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- 金 銅 ベースメタル
チリ、銅価格高騰による剰余金で石油価格安定化基金創設へ
ラゴス大統領は、9月5日、全国のテレビ放送網を通じ、ガソリン価格が現在の水準を上回らないことを国民に保証するため、直ちに次の二つの措置をとることを発表した。
(1) メキシコ湾における精製費上昇の影響を回避するため、輸入原油全量を石油公社(ENAP)の工場で精製すること(今迄は輸入原油の一部をメキシコ湾の米系石油精製所で処理していた)。
(2) 国家予算編成に当って採用した銅の年間平均価格(139¢/lb)と実際の銅平均建値(現時点で155¢/lb)との差額から生じる剰余金(現時点で2億ドル)を投じて、石油価格安定化基金を創設する。このため、基金創設法案を至急国会に提出すること。
チリでは、原油の国際価格にメキシコ湾に於ける石油精製コストを加算してガソリン価格を算出するシステムを取っており、ガソリン価格は毎週変動している。現在のガソリン価格は620ペソ/l(約1.16ドル)である。しかし、米国南部を襲ったハリケーンの影響で9月第3週には750ペソ/lに値上がりするとの見通しが報道されたため、国民の不満が噴出し、ガソリン特別税(価格の約40%)の撤廃や低所得者層がガソリンを購入する際に特別補助金の支給を求める動きが活発化していた。政府はこれまで、そうした動きには一切応じない態度を堅持していた。なお、政府筋は、年末の大統領選挙を意図して今回の一連の措置を採ったのではない旨強調している。
