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ニュース・フラッシュ

2004年5月26日 アルマティ 酒田 剛

Inco社Goroプロジェクト規模縮小と生産開始時期の延期を発表

Inco社は、ニューカレドニアのGoroニッケルプロジェクトについて、当初の生産規模を維持することを念頭に置き5億USドルの削減対策を模索した。  しかし、米ドル安と設備建設に必要な材料価格の上昇により、資本コストは21億USドルから18.5億USドルに実質2.5億ドルの削減計画の見直しにとどまった。なお、本見直しによる工事再開の可否は9月末に決定。この計画見直しを行った場合、プロジェクトの生産開始は当初予定の2006年から2007年半ばまで延期される見込み。(2004年5月26日付ファイナンシャル・ポスト、グローブ&メール、プレスリリース) (2004. 5. 31 バンクーバー 中塚正紀)目次へ Sudburyの2鉱床で坑内探査開始rn FNX Mining社(トロント)は、Dynatec社(オンタリオ州)とジョイントベンチャー契約(FNX社75%、Dynatec社25%)で、Norman 2,000鉱床とNorman North鉱床(銅、ニッケル、白金)にC$3,000万を投入し、同鉱床の坑内探査等を行うことに合意した。  C$3,000万のうちC$2,500万は、Norman 2,000鉱床の坑内探査に充てる。具体的には、垂直坑道を約740mまで掘削し、鉱床に沿って坑道を展開、坑内ボウリングを実施、F/S調査を24ヶ月かけて実施予定。  また、残りC$500万については、Norman North鉱床の坑内探査に充てる。同鉱床は地表に近くに位置することから、深度150mまで斜坑を掘進し、鉱床に沿って坑道を展開、坑内ボウリングを実施することにより、F/Sを12ヶ月かけて実施予定。(2004年5月20日付バンクーバー・サン、5月26日付Canadian Mining Journal) (2004. 5. 31 バンクーバー 戸村昌幸)目次へ Afri-Can Marine Minerals社、ナミビア大規模銅鉱床の70%権益を取得rn Afri-Can Marine Minerals社(カナダ)の5月25日の発表によると、同社は、Deep South Mining社との間で、ナミビアの南部で南アとの国境に近い「Haib Copper」と呼ばれる大規模銅鉱床の70%権益を取得するLOI にサインした。カナダ、ナミビアの当局の承認時に、同社は、C$10万(カナダドル)、その後120日以内にC$50万、2年以内にFSのための探鉱にC$2百万支払い、C$550万相当のDeep South Mining社株式を発行し、生産のための資金調達時にC$5百万を支払うこととなっている。Haib Copperは1948年に発見され、Falconbridge社、Rio Tinto社等いくつかの会社が探鉱を実施した経緯がある。 (2004. 5. 27 ロンドン 嘉村 潤)目次へ ザンビア・Kansanshiプロジェクトは8月に生産開始rn Dow Jones & Reuters社がPlatts Commodity News発として5月21日に報じたところによると、First Quantum Mineral社(カナダ)が80%の権益を有するザンビアのKansanshi銅・金プロジェクトは、2004年8月に露天掘り生産を開始する見込みである。昨年9月に始まった建設現場では、現在、雨季に備えた適切な貯鉱量レベルの評価等を実施中である。本プロジェクトは2つのフェーズで開発され、GRD Minprocにより2002年12月に実施されたFSによれば、フェーズ1で、最大年間13万トンの銅、3.5万オンスの金を生産、採掘期間はフェーズ1だけで16年を超える見込みである。 (2004. 5. 27 ロンドン 嘉村 潤)目次へ ナミビア・Rosh Pinah Zinc社、亜鉛精鉱を39%増産rn Dow Jones & Reuters社がPlatts Commodity News発で、5月21日、ナミビア鉱山会議所の年報からの情報として報じたところによると、ナミビアのRosh Pinah Zinc社(南アのKumba Resources社の50%子会社)は、亜鉛精鉱生産を2003年107,920トンと2002年の77,587トンから39%も増産となった。亜鉛精鉱の品位も2003年54.07%と2002年の53%以下から改善し、精鉱中に含まれる亜鉛金属量では2003年58,352トンと2002年の41,012トンから42%も増加している。また、鉛精鉱生産も2003年31,453トンと2002年24,140トンから30%増産で、鉛精鉱の品位も2003年52.8%と改善した。 (2004. 5. 27 ロンドン 嘉村 潤)目次へ Johnson Matthey社、2004年のプラチナ需給は均衡と予想rn Johnson Matthey社(英)はPlatinum2004を2004.5.17に公表した。それによれば、2003年の白金の需要は202.8tで、1%未満の微増に留まった。自動車触媒需要は18.7t増の99.2t、宝飾需要は、白金価格上昇のため、11.8t減の75.9tで、工業用需要は47.3tに減少した。供給は4.5%増の194.1tであった。南アの産出が着実に増え、ロシアの販売量も増加したが、北米の生産は減少した。白金市場は5年連続の供給不足であった。価格は40%増で、ピークは12月のU$842、1980年3月以来の高値であった。2004年は白金の需給がほぼ均衡する見込みで、少量の供給過剰の可能性すらある。今後半年の価格はU$780~920と予想される。  (2004. 5. 25 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ トルコ政府、Cayeli鉱山の権益45%を売却へrn 2004.5.26付けReuters Newsによれば、トルコの民営化局は同国政府がCayeli鉱山(トルコ)に有する45%の権益を入札すると政府広報に発表した。入札期限は7月23日である。落札者は契約日に最低40%を支払い、残りは金利分とともに3年かけて支払う。トルコ政府は国際通貨基金から190億ドルの融資を受けるにあたり、2004年に30億ドル相当の民営化を行うと公約していた。Cayeli鉱山の残りの55%はInmet Mining社(カナダ)が有している。2003年の同鉱山の生産量は銅33,500t、亜鉛33,600tであった。 (2004. 5. 27 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ モンゴル・Erdenet銅鉱山、Outokumpu社と銅製錬所建設へrn Outokumpu社(フィンランド)は、Erdenet銅鉱山(モンゴル)における銅製錬所建設に関し、Erdenet Minind社(モンゴル)と合意したと2004.5.26に発表した。製錬所は銅年産35,000t規模で、Outokumpu社はマイナーシェアで建設プロジェクトに参加する。適用されるHydroCopperTM技術はOutukumpu社の新技術で、フィンランドにある同社実証プラントで同鉱山精鉱を用いた試験が予定されている。Outokumpu社はさらに同鉱山のSX/EWプラント建設(25,000t/年規模)に関する基礎試験の実施についてもSamsung社と合意している。Erdenet鉱山は現在精鉱を販売しているが、下流部門(銅地金・ワイヤーロッド生産)への投資を開始した。 (2004. 5. 27 ロンドン 霜鳥 洋)目次へ タイ・銅輸入関税据え置きrn ピニット工業大臣は、25日、銅カソードの輸入関税引き上げの延期が決定したと発表した。政府は当初、6月1日付けで現行1%の関税を5%に引き上げる予定であったが、電気・電子業界等からの反発を受けていた。  本件に関しては、与党愛国党のプラユット副党首が経営権を握るThai Copper Industries Plc.(TCI)社への利益確保を図るものとして批判がなされている。  同精錬所(東部ラヨン県)は6月に稼働の予定。2004年12月末までの生産は72,000t、2005年は、年間13,4500tの生産を計画、2006年には、フル生産の16万5,000tを予定している。  一方、タイの国内需要は、本年は、22万2,000t、来年は23万tと見込まれている。(5月26日 Bangkok Post他) (2004. 5. 31 バンコク 市原秋男)目次へ フィリピン・鉱物生産額、価格上昇により19%増rn 鉱山地球科学局(Mines and Geosciences Bureau)によると、2004年第1四半期の鉱物生産額は70億6,980万ペソとなり、前年同期の59億5,051万ペソから19%増加した。  主要鉱山の減産や閉山により生産量は減少したものの、市場価格の上昇が貢献した。  生産額の90%は、金が占め、前年同期比28%増の63億6,965万ペソに達した。  金は、生産量(前年比6%増)、生産額(前年比28%増)とも増加、これは、大手Lepanto Consolidated Mining社のVictoria鉱山と小規模採掘事業者の生産量増加及び金価格の上昇が要因。  銀生産量は、Victoria鉱山の生産量が前年比133%と大幅に増加したことにより、前年比31%増の2,336kg、生産額は、前年比91%増の2,777万ペソ。  