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ニュース・フラッシュ

2005年9月26日 バンクーバー 中塚正紀

世界の探鉱予算額が51億USドルに

 ハリファックスのMetals Economics Group社が世界各地の鉱山会社1,400社以上を対象に探鉱予算額を調査した結果、2005年の探鉱予算額は2004年の38億USドルから51億USドルと38%の大幅増となり、1997年に記録された52億USドルに次ぐ探鉱予算額となった。2002年、世界の探鉱予算は、金属価格の低迷により、19億USドルと最低額を記録した。しかしその後、金属、特に銅、亜鉛、ニッケルなどのベースメタルの需要増加に伴う価格の高騰により探鉱予算額も上昇し始めた。中でも亜鉛の探鉱費は2004年から2005年にかけて90%上昇、ニッケル探鉱費も同様に65%上昇、銅も大幅に上昇している。世界第二位のニッケル生産会社であるトロントのInco社は2005年の探鉱費予算を2004年より25%増の、4千万USドルに、バンクーバーのTeck Cominco社も7%増の4.5千万USドルにそれぞれ増加している。
 Metals Economics Group社は1989年より毎年探鉱レポートを作成しているが、2005年初めてアドバンスステージ探鉱費がグラスルート探鉱費を上回った。これは、高値を維持する金属価格の現状を反映し、新しい鉱山開発を早急に進めたいとの企業の意向が表われたものと見られる。国別にみると、カナダの探鉱予算が最も高く、次にオーストラリアが続く。探鉱地域として最も多いのはラテンアメリカ地域、続いて、カナダ、アフリカとなっている。
 現在、市場はベースメタルブームといわれるが、依然として金探鉱は盛んで世界的に見ると、金探鉱費がベースメタル探鉱費を上回っている。会社別では、トロントのBarrick Gold社が2005年の探鉱費予算を2004年より26%増の1.2億USドルに、バンクーバーのPlacer Dome社も20%増の9千万ドルにそれぞれ増額している。

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