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ニュース・フラッシュ

2005年5月31日 サンティアゴ 中山 健

チリ・CODELCO Villaruz総裁、CODELCOへの民間資本導入を断念

 5月22日付け地元紙等によると、CODELCO Villaruz総裁は、CODELCOへの民間資本導入を断念した。同総裁は、去る4月12日~14日にサンティアゴで開催されたCRU主催の第4回世界銅鉱業コンファレンスの講演でCODELCOは世界の需要に応えるべく将来に亘って銅生産を拡大することを述べたが、その後のインタビューでCODELCOの将来の銅鉱床開発資金調達方法として20%を限度とした民間資金の導入を考えていることを発表した。またその後、国会でのCODELCOの2004年の活動報告後の記者会見でもこの考えを陳述した。これを受けて与党の次期大統領候補である、Bachelet女史およびAlvear女史も検討の余地があると発言大統領選挙の論争の1つになるかと思われた。一方、Dulanto鉱業大臣は、初めて耳にすることで、CODELCO Villaruz総裁の個人的見解で政府としてはそのような考えはないとコメントしていた。CODELCO労働組合も民間資本導入に反対の声明を発表、世論調査でも86%が民営化反対を示し、結局Villaruz総裁は民間資本導入による資金調達を諦めざるを得ない状況となった。CODELCOは、2004年国庫歳入の14%を稼いでおり、CODELCOの将来を憂う同総裁は、政府に資金調達を保証するよう求めた形になった。CODELCOは、2010年に現在の180万t体制から260万t体制にするため、2005年から2012年間に130億USドルの投資計画が承認されているが、2005年から2015年に現在の180万t体制から300万tにするためには、170億USドルの資金調達が必要とされている。
 CODELCO民営化議論は今に始まったことではないが、チリでは銅機密法(法律13,196)により、CODELCOは銅および副産物の輸出額の10%を軍に拠出することを義務付けられており、2004年には所得税156.9万USドルのほかに59.8万USドルを国庫に納めている。民間企業がCODELCOに資本参加した場合、直接的に軍の資金調達の片棒を担ぐことになり、民間企業のCODELCOへの資本参加はそもそもあり得ないという議論もある。

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