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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2004年3月8日 ロンドン 嘉村 潤

国際銅研究会の月報(2004年3月)について

 国際銅研究会(ICSG)は、世界の銅需給の2003年12月と2003年の年間データの速報を発表した(統計データはwww.icsg.org/News/Press_Release/presrels_2004_03.pdfを参照されたい)。
 ICSG速報データによれば、2003年の銅地金需給は、31.2万tの生産不足と評価される(2002年は19.7万tの生産過剰)。また、2003年の報告値の集計による在庫量は、26.9万tに縮小した。この在庫変化については、コデルコによる在庫積み増し(2003年20万t)をおりこんだもの。
 2003年の世界の銅地金消費は、2002年と比較して2.3%上昇した。アジアは、中国の銅消費増加により、需要は大幅に拡大。12月における中国の需要は、2003年の月平均を18%、2002年12月を25%上回る30万tに達した。米国と欧州の地金消費は、それぞれ2002年を下回る0.5%増、0.2%増。欧州の消費は、20%増という比較的強いロシアの需要増に支えられた。EUの消費は軟調で終えたように見えるが、1年前と比べて6%低い12月の消費は、主にクリスマス休暇期間が長かった結果と考えられている。対照的に、米国の2003年12月の地金消費は、2002年12月より20%近く増加。
 供給面では、2003年の銅地金生産は、2002年に比べて1%減少した。スクラップからの2次地金生産が9.9%減少する一方、一次地金生産は0.2%増に止まった。2003年の鉱石生産は、2002年に比べて0.5%上昇した。昨年の鉱石生産と一次地金生産は、一年を通じほぼバランスしていたが、11~12月の鉱石生産は、チリの鉱石生産が急上昇にもかかわらず一時地金生産を下回った。これは、生じている。
 2004年2月末の銅在庫は、主要金属取引所(LME、COMEX、SHFE)合計で631,014tであり、1月末から79,908tも減少。2004年2月のLME cash priceの平均は、t当たり2,759.5USドルで、1月の2,423.6USドルと比較して急騰した。

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