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ニュース・フラッシュ

2005年9月20日 サンティアゴ 中山 健

チリ北部で新規鉱業プロジェクトへの電力供給に対する危機感強まる-アルゼンチンからの不安定な天然ガス供給が原因

 9月9日付け地元紙等によると、チリ北部(第I州、第II州)の電力会社2社(Gas Atacama社及びElectroandina社)が鉱山会社に対して電力費の値上げを要請しており、鉱山会社側も、将来の鉱業プロジェクトに対する電力の安定供給を確保するためには、ある程度の値上げは認めざるを得ないと判断している。ただし両者間で値上げ幅に関する合意には達していない。鉱山会社側は、新規電力事業が10~12%の利回りで運営できる程度の電力代値上げは致し方ないと考えているようであるが、電力会社側は過去の過剰投資による損失の埋め合わせを含めて15%程度の利回りを要求する構えであると報道されている。
 これら電力会社は、天然ガスによる発電所と石炭・重油による発電所を合わせると、同地方の電力需要を上回る発電能力を保有している。
 しかし、アルゼンチンからの天然ガスの供給不足が改善されない限り、2006~2007年には電力供給を制限しなければならなくなる可能性が高いという。こうした事態に、地元では、特に新規鉱業プロジェクトに対する電力供給が困難視されると、投資にブレーキをかけることになりかねないとの危機感が強まっている。解決策としては、石炭による火力発電所の建設が最有力視されている。発電コストは液化ガスより高くつくが、石炭の供給は100%確実だからである。

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