ニュース・フラッシュ
2004年10月4日
バンクーバー
中塚正紀
中国国営企業のNoranda社買収に対する組合の懸念
中国国営企業China Minmetals社がカナダの巨大な鉱山会社であるNoranda社を買収する可能性が高くなり、カナダの鉱山労働者を代表する労働組合が、この買収に関する労働者側の懸念を示した。中国国内では、労働条件は非常に悪く、中国人労働者への未払い賃金が総額590億ドルにのぼっているとの情報もあり、常に非難の対象にあることを踏まえ、中国政府がカナダ人労働者をどのように扱っていくのかということが組合側と労働運動支持者達の最大の懸念となっている。
Noranda社Brunswick亜鉛鉱山を受け持つ組合United Steelworkers of America(USAW)の代表者はMinmetals社が買収することになった場合、同社がどのような企業であるか、Noranda社をどのように運営していくのかなど様々な面から調査を行っていくとしている。また、ケベックUSAWの代表も「各組合はそれぞれ労働協約をNoranda社と結んでおり、カナダ連邦政府や州政府の労働法によってこれらの労働協約は守られるだろうが、中国側にもこれら協約の尊重を促していきたい」と述べた。
これに対しChina Minmetals社のスポークスマン、デイビッド・ウェイナー氏は「カナダ人労働者はなにも心配する必要はない。Minmetals社は現在の経営をそのまま継続していく考えであり、またカナダの法律もよく理解している。」とし、「国際的な事業を展開していく上で、労働法、環境法など各国の様々な法律を尊重していくのは当然のことだ」と述べた。(2004年9月28日付ファイナンシャル・ポスト)
