ニュース・フラッシュ
2004年9月20日
アルマティ
酒田 剛
カザフ政府、地質調査予算を毎年30~40%増額させる計画を発表
9月15日、カザフスタンのアルマティで開催された“Mining World Central Asia 2004”で、同国地質鉱物保護委員会のBulat Uzhkenov委員長は、地下資源利用分野における地質調査・評価作業のために政府予算を毎年30~40%増額させると発表した。予算は2012年までの地下資源発展計画に基づいて計上される。同委員長によれば、2003年予算額は17億テンゲ(約12.5百万USドル)で、今年は25億テンゲ(約18.4百万USドル)、2005年は27億テンゲ(約19.9百万USドル)を予定している。国による地質調査・評価作業は、開発されている鉱床における鉱物資源量の減少が顕著な現状(毎年7~8%減少)に対し、これを改善させて増やすことが目的。ここ1~2年の作業で、金:5.5t、希少金属:500千tの埋蔵量を増やし、現在は多金属鉱の埋蔵量を増やすために作業中だとしている。
現在、カザフスタンでは、2010~15年頃に鉱物資源の原料不足が起きることが懸念されており、鉱山・冶金産業における原料鉱物資源の競争力強化は深刻な問題となっている。同委員長は、現状で最も競争力があるのは製鉄産業向け原料だとし、特にクロム鉱の埋蔵量の99%、マンガン鉱の同じく91%、鉄鉱の同46%、金の39%、鉛・亜鉛の38%、銅の31%は競争力があると評価していることを明らかにした。現在、確保されている埋蔵量は、銅:20年、鉛・亜鉛:20~30年、ボーキサイト:30~40年、金:20~30年とされる。<2004年9月15日の為替レート:135.55テンゲ/1USドル>
