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ニュース・フラッシュ

鉱種:
亜鉛 ベースメタル
2005年6月7日 調査部 鈴木 徹

中国の苦悩 ―鉱石不足で亜鉛製錬所生産量が頭打ち―

 中国では、亜鉛需要の拡大から、製錬所の生産能力が拡張しているにも関わらず、鉱石不足のため地金生産量が頭打ちとなっている。業界紙等によれば、2005年に中国の製錬能力は四川省、雲南省、陜西省、葫芦島などで2005年に合計440千t増加する。国内鉱石生産量は2005年第1四半期で前年同期比16.5%増の557千t(亜鉛純分)となっているが、国内製錬所向けにこれでは不足で、亜鉛精鉱を同14.6%増の94千t輸入したが、それでも鉱石不足は解消されていない。亜鉛製錬所の稼働率は2004年に70%程度であったものが、2005年はさらに下回るものとみられる。葫芦島でも2005年の亜鉛地金生産見込みを320千tから300千tへ下方修正している。精鉱の不足量はカザフスタン等からの地金輸入で補っている。
 製錬所の買鉱条件も悪化しており、中国向けスポットTCは3月にt当たり60~70ドルであったものが、5月には50ドル近辺まで低下している模様。

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