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Anglo American社2003年の業績:ドル安で操業利益減
Anglo American社(英国)のニュースリリースによれば、同社の2003年の売上高は24,909百万USドルで前年比22%増であったが、操業利益は2,606百万USドルで20%減、純利益は1,592百万USドルで2%増に留まった。資本支出は3,025百万USドルで41%増であった。
売上高は全部門において前年を上回った。買収と内部成長による事業規模拡大が貢献した。操業利益はドル安の影響で前年を下回った。特に南アと豪州に生産拠点のある白金、金、石炭部門が操業利益減となった。その一方でベースメタル部門は銅とニッケル価格の上昇で操業利益増となり、関連会社であるダイヤモンドのデビアス社も米国のクリスマス商戦の好調で操業利益増となった。純利益は、操業利益20%減にもかかわらず、資産の売却益により2%の微増であった。
Anglo American社は2003年も買収と内部成長による事業の拡大とノンコア資産売却による事業再編を継続した。主な買収はAshanti Goldfield社(ガーナ)、欧州の採石会社等である。Anglo Platinum社(南ア)、Kumba社(南ア)については所有株式比率を増加させた。Ashanti Goldfield社の取得は2004年前半に完了する見込みであるが、それにより同社は世界最大の金生産者になる。一方、ノンコア資産としてLi & Fung社、FirstRand社、Avgold社等の権益が売却された。ベースメタル部門でもリストラは継続され、大規模で長期操業が可能な少数鉱山に絞る戦略に従ってAnaconda Nickel(豪)、Bindura Nickel(ジンバブエ)、Nkomati JV(南ア)の権益が売却された。
2004年についてTrahar社長は、ドル安がさらに進行する懸念があるものの、中国・米国・日本の経済成長が予想され、見通しは明るいとコメントしている。
