ニュース・フラッシュ
2005年3月22日
リマ
辻本崇史
ペルー・伯CVRD社がBayovarリン鉱床の開発権を政府入札で獲得
地元紙(3月16日付)他によると、伯CVRD社(リオドセ社)は、投資促進庁が3月15日に実施した、Bayovarリン鉱床(Piura県)の開発権譲渡の入札に唯一応札し、政府の定めた入札条件を満たしたことから、これを落札した。
これによると、今後2年以内にF/S調査を終了し、その後3年以内に操業を開始する予定で、リン鉱石生産量3.3百万t/年(政府の定めた入札条件は2百万t/年以上)のプラント建設を計画している。初期開発投資額は300百万ドル。
CVRD社は、操業開始後、売上高の3%をロイヤルティとして支払う義務を有する他、地元に対し、政府との契約時に1百万ドル、3年経過時点から毎年0.5百万ドル(操業終了時迄)を支払う。
本リン鉱床は、世界規模の鉱床(鉱量8.2億t)と言われ、当面、アジア諸国、周辺南米諸国の需要を見込んでいるが、中期的には世界的なリン鉱石の供給不足を予測する向きもあり、これに対応することも視野に入れている。
CVRD社は、鉱種の多様化にも力を注ぎ、今回の落札もその一環と位置付けられている。さらに、CVRD社は、今後、政府が予定している大型銅案件(La Granja、Michiquillay)にも高い関心を示している。これらの大型案件は、地理的に本リン鉱床に近く、港湾設備の共有利用等でメリットがあるとも言われており、同社は、さらに先を見据えた戦略を視野に入れている可能性がある。同社は、先のLas Bambas銅鉱床の入札でXstrata社に次いで高条件を提示したこともあり、年内にも予定されている大型銅案件の入札に対する、今後の動向が注目される。
