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ニュース・フラッシュ

2004年9月27日 バンクーバー 中塚正紀

中国・Minmetals社、Noranda社と買収交渉を本格化

 Noranda社は、9月24日、中国の政府系企業であるChina Minmetals社と、同社の買収に関する話し合いをもっている旨発表。2004年6月、ブラジルのCVRD社から、Brascan社が保有するNoranda社株42%を購入する動きがあり、7月には、これに対抗するように中国のChina Minmetals社の購入情報が流れていたが、Noranda社はこれまで具体的なコメントを控えていた。今回、入札価格等は公表されていないものの、現在のNoranda社の株式市場価格、67億Cドルに5%~10%の割増額を加え、70億Cドル以上にはなるだろうと見られている。China Minmetals社は、Noranda社株100%をキャッシュで購入する意思を示しており、更に、別に分離独立を提案しているアルミ関連会社の株はNoranda社株主に提供したいとしている。
 中国でのベースメタル需要が飛躍的に増えている中、Noranda社買収は、金属資源の供給確保につながるだけでなく、2020年までに経済力を現在の4倍に高めたいとしている中国政府にとってもUSドルによるビジネスを展開している企業を加えることにより、国際投資の多様化など今後の重要な経済戦略源になると考えられている。また、Noranda社を取得した場合、同社のニッケル生産の主体であるFalconbridge社(年間売上高29億Cドル)も傘下に納めることになる。
 今回の買収はChina Minmetals社が中心となり、他の4社Jiangxi Copper社、Shanghai Baosteel Group社、CITIC Group社、Taiyuan Iron and Steel 社の共同出資で行う可能性が高く、融資はChina開発銀行が行うものと見られている。なお、提案内容、条件等の設定は今後11月まで話し合われる予定。(2004年9月24日付ニューヨーク・タイムス、9月25日付ファイナンシャル・ポスト他)

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