ニュース・フラッシュ
2005年7月22日
バンクーバー
宮武修一
地元誌にみるカナダ企業買収の憶測(1):インコ社
スイスのXstrata社がカナダのInco社買収を視野に入れているとの一部報道に関し、Xstrata社もInco社もコメントを控えているが、カナダ側アナリストたちは、この報道がまんざら憶測の枠を出ていないと見ている。Inco社は優良な資源資産を持ち会社規模も適度であること、また支配株主が存在せず買収を阻止する複式投票株も無いことから、10億ドル規模の買収ターゲットとしては最適の企業の一つという。加えてXstrata社は豪州のWMC Resources社の買収入札でライバル社のBHP Billiton社に敗れた経緯があるが、この際にニッケル市況を入念に調査したことから、今回ニッケル生産世界第2位のInco社に目が向けられるのは当然の成り行きだと考えるアナリストもいる。Inco社株価は一週間のうちに8ポイント上昇するなど、最近の同社の株価上昇はこの買収憶測に基づくとの見方がある。
