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- 鉱種:
- 銅 ベースメタル
ペルー・Tintaya銅山が地元デモの過激化により操業を一時的に停止
地元業界紙(5月27日付)他によると、Tintaya銅山(産銅量ペルー第4位)で地元への利益還元を求める住民のデモ行為が過激化し、鉱山労働者の安全確保に不安が生じたことから、同銅山は操業を一時的に停止した。
これらによると、5月24日、同銅山に対し、毎年20百万ドルの地元への拠出とアレキーパ市までの鋪装道路の建設(約200km)等を求める地元住民のデモ行為(約2千人)が過激化し、鉱山施設内に乱入し、施設の一部が損傷する事態にまで至った。鉱山側は、この事態を憂慮し、鉱山労働者を避難させると共に、操業の一時的な停止を決定した。この争乱に対しては、地元の警察が出動し、催涙弾等も使用して鎮圧にあたり、デモ隊側に20人程度の負傷者と逮捕者が出た模様である。
これに対し、エネルギー鉱山省は、5月26日、鉱山次官をトップとする調査団を現地に派遣し、直ちに紛争解決に向け住民側との協議を開始した。
Tintaya銅山では、既に2年前に地元と協定書を締結し、毎年、税引前利益の3%(最低1.5百万ドル)を地元に拠出しており、鉱山側は、今回の事態は協定書の約束を無視した蛮行と非難する一方、住民側との対話には応じる姿勢は示している。
なお、本事件の背後には、鉱業活動に批判的なNGO、左翼系組織等による煽動も示唆されているが、銅価高騰により鉱山側の収益が大幅に伸びている事ことから、本事件はこの収益の地元還元を求めた過激行動と思料され、他の操業鉱山への波及的な影響も危惧される。
