閉じる

ニュース・フラッシュ

2005年2月1日 北京 納 篤

中国・五鉱集団公司、集団主席交替にもノランダとの交渉に変化なし

 安泰科及び五鉱有色株式有限公司によれば、中国政府は、2004年12月に五鉱集団の苗耕書主席を解任し、周中枢氏を五鉱集団の主席に任命したと報じた。中国五鉱集団公司は、五鉱集団主席の交替にも拘らず、ノランダとの交渉に変化なく、五鉱集団公司が計画している国内外の買収計画等についても何ら影響も変更も無く、特にノランダ買収については引き続き粘り強く臨むとしている。
 五鉱集団公司のスポークスマンによると、ノランダとの交渉は現在も継続して精力的に実施しているとしているが、交渉段階でどの様な議論となり、どの様な問題を有するか等、詳細については不明である。ただ、上海ノランダ関係者などは、買収金額が一致に至っていないとか、ある中国の資源関係記者はカナダ側の問題、すなわちカナダ政府が、中国の人権問題、習慣、政府系企業(五鉱集団は国有企業)による買収という点で、カナダの国益を保つことが出来るかに懸念を持っているとも言われており、どの段階まで買収交渉が進んでいるか見えてこない。
 一方、五鉱のある非鉄担当者からの情報によると、ノランダは、中国五鉱集団が提示している買収金額よりさらに高い買収金額を望んでいるとして、五鉱集団以外の企業とも並行して交渉している。中国五鉱集団は既に70億カナダドルを提示しているとの話であるが現状では未だ合意には達していない。五鉱集団は、上海宝鋼集団公司、江西銅業集団公司、太原鉄鋼集団有限公司等と連携し、今後さらに強力にノランダ買収を進めるとしているが、その裏には中国政府の強い意志が見え隠れしているように思える。
 ノランダは世界第3位の大手亜鉛生産企業、第9位の大手銅生産企業でもあり、中国にとっては資源の安定供給にも多大なメリットがあり、さらには鉱物資源ビジネスのグローバル化が図れ、ノランダの持つ管理システム、専門的知識、技術が得られることとなり、一気に世界のメジャー企業へと躍進できる絶好のチャンスと見ているに違いない。

ページトップへ