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米国内業者、急増する中国向け銅スクラップ輸出制限求める
29日付けAMM紙によると、米国商務省金属・素材・化成品室長Robert Reiley氏は業界会合で講演し、近年急激に増加している米国の中国向け銅スクラップ輸出について、同省が輸出管理法に基づく実態調査を開始すると述べた。
米国スクラップ業界では昨年来、中国系買付け業者による銅スクラップの「買い漁り」が銅スクラップ不足・価格高騰を招いているとの批判が高まっている。米国の中国向け銅スクラップ輸出はこの2年間で84%の高い伸び。25日の米下院公聴会では米国銅・真鍮加工業評議会の議長がこの問題について証言し、人民元の過小評価、輸入業者への付加価値税還付、その他の政府補助制度などにより不公正な銅輸入が行なわれていると主張した。また中国製の銅管類が米国製と偽って第三国に輸出されているケースもあるという。
こうした状況を受け、米国の銅・真鍮加工と非鉄鋳造の業界団体が、銅スクラップ輸出制限の実施を求める請願書を近日中に提出する。また鉄鋼スクラップ業界も非鉄スクラップの対中国輸出規制を求める申し立てを準備中との情報もある。
商務省の調査は90日以内に結論をとりまとめる。Reily氏は、「調査の結果、この問題が米国の銅スクラップ業界にとって問題だと結論されることは間違いない」と述べている。また同省は、かねてより批判がある中国政府の税還付制度の運用や、西側市場より常に割高な上海先物取引所の銅価格についても調査を行う予定とのことである。