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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2005年9月5日 メキシコ 権藤 浩

コスタリカ・クルシータス金プロジェクト、カナダ・バネッサ社が環境保護庁の許可取得

 業界情報(9月1日付)等によると、カナダ・アルバータに本社を置くバネッサ(Vannessa Ventures)社は、コスタリカのサン・カルロス州に保有するクルシータス金露天掘プロジェクト開発に関して、コスタリカ環境保護庁(SETENA)の環境規制上の許可を取得したと報じた。
 同社は、2002年3月にSETENAへ環境影響評価報告書(EIA)を提出したが、コスタリカ政府は同年6月にモラトリアム法令(コスタリカ金露天掘採掘の無期限禁止)により鉱山開発を許可しないと発表したため、同社は2005年7月下旬にカナダ・コスタリカ投資保護協定に基づきワシントンD.C.に本部を置く投資紛争解決国際センター(ICSID)に仲介を申請していた。
 今回、SETENAは国際的な仲介圧力等を背景にバネッサ社が提出した環境影響評価報告書を承認した。今後、同社は30日以内に環境保証及び環境責任の宣誓陳述書を提出し、必要書類が整えば15日以内に鉱山建設開始を意味する環境規制上の正式許可を取得できる。
 しかしながら、コスタリカ地方紙等によると、コスタリカ環境大臣は、SETENAの許可の可否を審議する憲法裁判所がバネッサ社に対して再申請が必要との裁定を出すことを期待していると報じており、一方、仮に鉱業許可の再申請を要すとの同裁判所の判定が下れば、アベール・パチェコ大統領が署名し、2002年6月から有効なモラトリアム法令がバネッサ社に適用され、実質的に露天掘鉱山の開発(坑内掘鉱山は対象外)は困難となるため、今後の憲法裁判所の判決結果が注目されている。

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