ニュース・フラッシュ
2004年3月9日
ロンドン
霜鳥 洋
Boliden社の鉱山部門、2003年は生産増
Boliden社(スウェーデン)の発表によれば、2003年の同社の総売上高は9,545百万クローネ(前年比0.1%減)、操業利益は19百万クローネの損失、税引前利益は251百万クローネの損失、純利益は13百万クローネ(90%減)であった。
うち鉱山部門の売上高は2,791百万クローネ(23%増)、操業利益は369百万クローネ(94%増)であった。金属生産量(精鉱中金属量)は銅93,706t(19%増)、亜鉛178,644t(18%増)、鉛18,658t(2%増)、金5,124kg(1%増)、銀272,085kg(3%増)であった。現地通貨の対ドル為替レートが高くなったものの、金属価格の上昇と生産増、製精錬費の低下、生産性の向上が増収増益に寄与した。生産増は、Boliden地区のStorliden鉱山の増産と、カナダのMyra Falls鉱山の生産再開が寄与した。Garpenberg地区で発見されたLappberget鉱床の探鉱は順調に進み、亜鉛、銀そして特に鉛が高品位であることが判明し、2004年中の生産開始が可能になった。鉱山別内訳は下表のとおりである。
鉱山 | 生産量 |
Boliden地区 (スウェーデン) |
銅23,801t(+68%)、亜鉛76,910t(+22%)、鉛2,656t(-17%)、金2,677kg(+2%)、銀71,207kg(-2%) |
Garpenberg地区 (スウェーデン) |
銅531t(-21%)、亜鉛44,314t(+19%)、鉛16,002t(+7%)、金216kg(-24%)、銀123,278kg(-1%) |
Aitik地区 (スウェーデン) |
銅58,687t(+2%)、金1,383kg(-10%)、銀55,176kg(+16%) |
Myra Falls鉱山 (カナダ) |
銅10,687t(+58%)、亜鉛57,420t(+14%)、金848kg(+37%)、銀22,424kg(+20%) |
製錬部門の売上高は5,905百万クローネ(10%減)、操業利益は225百万クローネ(-9%減)であった。金属生産量は銅214,181t(5%減)、亜鉛33,549t(3%減)、鉛24,208t(36%増)、金12,275kg(21%減)、銀456,565kg(12%増)であった。生産減は、年当初の銅精鉱不足、Ronnskar製錬所の補修停止のためである。金属価格の上昇があったものの、生産減、製精錬費の低下、ドルの下落により減収減益となった。
鉱山部門と製錬部門は黒字であったが、銅加工品部門と技術部門が赤字であったため、グループ全体では操業利益が赤字となった。同社はOutokumpu社(フィンランド)の鉱山・製錬部門の買収と、Outokumpu社への銅加工品・技術部門の売却を2003年末に完了させている。それにより同社は世界第4位の亜鉛製錬会社になるという。
