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ニュース・フラッシュ

鉱種:
タングステン レアメタル
2004年9月9日 アルマティ 酒田 剛

ロシア極東、沿海地方で明暗を分けるタングステン精鉱の生産2社

 8月26日のwww.infogeo.ruサイトは、ロシア極東の沿海地方でタングステン精鉱を生産するPrimorsky GOKとLermontovskaya GRKの経営が明暗を分けている状況を伝えた。2003年のタングステン生産が、精鉱で対前年比14%増、地金は同2.1倍増とされるロシアにあって、両社は鉱石採掘から精鉱生産までをほぼ独占して行っている。
 Primorsky GOKの2003年生産量は5,000t。発展計画プログラムに従って今年4月に負債を完済、生産設備も一新して稼行鉱床を拡張する第3フェーズの開発準備を進めている。2004年2月には新規株式も発行、固定資本は175百万ルーブル(約6百万USドル)。
 Lermontovskaya GRKの2002年生産量は1,700t。2004年1月現在の負債は150百万ルーブル(約5.1百万USドル)で、破産を宣告。今春には外部から経営者を招いたが、露天採掘場の鉱石はほぼ終掘、埋蔵鉱量も底をつき新鉱床開発のメドも立っていない。業界では、同社は市況の好機に売却されると観測しているが、破産法によって買収企業には負債の一括返済義務があり、再建資金と併せると投資額が15百万USドルを超すため、最有力のPrimorsky GOKは財源不足で手が出ないものと見られている。モスクワのVolfram & Nalchik Hydrometallurgical Plantによる買収の動きが伝えられるが、日本企業にとっても大きなビジネス・チャンスとの見方が強い。<8月26日為替レート:29.2225ルーブル/USドル>

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