廃止されるなど、環境省の所管する環境影響評価システム法との連携が強化されており、今後の方向性に注意を要する内容を含むものとなっている。

政府は2020年7月30日、大統領令DS019-2020-EMにて「鉱業探鉱活動における環境保護規則」を改正した。主な改正点は、トレンチ探鉱が地質調査のカテゴリーに入り環境影響調査(DIAやEIASD)が不要になった(10条)ほか、環境調査票(FTA)に関しては行政沈黙承認(行政手続きにおいて法令の定める期間内に当局が返答しない場合、同手続きが承認されたとみなす制度)が適用されるようになった(40条)。また探鉱プロジェクトにおいて、環境影響調査の変更やITS提出を経ず、エネルギー鉱山省への事前連絡(Comunicación Previa)のみで行える変更の種類が、現行規則から大きく増加した(56条)。さらに、探鉱活動の閉鎖報告書提出後に環境評価・監査庁(OEFA)によって行われる査察について、これまで実施期限が定められていなかったが、本改正により、環境負荷の大きなプロジェクトについては報告書提出後60営業日以内、それ以外のプロジェクトについては翌年度に実施されることが規定された(68条)。

2)鉱物採掘・処理・一般作業・輸送・貯蔵活動における環境保護・管理規則

政府は2020年3月3日、大統領令DS005-2020EMにより鉱物採掘・処理・一般作業・輸送・貯蔵における環境保護・管理規則(Reglamento de Protección y Gestión Ambiental para las Actividades de Explotación, Beneficio, Labor General, Transporte y Almacenamiento)を改正した。主な改正点は、環境負荷の低い変更を行う場合、これまで最大3回までとされていた技術根拠報告書(ITS)の提出回数の上限が、事実上撤廃された。

3)新鉱業手続規則の公布

政府は2020年8月8日、大統領令DS020-2020-EMにより新たな鉱業手続規則(Reglamento de Procedimientos Mineros)を公布した。同規則は、1992年公布の旧規則(大統領令DS018-92-EM)に替わるもので、鉱業活動全般に係る行政手続に係る規則を定める。新規則による主な変更点は、UEA(Unidad Economica Administrativa)と呼ばれる鉱区群の設定や、UEAへの鉱区追加・除外、鉱区放棄、対象鉱物の変更、鉱区の集合や分割などの手続きにおいて、行政沈黙承認制度が適用されるようになったほか、鉱物処理権(Concesion de Beneficio)に関する様々な変更について現行よりも簡便な手続きでほぼ自動承認が適用されるなど、全般的に手続き軽減が図られたとしている。

4)Canon税法の一部改正

所得税の50%を、地域振興に資するべく鉱山が存在している地方に還元するために設立されたCanon税(鉱業地域還元税)について、2018年9月20日、Canon税改正法(法律30848)の一部を改正する法律が公布、施行された。これにより州政府をはじめとする地方自治体は、中央政府から配分されるCanon税(鉱山企業が納付する所得税の50%)を、住宅建設・上下水道省やMivivienda基金との協定に基づく公共住宅プロジェクト等の融資に活用することが可能となった。

5)先住民事前協議の実施時期にかかる規則変更

エネルギー鉱山省(MINEM)は2019年12月18日、省決議RM403-2019-MINEM/DMを公布し、鉱業セクターにおける先住民事前協議の実施時期を変更した。

先住民事前協議は、これまでは環境影響調査書(DIAやEIASD)の審査・承認後に手続きが開始されていたが、今回の規則改正により、今後は環境影響調査書がMINEMによって受理された時点から活動開始許可付与までの間に実施されることが規定された。即ち、制度上では先住民事前協議を環境影響調査書の審査と並行して行うことが可能となることから、鉱業権者にとって許認可手続きの期間短縮となることが期待される。

6)Canon 税法の一部改正

2018年9月20日、Canon税改正法(法律30848)の一部を改正する法律が公布、施行された。同改正法はCanon税法(法律27506)6条2項を改正するもので、これにより州政府をはじめとする地方自治体は、中央政府から配分されるCanon税(鉱山企業が納付する所得税の50%)を、住宅建設・上下水道省や Mivivienda基金との協定に基づく公共住宅プロジェクト等の融資に活用することが可能となった。また、これまで州政府に割り当てられるCanon税のうち20%が科学研究や同研究に必要となるインフラ整備を実施する州内の国立大学に配分されると規定されていたのに加え、新たに10%を専門学校に充当することが定められた。

7)探鉱活動に対する⼀般売上税(IGV)還付制度の延長

政府は 2019 年 12 月 5 日、鉱業や炭化水素セクターの探鉱活動に対する一般売上税(IGV)や自治体促進税の還付制度(法律 27623 と法律 27624)を 2022 年 12 月 31 日まで延長することを目的として、(国会解散中のため)緊急政令 021-2019 を公布した。なお、本還付制度は 2002 年に公布された時限法により開始され、これまで数度にわたり期限の延長が行われてきており、2018 年末には制度廃止の動きがあったが、最終的に国会により 2019 年末まで期限が延長されていた。

