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ニュース・フラッシュ

2005年2月8日 調査部 大野克久

鉱山採掘技術の将来について

 Rio Tinto社技術部門長であるJohn O’ Reilly氏が同社発行の雑誌の中で、「現在の埋蔵量予測に基づくと、15年以内に、同社では露天掘りよりも坑内掘から産出される銅の方が多くなるだろう」と述べている。O’ Reilly氏の見込みが正しいとすると、長い間に亘ってこの産業の趨勢であった露天掘り優位に対する大きな転機となる。
 坑内掘への移行には幾つかの要因がある。第1には、従来以上に深部にある鉱体を露天掘で採掘するには剥土比が幾何級数的に大きくなることであり、深度の増加に伴う剥土量の増大は、より多量のエネルギー消費、特に軽油コストの増大をもたらすことであり、第2に、坑内掘は露天掘より視覚的インパクトが小さいばかりでなく、剥土量も小さくなることである。この点は、地域社会に近いところに所在するプロジェクトでは重要である。
 また、新規鉱山開発については、既探査地域において新探査手法を用いて発見された深部鉱体におけるものの割合が高くなっている様であるとも論じている。好例としては、地表下1kmに鉱体上部が位置しているアリゾナにおけるResolution銅JVプロジェクトがある。
 10~15年前、鉱山業界は露天掘を将来像として見ており、露天掘技術は土木技術で賄うことができたので、坑内掘りは世界中で減少傾向にあり、その結果鉱山技術者数が減少していくのを問題視しなかった。
 Rio Tintoとしては、坑内掘への生産移行それ自体が目的ではなく、坑内掘が全般的な解決法であると証明された時の準備のために、坑内採掘のための鉱山技術者教育が必要であると考え、世界中の鉱山学校との関係構築を行っているとのことである。

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