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ニュース・フラッシュ

2005年4月18日 バンクーバー 中塚正紀    2005. 4. 18 バンクーバー 宮武修一

カナダ北部のパイプライン建設はモリブデン価格に影響大

カナダ北部で検討される2つの巨大パイプラインプロジェクトはモリブデン市況に大きく影響し、これらの建設判断により価格はさらに押し上げられるとの見方がある。カナダ北部ではマッケンジー・バレーおよびアラスカ・ハイウェイの両パイプラインの施設計画があり、それぞれ70億USドル、200億USドルの建設規模。最近のモリブデン価格は、ポンド当たり約30ドルと2年前の約10倍高い水準であるにも関わらず、いったんいずれかのパイプラインの具体的な建設計画が報じられた時点で、一時的には60ドルまで上昇する可能性があるという。
モリブデンは高温高圧に耐える特殊ステンレスの製造に欠かせず、他金属への代替も困難。生産者サイドは急な増産は困難である上、過去25年間のモリブデンの安値を考慮すると増産のための巨額投資にも踏み切れずにいる。加えて現状フェルプスドッジとコデルコのみで世界消費の55%を担うなど、市場も寡占状態となっている。

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