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ニュース・フラッシュ

2005年1月11日 バンクーバー 中塚正紀    2005. 1. 11 バンクーバー 宮武修一

チリ・セロカセロ権益を巡り、ベマ・ゴールド社がアリゾナ・スター社の買収を提案

2004年末、チリ北部の大型未開発銅モリブデン鉱床Cerro Casale(含有金属量25.4 Million oz:Au、6.4 Billion lbs:Cu)の権益保有者間で買収提案がなされ、地元誌の話題を集めている。同鉱床は、いずれもバンクーバーに本社をもつPlacer Dome Inc.:51%、Bema Gold Corp. 24%、Arizona Star Resources Corp.:25%らが保有。このうちBema社は12月20日夕、Arizona社を買収することを一方的に広報した。Bema社提示の買収条件は本発表翌日の株価を基準に、Arizona社1株につきBema社1株の1.85倍の価格を割り当てるというもの。翌21日にArizona社株価は31%強上昇、Bema社株価は1%強下落し、総額283百万Cドル規模の買収規模となった。なお。Bema社は現状でArizona社の5%の株式を保有。
Bema社は、本買収を通じCerro Casaleを巡る同社の発言権は拡大、Placer社の判断を開発寄りに促進する効果があり、更にArizona社の株主にとって、Cerro Casaleプロジェクトだけでなく、将来的に有望なロシア・Kupol鉱床などその他のプロジェクトにも関係することとなり、より有益なものになるとコメント。他方Arizona社は、本買収額を不当に廉価として反発している。
Cerro Casale鉱床は1995年にBema社により発見されたが、その後銅価の低迷を理由に開発は棚上げされてきた。三社間の合意によれば、Placer社がCerro Casale鉱床のマジョリティーを維持するには、2005年末までにトータルコストの16.5億USドルのうち13億USドルを調達する必要がある。
今回のBema社の買収提案に対し、Placer社は沈黙を貫いているが、対抗条件を出しうる最も有力なプレーヤーである点で衆目が一致するところ。Bema社は1月中にArizona社株主に対して買い取りにつき通知予定。有効期間は受領後35日間とのこと。

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