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カナダの鉱業界 人材不足
カナダ政府機関による調査で、カナダの鉱業界は2014年までに81,000人の人材不足となるだろうという予測結果が出された。これにはいくつかの要因があるが、そのひとつ、これから就職する若者に、鉱業の魅力を伝える難しさがある。ホコリまみれになりながら鉱内でツルハシを振り下ろす50年~100年前の古い鉱業のイメージを思い描く人も多く、そのイメージを払拭する努力が必要だと指摘している。鉱業では従来の熟練工や技師、地質専門家だけでなく、人事労務管理、法律、安全管理などさまざまな職種が鉱業にはあることをアピールする必要がある。
Goldcorp社CEO、Ian Telfer氏は鉱業へのリクルートの一環として研修制度(インターンシップ)を導入した。これはバンクーバーの本社でTelfer氏の下、同氏のアシスタントとして経験を積む人材を毎年1名、同氏の出身校であるオタワ大学MBAの新卒生の中から雇うという試みで、今回、選ばれたMelanie Pilonさんはコミュニケーションの学位を持つ。選ばれたポイントは、鉱業に精通しないということだった。コミュニケーションのスキルを業界に適応させ、ビジネス展開を図れる人材として抜擢された。自分の得意分野を行かせるだけでなく、他のMBA卒業生が得る平均収入の7万5千から8万5千ドルを上回る収入を得ることができると、Telfer氏は鉱業への参加をアピールしている。
デンバーのNewmont Mining社社長、Pierre Lassonde氏も鉱業人材育成に力を入れている一人だ。同氏はトロント大学にLassonde地学工学研究所の設立に貢献した。現在鉱業は金属需要からくる高値で好景気だが、この傾向が下降した時、将来はどうなるのかといった生徒の不安に答えるため、同研究所では生徒が学ぶ鉱業工学を他の業界でも生かせるよう指導していく方針を打ち出している。
