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ニュース・フラッシュ

2004年4月14日 調査部 北 良行

活況を呈するメキシコ鉱業

墨経済省の鉱業総調整官(次官級)Salvador Ortiz Vertiz氏は、JOGMECのインタビューに応じ、メキシコの2004年の鉱業についての所感を語った。「2004年を展望するには時期尚早だが、このまま金属建値が好調なら、年間の鉱業部門の経済成長は前年度比で5%増加し、メキシコの経済成長率を大きく上回る。このまま価格が上昇し続ければ、チワワ州のパラール市では今年は少なくとも8~10のプロジェクトがスタートする予定であり、サカテカス州でも経済性の再評価中。外国資本の参加によって登録されたおよそ150の探鉱プロジェクトがあり、国内資本のプロジェクトは70以上ある。2004年はそれらのプロジェクトにおよそ1億9,000万ドル投資される。」と語った。統計局のデータによれば、鉱業分野の2003年度の成長率は3.7%で全体の成長率が1.2%という中で、鉱業がメキシコ経済を大きく牽引した。 (2004. 4. 13 メキシコ 伊藤正義)目次へ 開発が期待されるSX-EW方式の銅鉱山開発、メキシコ・ソノラ州rn Frontera Copper社はメキシコのソノラ州の銅権益であるPiedras Verdesの探鉱のために5.5百万USドルを調達したと発表した。Piedras VerdesプロジェクトはSX-EW方式による銅生産を計画している。 (2004. 4. 13 メキシコ 伊藤正義)目次へ メキシコのドランゴ州で金銀脈の解明が進むrn Capstone Gold社は、メキシコのBacisとVentanas両プロジェクトの探鉱及び開発のために資金調達を行い、資本金を9.1百万USドル(20%増資)にしたと発表。同社はメキシコ・ドランゴ州のVentanasプロジェクトで2003年11月末から総延長2,500m、合計8本のボーリング探査を実施、東西総延長2.5kmの鉱脈が、周辺部で幅3m、中央部で幅70mあることを解明。引き続き地表踏査等を実施中。 (2004. 4. 13 メキシコ 伊藤正義)目次へ 米・Exide社の再生鉛生産障害は早期に解決rn 7日付けAMM紙は、技術上の問題のため1日から操業を停止していたExide Technologies社の米・インディアナ州Muncieの鉛製錬所が、設備修理を終え数日前より操業を再開。  北米では昨年後半から鉛需要が回復基調にあり、年明けに加・Tech Cominco社のBC州Trail製錬所が炉爆発事故で生産を停止したのを契機に品不足となり、北米向け鉛プレミアムは6.5¢/lbまで上昇。Trail製錬所は先月末に生産を再開したが、最大手Doe Run社のモンタナ州Herculaneum製錬所が今月末から半月の補修停止、更に加・Falconbridge社のオンタリオ州Kidd Creek製錬所が2か月の休業を予定するなど、供給拡大を望める状況に無く、品不足解消の目処は立っていない。ここでもし新たな生産障害が発生すれば、極端な供給逼迫に陥るのではと危惧されていただけに、Exide社の早期生産再開の報に市場関係者は安堵の色を示している。 (2004. 4. 13 デンバー 目次英哉)目次へ South Atlantic社、スウェーデンでの銅金探鉱オプション契約締結rn South Atlantic Ventures社(加)の発表によれば、同社はAnglo American社(英)及びRio Tinto社(英)とNorrbottenプロジェクトに関するオプション契約を締結した。Norrbottenプロジェクトはスウェーデン北部にあって酸化鉄銅金鉱床を対象とし、Anglo American社が酸化鉄銅金鉱床を発見したRakkurijarvi地区も含まれる。South Atlantic社は6百万USドルを3年間で支出した場合、50万USドルと2.25%のNSRを支払うことで権益100%を取得できる。発見銅量が300万t以上となった場合、Anglo American社とRio Tinto社は60%を買い戻しの権利がある。South Atlantic社は現在Rakkurijarvi地区で計5,000mのボーリング調査を実施中である。 (2004. 4. 7 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ トルコの付加価値税制の変更とKisladag金プロジェクトへの悪影響rn トルコのKisladag金鉱床開発を進めているEldorado Gold社(加)の発表によれば、トルコの付加価値税制(原則18%)が変更され、同プロジェクトの経済性にマイナスの影響が出るという。金の輸出、金鉱山設備の輸入や建設費が新たに課税対象となるため、建設コストと生産コストが上昇する。同社は税制の再変更による免税の適用を実現すべくトルコ政府と交渉中。同プロジェクトは2004年5月を目処として経済性評価の見直しを行っている。 (2004. 4. 7 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ マダガスカルAmbatovyニッケル鉱床開発の冶金テストは優良で生産規模拡大の予定rn マダガスカルのAmbatovy(ラテライト型)ニッケル鉱床の開発について、Dynatec社(本社カナダ)は、冶金テストの結果は優良で生産規模目標を引き上げると発表した。