ニュース・フラッシュ
2004年2月2日
バンクーバー
戸村昌幸
カナダ・Falconbridge社労組はスト突入
Falconbridge社(本社:トロント)のオンタリオ州サドベリー鉱山は、1月31日土曜日深夜、会社側と組合の交渉が決裂したため、事実上のストライキに突入した。
ニッケル生産高が世界の4.6%を占め、世界で第3の規模を誇る同鉱山の週末の業務停止で、2003年から倍以上に価格を上げているニッケル価格がさらに上昇する気配を見せている。業務停止の予想からロンドン金属取引所では、金曜日に4.8%上昇し、6.94USドルになった。世界第2のニッケル生産量を持つインコ社の昨夏3か月間に及ぶストライキ時にあった価格への影響からも見られるように、ニッケルの価格は更に急激に上昇するだろうとトロントのアナリストは述べている。
同社は2000年のストライキ後、通常の営業に戻すまでに数週間を費やした経験があるため、今回はいつでも生産を安全かつ正常に動かせるよう準備しつつ、サドベリー製錬所においては、少量生産(約15%から20%程度)しながら待機するよう、緊急対策プランを練っている。
この2か月間会社側と組合は、厳しい話し合いをしてきたが、組合に属さない契約従業員を入れるという同社の希望は組合員の生活を脅かすものとして、組合側は労働契約に合意せず、土曜日の深夜職場を立ち去った。組合は会社側からの見直し案を受け入れず、今後の話し合いも未定である。
2004年と2005年のニッケルは約3万t不足すると言われ、ステンレススチール生産に大きな問題を与えているが、サドベリー鉱山、製錬所の営業停止で、ニッケルの蓄えは月4,000tづつ減少していくだろうと言われている。(2004年2月2日付ファイナンシャル・ポスト)
