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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛 ベースメタル
2004年3月10日 ロンドン 嘉村 潤

国際鉛亜鉛研究会の2003年鉛亜鉛需給レビューについて

 国際鉛亜鉛研究会(ILZSG)は、世界の2003年鉛亜鉛需給の主要な傾向についてのアセスメント速報を発表した。
 ILZSG速報によれば、まず鉛については、2003年は西側世界の鉛地金需要が供給を10万トン弱上回った。全世界の鉛地金需要が1.1%上昇したことは、主に継続する中国の急成長によるものであった。米国の需要は2.8%、欧州の需要は1.3%それぞれ減少した。全世界の鉛鉱山生産は、3年連続で減少し、2003年は0.9%減であった。2003年の全世界の鉛地金生産は、中国における12.5%という顕著な増加にもかかわらず、全体としては0.8%減少した。これは、主に欧州、米国、豪州における溶解・精錬能力の大規模な削減の結果であった。鉛地金生産に使用されたリサイクル原料の割合は65%であった。2003年のLME在庫と生産者在庫の減少は、それぞれ7.5万トン、2.2万トンであった。

西側世界の鉛地金需給バランス (千トン)  
  1999 2000 2001 2002 2003p
地金生産 4,945 5,093 4,931 4,903 4,706
東側からの純輸入 511 569 538 443 482
米国備蓄処分 61 32 41 6 70
地金消費 5,438 5,646 5,456 5,345 5,357
需給バランス 79 48 54 8 -99
出典 ILZSG
p 速報値
 
鉛-生産と消費 (千トン)
  1999 2000 2001 2002 2003p 02~03変化
西側世界
鉱山生産※ 2,261 2,236 2,243 2,019 2,039 20 1.0%
地金生産 4,945 5,093 4,931 4,903 4,706 -197 -4.0%
地金消費 5,438 5,646 5,456 5,345 5,357 12 0.2%
全世界^
鉱山生産※ 2,966 3,046 2,998 2,830 2,804 -26 0.9%
地金生産 6,280 6,650 6,546 6,656 6,602 -54 -0.8%
地金消費 6,254 6,525 6,489 6,655 6,726 71 1.1%
出典 ILZSG
p 速報値
地金換算値
推計値、主に中国の小規模鉱山、スメルターの生産データが正確に把握できないことに伴う問題により、推計部分がある。

 亜鉛については、西側の2003年亜鉛地金供給が需要を11.8万トン上回った。全世界の亜鉛地金需要が2.5%上昇したことは、主に亜鉛めっき鋼需要が強く上昇する中国の急成長によるものであった。全世界の亜鉛鉱山生産は4.1%上昇し、3大生産国(中国、豪州、ペルー)で全体の半分弱を生産している。西側からの亜鉛精鉱輸入による中国の純輸入は、3年連続で30万トンを超えている。多くの大規模プラント閉鎖による欧州の亜鉛精錬生産の5.9%減少は、主にアジアにおける精錬生産上昇によりバランスして余りあるものであった。中国の西側への亜鉛地金純輸出は、2002年より5%減少した。LMEの亜鉛地金在庫は、2003年末74万トンで、2002年末より8.9万トン高いレベルであった。生産者在庫は1.3万トン減少した。

西側世界の亜鉛地金需給バランス (千トン)  
  1999 2000 2001 2002 2003p
地金生産 5,832 6,140 6,282 6,674 6,665
東側からの純輸入 823 865 877 747 598
米国備蓄処分 22 39 23 3 3
地金消費 6,826 7,138 6,902 7,105 7,153
需給バランス -150 -94 280 320 118
出典 ILZSG
p 速報値
 
亜鉛-生産と消費 (千トン)
  1999 2000 2001 2002 2003p 02~03変化
西側世界
鉱山生産※ 5,899 6,323 6,618 6,468 6,794 326 5.0%
地金生産 5,832 6,140 6,282 6,674 6,665 -9 -0.1%
地金消費 6,826 7,138 6,902 7,105 7,153 48 0.7%
全世界^
鉱山生産※ 8,068 8,839 8,934 8,899 9,261 362 4.1%
地金生産 8,368 8,981 9,268 9,725 9,790 65 0.7%
地金消費 8,490 8,993 8,917 9,374 9,607 233 2.5%
出典 ILZSG
p 速報値
地金換算値
推計値、主に中国の小規模鉱山、スメルターの生産データが正確に把握できないことに伴う問題により、推計部分がある。

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