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ニュース・フラッシュ

2005年6月23日 メキシコ 権藤 浩

メキシコ・GM子会社製錬所の鉱害問題で市民団体約600人デモ行進

 地元一般紙等によると、メキシコ・サンルイスポトシ州都サンルイスポトシ市中心街で、白黒衣装にガスマスク等を身につけた大人・子供の市民団体約600人が、「Ni un Dia Mas(一刻も早く)」と叫びながらデモ行進を行ったと報じた。
 市民団体は、市郊外に立地するグルーポ・メヒコ(GM)社の子会社IMMSAの製錬所から二酸化硫黄、鉛、砒素等の汚染物質が排出され鉱害問題化しており、同製錬所を閉鎖または移転すべきと訴えた。具体的には、製錬所が排出する汚染物質の詳細データの譲渡、国、州及び市による操業許可の再点検、高濃度汚染物質排出時の緊急対策プランの譲渡、州開発委員会による実地検査の実施、同委員会への市民団体の参加を要求し、これら項目を履行しない場合は、州知事や一般市民に製錬所の即時閉鎖を訴えている。
 市民団体の分析結果によれば、人の血液中の鉛濃度は、基準15mcg/dl以下にも拘わらず、5歳以下の幼児数人に30mcg/dl以上の濃度が確認されたという。
 これに対して、GM社国内外事業担当副社長Juan Rebolledo氏は、IMMSA社は汚染物質を排出しているが、製錬所の排出する汚染物質はメキシコ政府が定める基準内であると説明する。
 なお、同様の鉱害問題として、約6年前、メキシコ鉱山企業大手ペニョーレス社は、コアウイラ州トレオン市に位置する製錬部門子会社Met Mex社で、同様の汚染問題が発生し争議に発展。結果的に同社は、病院建設、製錬所排煙・排水処理装置の設置等の鉱害対策に60数億円を拠出した前例がある。

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