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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2004年3月10日 ロンドン 霜鳥 洋

マリ共和国のLoulo金鉱床の開発を開始:Randgold社

 Randgold Resources社(英領Channel諸島)は、マリ共和国西部にあるLoulo金鉱床開発の開始を決定したと同社ホームページで発表した。
 Randgold社はマリ共和国でMorila金鉱山を経営している。2003年の金生産量は793,992オンス(24.7t)、キャッシュ操業コストは80USドル/オンス、全キャッシュコストは104USドル/オンスであった。Morila鉱山はRandgold社の唯一の生産鉱山で、同社が権益の40%を有し、残りはAnglo Gold社が40%、マリ政府が20%を有する。Randgold社の2003年の純利益は、Molira鉱山における低品位化、生産コストの上昇、プラント拡張工事の遅れが影響し、前年比27.7%減の47.5百万USドルであった。Morila鉱山の鉱山ライフは2006年までであり、2004年からの3年間で金180万オンス(56.0t)の生産を平均全キャッシュコスト170USドル/オンスで計画している。
 Morila鉱山の鉱量枯渇を間近にひかえ、Randgold社はマリ、セネガル、タンザニアで探鉱を行ってきた。なかでもマリ西部のセネガル国境近くに位置するLolulo鉱床については2003年に経済性評価を完了していたが、金埋蔵量133tでは生産コストとインフラコストが高く採算性に乏しいとして、鉱量増加のためのボーリング調査を行うとともに、近傍にある他社の鉱床との共同開発を検討していた。今回同社が発表した計画では、Loulo 0とYaleaの2つの主要鉱体のみが開発の対象である。両鉱体あわせた資源量は140百万オンス(43.5t)であり、露天掘り採掘で、粗鉱生産量18万t/日、金品位3.7g/t、金生産200,000オンス(6.2t)/年、鉱山ライフ6年、投資額80百万USドル、生産開始2005年7月の計画である。鉱化は下部にも連続しているため、露天採掘後に坑内採掘に移行することも可能である。その場合はさらに鉱山ライフが伸び、全キャッシュコスト200~230USドル/オンスの中規模金鉱山となる。Loulo鉱床の権益はRandgold社が80%、マリ政府が20%を有する。
 Randgold社はNM Rothschild & Sons社等を通じ最大60百万USドルのプロジェクト融資を準備中である。その一環として、現在の金市況のよさを活用し、Loulo鉱山からの生産300,000オンス(9.3t)について409USドル/オンスにてヘッジ済みである。投資に対する内部回収率は、金価格が350USドルの場合は33%、400USドルの場合は46%である。

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