ミニ・パイロット・プラントの操業を含むテストの結果、優れた分離特性、低い酸消費レベル、処理時間の短縮により、平均年産ニッケル6万t、コバルト5千tを20年以上にわたって行うことが期待できるとした。生産開始は2007年の予定。Dynatec社は、特にニッケル・ラテライト鉱床の処理を得意とする会社で、昨年より、契約ベースでの技術提供からプロジェクト直接参加に方針転換、本プロジェクトも2003年8月Phelps Dodge社(本社米国)から53%の権益を取得するもの。 (2004. 4. 7 ロンドン 嘉村 潤、バンクーバー 中塚正紀)目次へ ポーランド銅公社:2003年は増産、黒字に転換rn ポーランド銅公社(KGHM Polska Miedz)の発表によれば、2003年の同社の生産量は電気銅529,616tで前年比4.1%増、銀1,223.2tで前年比2.6%増であった。売上高は1,260,772千ユーロで前年の7.3%減となったが、操業利益は182,327千ユーロ、純利益は152,588千ユーロと前年の赤字から黒字に転換した。2003年はドル安がマイナスの影響を与えたが、年後半の金属市況の上昇と増産が生産コスト減に寄与した。純利益の75%は第4四半期に得たものである。2004年は電気銅生産532,000t、銀生産1,173tを計画している。 (2004. 4. 8 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ 南アPalabora鉱山、2004年第1四半期の坑内採掘状況rn Palabora Mining社(南ア)の発表等によれば、Palabora銅鉱山(南ア)は、目標とする30,000t/日に到達しないまま推移し、2004年第1四半期平均生産量は20,200t/日(前四半期22,000 t/日)。ただし、鉱石品位が高かったこと等により銅生産量は、153 t/日(前四半期140 t/日)と拡大。2月、3月発生したコンベヤベルトの破断や水の浸入、鉱石抜き出し口の二次破砕の問題が引き続き生産のボトルネックとなっている。 (2004. 4. 8 ロンドン 嘉村 潤)目次へ 銅1月は7.2万トンの生産不足rn 国際銅研究会(ICSG)は、世界の銅需給の2004年1月速報を発表。これによれば、2004年1月の見かけ地金需給は7.2万トンの生産不足であった。同月の報告された全在庫の減少は11.2万トンで、報告対象外の在庫が顕著に増加した可能性を指摘。同月の世界の地金消費は2.1%増加(前年同月比、以下同様)、これは米国が11.4%増加、アジアが4.1%増加、欧州は7.8%減少した結果である。同月の世界の鉱石生産は、主にチリ、インドネシアの減産により4.0%減少、一次地金生産は2.4%減少、二次地金生産は2.0%増加し、地金生産全体では1.9%減少となった。2004年3月末在庫は、主要金属取引所(LME、COMEX、SHFE)合計で49.7万トン、先月末から13.4万トン減少し、2003年末からは30.9万トンも減少している。2004年3月のLME cash price平均は、3,008.7USドル/トンで引き続き大きく上昇した。 (2004. 4. 8 ロンドン 嘉村 潤)目次へ 中国有色集団、ラオスで鉱山開発協力に着手かrn 有色金属工業信息中心によると、中国有色鉱業建設集団公司(以下中国有色集団と略す)は、3月下旬ラオス工業・手工業部副部長ナム氏一行と、非鉄金属の開発事業について意見交換を実施。ラオス側は、中国側に資源開発協力を要請した結果、中国有色集団は、ラオスでの資源開発協力の要請を受け入れる方向で検討している模様。(2003年3月中色建設集団公司は、中国有色鉱業建設集団有限公司に名称変更) (2004. 4. 9 北京 納 篤)目次へ 内蒙古におけるレアアース生産、2004年は93,200t以下に生産調整rn 有色金属工業信息中心によると、レアアース生産の中心基地の一つである中国内蒙古自治区における2004年のレアアース生産量が93,200tに抑制される。  中国のレアアース業界及び関連産業の2003年産業全体の生産額は31.5億元(318百万USドル)であったが、2004年には50%増加させ48億元に達する見込み。また、二次製品や最終製品の割合は、2003年が全体の30%であったのに対し、2004年は40%に割合を増加させ、19億元に達するとしている。  この中国政府の方針は、レアアース資源の下流部門、すなわち最終製品生産への積極誘導策と思われ、レアアース資源の上流域から下流域まで、レアアース産業全体への中国の影響力がさらに増すことになる。生産調整に関しては、これまでも国家発展改革委員会稀土弁口室を中心に生産や輸出量に関し規制を行っており、同弁口室との交流会議(日中レアアース交流会議:日本側経済産業省鉱物資源課、中国側国家発展改革委員会)の中でも、中国政府としては乱掘防止及び環境汚染防止のために、今後も国の関与を続けるとしている。 (2004. 4. 9 北京 納 篤)目次へ 紫金鉱業公司、銅・金鉱山開発を急ぐrn 有色金属信息中心によると、昨年末に株式上場した福建紫金鉱業公司は、2004年から鉱山開発の速度を進めるとし、2005年までには大きな利益を確保出来る体制を整え、さらに3年後には総合鉱業企業に成長することを目指す。紫金鉱業は、今年中に3つの銅・金鉱山開発(新疆阿舎勒銅鉱山、福建省紫金山銅・金鉱山及び吉林省銅鉱床)プロジェクトを次々に稼動させ、2004年の銅生産量を50,000トンと予想。