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- 鉱種:
- 銅 ベースメタル
中国国土資源研究院、銅資源の現状と確保のための戦略を紹介
江蘇省張家港市において2005年中国国際銅業セミナーが9月7日から8日の2日間開催された。その中で中国国土資源経済研究院の陳甲斌氏は銅資源の現状と銅資源確保の戦略について、以下のように述べた。
中国国内銅資源の現状については政府の指導にもかかわらず不足しており、海外からの銅資源に大きく依存している。海外の銅資源は鉱床規模、品位、採掘コスト、SX/EWの活用等の優位性を持ち、競争力は劣る。また、中国の銅鉱山は中小規模が多く、これまでの採掘によって鉱量枯渇に面している銅鉱山が多い。その一方で、銅資源生産の主要省は江西省、安徽省、甘粛省、湖南省及び雲南省であるが(国内生産量の75%を生産)、江西省、安徽省、甘粛省は、生産能力の増強と新規鉱山の建設により今後とも中国の銅精鉱生産省として安定した供給省となる可能性を指摘した。
銅精鉱確保戦略については、「走出去(海外進出)」戦略を実施し、海外の銅資源の合理的活用を実践する。すなわち、国内の資源企業の海外進出を奨励し、鉱業権の確保を目指す。また、非鉄メジャーとの正面からの競争を避け、アフリカ及び中国周辺国の中小規模の鉱山開発を目指す。銅原料の確保については、スクラップ、アノード及び銅材を国内状況に応じて輸入構成を調整し、これによって現状よりさらに30万tの銅需要に応じる。また、銅スクラップの再利用強化、外資による銅鉱山開発参入条件の緩和、国内銅資源開発の奨励、中低品位銅鉱床の開発促進など重要であるとしている。
また、中国の銅産業発展に必要な具体的対応として、以下の項目を提案した。
- 国内の銅製錬企業の合併・統合を促進し、集団化を図る。
- 中国の銅産業政策を早急に策定する。
- 国内の銅資源の予備基地及び資源代替区を直ちに選定し、政策的な支援策を講じる。
