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ニュース・フラッシュ

鉱種:
ベースメタル
2005年9月9日 ロンドン 嘉村 潤

国際銅研究会の月報(2005年9月)

 国際銅研究会は、9月9日、世界の銅需給に関する2005年6月速報を発表した。2005年6月の見かけ地金需給は6.5万tの生産不足となった。季節調整後の見かけ地金需給では2.2万tの生産不足となった。
 2005年前期(1~6月)の見かけ地金需給は21.9万tの生産不足(前年同期は79.0万tの生産不足)、季節調整後は1.3万tの生産不足(前年同期は58.8万tの生産不足)となった。
 2005年前期(1~6月)の世界地金消費は、前年同期比2.1%減の826.6万tとなった。地域別地金消費では、米国と日本で6月の消費に回復の兆しが見えたものの、2005年前期(1~6月)ベースでは、米国9.7%減、日本7.5%減となっている。EUも10.0%減と低迷しているが、中国は12.7%増、インド12.0%増、ロシア16.0%増となっている。
 2005年前期(1~6月)の世界鉱石生産は、前年同期比4.5%増の721.2万tであったが、これは生産途絶等により非常に低いレベルだった2004年前期と比べた結果の増加である。2004年後期と比較すると2005年前期は5.5%減(精鉱生産で6.0%減、SX-EWで3.4%減)で、鉱山稼働率も2004年後期の94.0%から2005年前期は87.8%と下がっている。2005年前期は、低い鉱石品位、地震や技術的問題等により、チリの鉱石生産が前年同期比1.6%減、2004年後期と比べると12.4%減となっており、このチリの減産、ペルーの前年同期比4.4%減、カザフスタンの20.0%減が、豪州11.0%増、ブラジル106.0%増、インドネシア47.0%増、PNG10.0%増、米国11.0%増で相殺され、さらに上回った結果となっている。
 2005年前期(1~6月)の世界地金生産は、1次地金生産が5.7%増、2次地金生産が1.2%増となり、合計で前年同月比5.1%増の804.7万tとなった。2005年前期(1~6月)の製錬所稼働率は80.7%であった。2004年後期との比較では、2005年前期(1~6月)の世界地金生産は、0.8%減(1次1.7%減、2次5.6%増)となった。2次地金生産比率は2005年1月の12.4%から6月は13.7%に上昇した。地域別地金生産では、アフリカが前年同期比1.8%減、豪州1.6%減、北米1.1%減、EUと南米は増減なし、アジアは13.2%増となっている。
 2005年8月末在庫は、主要金属取引所(LME、COMEX、SHFE)合計で119,273tとなり、先月末から43,389t増加した。COMEXでは減少したが、SHFEで微増、LMEは倍増となった。2004年末のレベルからみた在庫レベルとしては5,016t減少となっている。2005年8月のLME cash price平均はUSドル3,797.75/t、2005年1~8月のLME cash price平均はUSドル3,429.28/tとなった。

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