2005年までには同公司の収益の30%まで拡大させる計画。ちなみに同公司の2003年の純利益は、3.139億元となり、年間伸び率127%。  同公司は、積極的に国内の金鉱山と銅鉱山を買収したいとしており、加えて製錬も視野に入れた総合資源企業としてあらゆるプロジェクトを進める予定。なお同公司は、紫金鉱業集団株式有限公司という名称に変更し、業務範囲を福建省に留めず、業務範囲を拡大する。 (2004. 4. 13 北京 納 篤)目次へ 中国2003年のバッテリー生産、輸出ともに大幅増加rn 有色金属信息公司によると、2003年の中国のバッテリー生産は米国からのアンチダンピング制裁を受けているにもかかわらず驚異的な伸びを示した。2003年の生産量は、2002年の生産量の25%増の260.2億ユニットとなった。また、中国のバッテリーの輸出量も2002年に比べ20%増加し204億ユニットとなり、中国国内のバッテリー生産量の約78%が輸出向けとなった。金額で言うと、2002年では21.23億ドルであったものが2003年には42%増加し30.34億ドルである。 (2004. 4. 13 北京 納 篤)目次へ 2004年“中国国際銅業フォーラム”10月末開催予定rn 中国有色金属工業協会からの情報によると、中国有色金属工業協会の主催により10月27日から29日までの間、“2004年中国国際銅業フォーラム”が海南島で開催される。今回のフォーラムは、銅の探査・開発、銅製錬技術の進化、市場取引と銅加工業の進展等がテーマ。中国の銅資源に関する需給アンバランスは、資源国、消費国相互の発展に大きな影響を及ぼすとし、地球規模での銅の消費と市場動向について検討し、交流及び協力を強めることが目的とされる。  なお、本フォーラムには日本の資源関係機関の講演も期待される。 (2004. 4. 13 北京 納 篤)目次へ Rio Tinto社とPeter Hambro社(英)がロシアで金のJ/V探鉱rn Peter Hambro Mining社のニュース・リリースによれば、ロシアのChagoyansk金鉱床(Amur州)の探鉱・開発ライセンスを取得した同社は、Rio Tinto社との間で共同探鉱に関するJ/V契約を締結した。Rio Tinto社は、第I期に1.5百万USドルを投資して51%を取得した後、第II期で3.5百万USドルを負担すれば権益を65%に増やすことができる。  Peter Hambro社は、Amur州にあるPokrovsky Rudnik社の97.7%株を所有するほか、同州にPioner金鉱床(100%)とOlekminskyチタン鉱床(51%)を持っている。 (2004. 4. 7 アルマティ 酒田 剛)目次へ Kazakhmys社、英国のトレーダーと銅の輸出販売契約を締結rn 世界10位の産銅メーカーKazakhmys社(カザフスタン)は、英国のトレーダーAPRO Ltd.社と2004年の非鉄金属輸出販売契約に合意したことを発表した。年間620千tの電気銅、同じく100千tの金属亜鉛の他、毎月25~150kgの金と銀30t/月を輸出する。  同社の株式構成は、Samsung Corp.社(韓)10.33%、Samsung Hong Kong Ltd.社17.22%、Cuprum Holding B.V.社15.0%、カザフスタン中央証券保管所7.32%、ABN AMRO Bank 19.51%、Future Capital社(ブローカー)20.25%となっている。 (2004. 4. 12 アルマティ 酒田 剛)目次へ Cameco社、カザフのウラン鉱山開発に38百万USドルの投資計画rn インターファックス社によると、Cameco社はKazAtomProm社(カザフスタン国営原子力公社)との共同事業会社であるJ/V Inkai(Cameco社60%、KazAtomProm社40%)に対して、ウラン鉱山開発プロジェクトのために38百万USドルを投資する計画である。  対象となるカザフスタン南部のウラン鉱床(Shymkent北西370km)では91.5百万lbの埋蔵量が確認され、山命は30年以上と見られている。2007年にIn-situリーチングによる生産を開始して2009年には年産2.6百万lbを目指す。 (2004. 4. 12 アルマティ 酒田 剛)目次へ Norilsk社、大プラチナ鉱床を発見rn 4月13日付Dowjones Newswires等によると、Norilsk Nickelは、プラチナ族金属を350t埋蔵すると推定される鉱床を発見したと発表した。  Murmansk地区の地質調査所長によれば、鉱床は北極のKola半島で発見、Norilsk社のSeveronickelとPecchenganickel精錬所から比較的近い。Norilsk社は3年以内に鉱床を詳細に探査する予定。  Norilsk Nickelは、2003年パラジウム76t、プラチナ23tを生産、パラジウム生産では世界第1位、プラチナは第3位である。 (2004. 4. 14 金属企画グループ 北 良行)目次へ おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。 trnt trnttCopyright©2012 Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

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