(2)鉱業・エネルギーグッドプラクティスセンター

政府は2018年8月1日、最高政令020-2018-EMを通じて、鉱業・エネルギーグッドプラクティス集約センターの設立を決定。エネルギー鉱山省、米州開発銀行(IDB)及びGERENS大学院により推進され、鉱業・エネルギーセクターにおけるグッドプラクティスの共有を推進すると共に、持続的な資源開発による国家発展に向けた産官学民による合意を目的とした対話や専門的ディスカッションが行われる計画となった。

エネルギー鉱山省(MINEM)は2020年9月9日、省決議RM273-2020-MINEM/DMを公布し、鉱業エネルギーグッドプラクティス集約センター(RIMAY)枠内における多セクター作業グループを設置した。RIMAYは、2019年初頭に「2030年鉱業ビジョン」を発表した。本多セクター作業グループは、MINEMを筆頭に、首相府、生産省、環境省、経済財務省、文化省、農業灌漑省の高官代表者によって構成され、2年間有効の時限的組織として、MINEMその他関連機関に対する政策提言、鉱業開発を目的とする産官学民の合同アクション調整、長期的鉱業戦略に係る中立的、独立的な多数参加型対話スペースの提供、鉱業グッドプラクティスの特定や普及などを行うことが計画されている。

(3)社会対策関係
1)鉱業・エネルギー管理情報委員会

ビスカラ政権の掲げる「効果的な地方分権化の達成による、国家政策の普及や全国における持続的開発戦略の促進」の目標に基づき、エネルギー鉱山省(MINEM)は2020年9月24日、省決議288-2020-MINEM/DMを公布し、Moquegua州に最初の鉱業エネルギー管理委員会(Comité de Gestión Minero Energético)を設置、Arequipa州にも同年11月に設置した。同委員会は、企業と国民間の対話や調整の場として、予防的な観点から社会争議に早期対処し、調和的な共存や社会和平を推進することを目的とし、MINEM代表者2名とMoquegua州政府エネルギー鉱山局局長1名によって構成される。これにより、住民が委員会に対して鉱業・エネルギープロジェクトにおける社会・環境関連の疑問や質問を問い合わせ、解消することができるようになるほか、地方では住民や自治体が抱える懸念に対して適切な情報を提供しきれていないことから、同委員会は各地に存在する社会争議の解決に貢献することが期待されている。

2)セクター間管理委員会の設置

エネルギー鉱山省(MINEM)は、2020年9月より、Moquegua州、Loreto州、Cajamarca州、Piura州にセクター間管理委員会(Comité de Gestión Intersectorial)を設置すると発表した。民間セクターが州政府や地方自治体との合意に基づき農村電力化や上下水道、道路整備プロジェクトの実現を支援している現状を踏まえ、同委員会は、格差解消を目指す投資や開発イニシアチブを推進する国家、公的機関、国民、民間セクター間の取り組みへの寄与、調整を通じ、資源採掘プロジェクトや、プロジェクトによる地域開発への貢献に対する信頼の確立を目指すことを目的とする。

3)社会争議防止対策委員会の設置

エネルギー鉱山省(MINEM)は、予防的な観点から社会争議に取り組み、鉱業・エネルギーセクターの操業エリア近傍のコミュニティの要望や懸念などに対応するための一環として、社会争議防止対策委員会を設置すると発表した。

同委員会は、鉱業や炭化水素産業の活動地域における対話・調整強化を目的としており、併せて同省内の総合社会対策室(OGGS)を強化するとした。

4)持続鉱業開発委員会の発足

政府は2019年9月24日、大統領決議145-2019-PCMにより、「持続的な鉱業開発を目的とした政策・規則の提案」を目的として「持続鉱業開発委員会」を設立した。本委員会は、エネルギー鉱山省鉱山副大臣室を事務局として2019年10月15日に発足後、120 日間かけて鉱業一般法の改正に向けた取り組みを行い、メンバーは元鉱山大臣などを含めた8名によって構成される(2019年10月12日付大統領決議190-2019-PCMによりメンバーを一部変更)。

5)デジタル単一窓口(VUD)の設置

政府は2019年9月19日、エネルギー鉱山省(MINEM)におけるデジタル単一窓口(Ventanilla Única Digital、VUD)の設置を定めた大統領令DS016-2019-EMを公布した。VUDは、MINEMと地質鉱業冶金研究所(INGEMMET)、持続可能環境投資許可庁(SENACE)、国家財監督庁(SNB)、文化省(MINCUL)、国家登記庁(SUNARP)の5機関をつなぎ、第1段階において、MINEMが実施する6つの手続き(①探鉱活動許可、②採掘活動許可、③鉱物処理権付与、④鉱物処理権変更、⑤大・中規模鉱山閉山計画評価、⑥廃滓再利用)への対応が計画されている。本大統領令は、エネルギー鉱山大臣のほか、環境大臣、文化大臣、法務・人権大臣、住宅・建設・上下水道大臣らによって署名されており、今後、MINEM を筆頭に関係省庁が設置に必要な取り組みに参加すること、MINEMの予算で設置されMINEMにより管理されることなどが定められており、VUDの導入により必要な許認可の取得に要する期間が50%短縮されるとの見通しが示されている。

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