ニュース・フラッシュ
2004年11月8日
バンクーバー
戸村昌幸
カナダ・メジャー企業の第3四半期の経営状況について
カナダメジャー企業(Barrick Gold社、Inco社、Noranda社、Placer Dome社、及びTeck Cominco社)の第3四半期の営業成績が発表されているが、各社の営業成績の概要は以下のとおりである。
Barrick Gold社 | ||
純利益は32百万USドル(一株当たり6¢)。前年同期35百万USドル(一株当たり7¢)とほぼ同水準を計上。キャッシュフローは、152百万USドル(一株当たり28¢)であった。今期の金の生産量は、1.23百万oz(トータルキャッシュコスト218ドル/oz)であり、前年同期の1.48百万oz(トータルキャッシュコスト180ドル/oz)に比べ生産量は減ったもののコストは増加。現在開発中の鉱山の一部は、来年中の生産開始を目指しており、またチリとアルゼンチンの国境にまたがるPascua-Lama地区については、両政府からゴーサインが出るなど順調に推移している状況。 | ||
Inco社 | ||
当期の純利益は、148百万USドルを計上したが、これには、今期USドルとの外貨為替換算調整額62百万USドルが発生したことから、これを調整した後の純利益は212百万USドル(一株当たり1.12ドル)となり、前年同期20百万USドル(一株当たり10¢)に比し大幅に伸びている。なお、前年同期の純利益は、オンタリオ・オペレーションにおけるストライキの影響による経費を除いて調整されたものである。 | ||
Noranda社 | ||
純利益133百万USドル(一株当たり43¢)を計上。前年同期の18百万Cドル(一株当たり4¢)に比較し大幅に伸びている。運用資産からの収入が377百万USドルと前年同期の51百万USドルから326百万USドル増加。これにより、資本比率に対する負債の割合は、43%から38%へ改善された。同社幹部のコメントによれば、効率的な操業と金属価格の上昇、盛況な金属市場などにより全ての事業で満足のいく収益が上げられたとしている。 | ||
Placer Dome社 | ||
純利益は、148百万USドル(一株当たり36¢)と前年同期の27百万USドル(一株当たり6¢)に比較して増大した。このうち、鉱山操業からの利益は、109百万USドルを計上した他、今期の利益には、オンタリオ州鉱業税の一部について同社の主張により裁判所から認められた税利得76百万USドル(税引後)とオーストラリアでの税利得37百万USドルも含まれている。 | ||
Teck Cominco社 | ||
純利益は120百万Cドル(一株当たり62¢)を計上。これは、他の会社への投資分の評価切り下げ(税引き後52百万Cドル)を調整したあとの利益であるが、前年同期18百万Cドル(一株当たり8¢)に比較して大幅に増加。また純負債は、当期間中23百万Cドル縮小。キャッシュフローは、337百万USドルで第2四半期よりも91百万USドル多くなっている。同社は4期連続で記録的な利益を計上し、財務内容の健全化と将来的にも経営基盤の安定化が図られたとしている。増加要因としては、モリブデン、鉛、銅の価格が高騰したことなどが要因。 | ||
(各社プレスリリース) |
