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ニュース・フラッシュ

2005年8月23日 シドニー 久保田博志    2005. 8. 29 ジャカルタ 池田 肇

フィリピン政府、外国企業に鉱山開発プロジェクト承認

地元紙等によるとフィリピン政府・環境・天然資源省は24日、豪Climax Mining社が単独でDidipio銅・金鉱山開発プロジェクトの事業化調査を行うことを承認した。同国・最高裁判所が2004年、同国の鉱山に対して外国企業の100%所有権を容認する判決を行って以来、同政府が初めて外国企業が大規模な鉱山開発を行うことを承認した。 この最高裁判決前は、外国企業はフィリピン国内の事業で最大40%の持分しか容認されていなかった。しかし、同政府は、鉱山投資は同国にとって重要と判断し、外国企業が同国で鉱山経営を行うことを容認したもの。Didipio鉱山投資は約7億8,300万USドルの外貨収入と同政府は推定している。 Didipio鉱山は、Nue Vizvcaya州とQuirino州の州境にあり、Climaxの子会社、Australasian Philippines Minig社(APMI)が100%保有し、Climaxは同鉱山開発に1億1,000万USドルを今後5年間に投資する計画である。 APMIは既に必要な全ての環境保護に関する承認を受けており、今後は鉱山建設に関する認可を取得し鉱山建設に着工する予定。鉱山建設は来年初めに着工し、1年後には商業生産を開始する予定である。 Didipioプロジェクトは、フィリピン政府が1994年6月に外国の投資企業と初めて締結した資金・技術援助協定(FTAA)だった。同政府は、FTAAに基づき、外国企業がOnshoreで8万1,000ha、Offshoreで32万1,000haの探鉱、開発を容認した。APMIは、Didipioで2万3,895haの探鉱・開発が承認された。 Didipio地域では、約18の金・銅鉱化作用が認められており、そのうちのひとつDinkidi金・銅鉱床は浅所に中新世のアルカリ火山岩類の貫入による変質、深部は構造規制の角礫化した深成岩ゾーンに伴う金鉱化作用が認められている。 Didipio鉱山の鉱石埋蔵量は1億2,000万t、銅の鉱石品位は0.61%、金は1.6g/tで、金は61万5,000oz、銅は13万4,000tの生産が可能と推定されている。

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