ニュース・フラッシュ
2005年5月26日
メキシコ
権藤 浩
Minera San Xavier社、メキシコでの鉱山開発許可に係る論争―メキシコの鉱山開発に問われる新たな課題―
地元紙によると、Minera San Xavier社(カナダMetallica Resources社が所有する現地法人)は、サン・ルイス・ポトシ州都から北東約20kmのセロ・サン・ペドロ町に立地する、金、銀及び亜鉛のCerro San Pedro露天掘鉱山プロジェクトについて、環境資源省及び防衛庁の火薬使用等の許可がおりず、鉱山開発が困難な状況であると報じた。
最大の問題は、防衛庁が鉱山開発に用いる火薬使用を一旦は許可したが、2004年末突然住民への影響及び社会問題への懸念を理由に許可を取消し、訴訟争議へ発展した。
Xavier社は、現在本訴訟や第3者からの訴えを含め30件の訴訟を抱えており、本件はメキシコ鉱業界に新たな論争を巻き起こしている。
鉱業会議所によれば、このプロジェクトは、ソノラ州のペニョーレス社Milpillas鉱山(銅・坑内掘)、チワワ州のGlamis Gold社El Sauzal鉱山(金・露天掘)、ソノラ州のPan American Silver社Alamo Dorado鉱山(銀/金・露天掘)の3鉱山と並ぶ、新規重要開発案件の1つで、鉱山開発への進展を期待している。
Metallica Resources社は、現地法人を通して、既にこのプロジェクト開発に50百万USドルを投資しており、この訴訟の影響で、5月20日、同社株式はニューヨーク及びトロント市場で1株当り3USドルから1.6USドルへと約50%急落した。
今回案件は、メキシコでは中央部以北の鉱山開発は比較的寛容との見方もあるが、メキシコでも露天採掘の鉱山開発は、坑内採掘の鉱山に比較して更なる地元住民や環境への配慮が重要であることを示している。
