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ニュース・フラッシュ

2005年6月14日 サンティアゴ 中山 健

CODELCOと中国Minmetals社との契約概要

 6月9日付け地元紙等によると、去る5月31日に締結した中国Minmetals社との契約について、その内容が不透明であると各方面から批判が相次ぎ、チリ鉱業協会(SONAMI)のHochschild元会長は、「不透明な取引契約で、何故全チリ人の将来の財産を抵当に入れるのかを国民に対して説明しなければならない」とその説明を求めた。また国会上下院の鉱業委員らがCODELCO Villaruz総裁の国会での報告を決めた。これに答えて同総裁は、Minmetals社は世界でも有数の銅の取扱企業でありかつチリの銅の主要輸出国である中国の企業であること。Minmetals社との単独交渉については、戦略的なパートナーは共通の利害関係から生まれてくるものであり戦略的パートナーを入札で選定するようなことはあり得ないと説明。また契約内容については、15年間に亘ってMinmetals社に年間57,000tの銅を引渡し、その見返りとしてCODELCOは2005年9月までに550百万ドルを受け取る。銅価に換算すれば、53~55¢/lbとなり、更にMinmetals社は毎年他に銅1ポンド当たり50セントを支払うことになっており、先物売の銅価格は103~105¢/lbとなる。またこの契約にはインフレや価格変動の際の調整条項が入っていることを明らかにするとともに社債発行や借款より高くつくが債権ではない資金調達方法としての重要な意味を持っていると説明している。
 CODELCOは、Gaby鉱床の建設工事が終了した時点で権益の24%を入札に付すが、Minmetal社は、入札価格同等若しくはそれ以上の価格で25%の権益を取得する優先権を持っている。
 またDulanto鉱業大臣も、中国はチリの銅鉱業の重要なパートナーであり両国の関係の強化は重要である。先物売(前払い)方式は、数年後に限度を越える資金借り入れに代わる有力な資金調達方式の一つであり、将来の外国資本との提携方式の良い前例となると評している。

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