一方、銅生産量は前年を18%下回る1万7,767tにとどまった。ルソン島中部ベンゲット州Padcal鉱山を操業するPhilex Mining社の設備修繕等による減産が影響。  ニッケルは、同期中の天候不順等により前年比77%減の4万9,127tとなった。(5月31日News Net Asia、MGB) (2004. 5. 31 バンコク 市原秋男)目次へ ロシア・UGMK社の傘下企業の2004年銅生産計画rn 5/19付けインター・ファックス社は、ロシアUrals Mining & Metallurgical Company(UGMK社)が傘下企業の2004年の銅生産計画を発表したと報じた。これによれば、選鉱・製錬企業のSvyatogor社(スヴェルドロフスク州:選鉱能力1.5百万t/年、粗銅生産能力70千t/年)は粗銅60.7千tを、採掘・選鉱コンビナート(GOK)のUrupsky GOK(カラチャイ-チェルケス共和国)は銅精鉱34,825tをそれぞれ生産する計画である。  UGMK社は、Norilsk Nickel社に次ぐロシア第2位の銅生産会社(ホールディング会社)であり、この他に電気銅を生産する主力のUralelectromed社(スヴェルドロフスク州:生産能力400千t/年)やGaisky GOK(オレンブルク州:UGMK社最大の銅鉱山)などを傘下に有する。 (2004. 5. 24 アルマティ 酒田 剛)目次へ High River Gold社(加)によるロシア・アムール州の金鉱床開発プロジェクトrn 5/19付けPraim-Tass通信によれば、ロシアのBerezitovoe金鉱床の開発権を所有するHigh River Gold社(加)は、同社が権益の54.1%を所有するBuraytzoloto社(露)と共同で開発プロジェクトを進める計画である。2002年12月に開発権が取得されたアムール州のBerezitovoe金鉱床では、現在、同社によるF/S調査が行われているが、計画では2005年にも商業生産が開始される見通しである。今後、年間1.5百万tの鉱石(Au品位:2.4g/t)を処理する金回収プラントを50百万USドルで建設し、同社はこのうちの25-30百万USドルを負担する計画とされている。同鉱床の確認埋蔵量は金43t、銀225tである。 (2004. 5. 25 アルマティ 酒田 剛)目次へ ロシア・ブリヤート共和国の多金属鉱床開発プロジェクトrn 5/18付けGiredmet.ruサイトによれば、先頃行われたロシアのOzernoe多金属鉱床の開発権のオークションで、ロシア連邦政府天然資源省(MPR)とブリヤート共和国政府は落札結果を承認した。開発権を獲得したTekprominvest社には、今後、MPRから同鉱床の地下資源利用ライセンスが付与されることになる。同社は、開発を進めるに際して、すでに数社とF/S調査の計画を協議している。ブリヤート共和国にあるOzernoe多金属鉱床は、埋蔵鉱量105百万t(品位:Ag:37.6g/t、Zn:6.57%、Pb:1.25%)である。 (2004. 5. 25 アルマティ 酒田 剛)目次へ 中国企業、モンゴルの亜鉛鉱床開発でコンビナートの建設を準備rn 5/24付けインター・ファックス社は、モンゴルの亜鉛鉱床開発プロジェクトに関し、採掘・選鉱コンビナートの建設を中国企業China No.15 Metallurgical Construction社が落札したと伝えた。コンビナートが建設されるのは、首都ウランバートルから520kmの距離にあるTumurtyn-Obo亜鉛鉱床で、モンゴルのTsairt Mineral社と中国Nonferrous Metal Industry’s Foreign Engineering & Construction社によって共同開発が進められている。建設開始から3年以内に生産が行われる予定で、300千/年の鉱石を処理して毎年70千tの亜鉛精鉱を生産する計画。同鉱床の開発期間は27年とされる。  テンダーには中国企業4社が参加し、落札価格は70百万元(約8.45百万USドル)。 (2004. 5. 26 アルマティ 酒田 剛)目次へ おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行ってはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執筆者は何らの責めを負いかねます。 trnt trnttCopyright©2012 Japan Oil, Gas and Metals National Corporation All Rights Reserved.

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