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Placer Dome社、ドミニカ共和国で10億USドルをかけた開発計画を発表
バンクーバーのPlacer Dome社は財政面での発展は難しいとして、長いこと開始が待たれていたチリのCerro Casale金銅鉱山の開発計画を遅らせ、ドミニカ共和国のPuebulo Viejo金鉱床の開発を10億USドルかけて行うと発表。これを不服としてチリのCerro Caslae金鉱山のジョイントベンチャーパートナー、バンクーバーのBema Gold社とトロントのArizona Star Resources社は論争を巻き起こす構えがあることを示唆した。 Cerro CaslaleはPlacer Dome社51%、Bema社24%、Arizona Star社が25%を所有する金銅鉱山で、1995年Bema社が発見したが、金属価格の低迷からその開発計画が長いこと棚上げされていた。Placer Dome社Tomsett社長は、「銅1ポンド当り1.1USドルの建値水準が続いたと仮定しても、金の建値が1oz、600USドルにならないとこのプロジェクトは採算が合わない。金の建値は現在470USドルであるが、当面、600USドルに達するとは考え難く、今回の開発無期延期は株主のためにも正しい判断であることを確信している」と語った。 現在、金属価格が高騰していることから、Bema社は開発開始の即断をPlacer社に求めていたが、Placer社は2004年のフィジビリティ調査の結果、鉱床の品位が低いため、銅金の生産に多大な労力を要することなどから資本コストが14億~16億ドルかかること、他にもいくつかの開発計画案を検討したが、鉱石のプロセス方法変更など操業の根本的な見直しが必要となるうえ、すでに6千万ドル費用を費やしていることから、同鉱山での財政的な発展は困難だとし、開発計画を延期するという結論に至った。 Bema社は、Placer Dome社が出した結論は、現在の工事費や材料費でコストを割り出しているが、金属価格は最新の価格を使っておらず、(2000年の建値を活用 金:350ドル/oz、銅0.95ドル/ポンド)不当なものだとし、また、Placer Dome社が2005年末までにCerro Caslaeプロジェクトの資金調達手配をする等の株主間契約に定められた義務を果たしていないとして、同プロジェクトの権利を手放すよう主張している。Bema社は株主間契約に基づき債務不履行通知を出した。今後、調停に持ち込まれ、それで成果がない場合は裁判になることを示唆。 * Puebulo Viejo金鉱床:ドミニカ共和国、首都Santo Domingo市から北西に100kmに位置する。埋蔵量は推定埋蔵量も含め金鉱物1,340万oz、マインライフは20年で最初の6年間で80万ozの金生産が可能とされる。資本コストは10億USドル(現在ある現金資源と、3年間の工事で生み出される利益を運用) *Cerro Casale鉱山:チリ北部のCopiapoから南東に145kmに位置する。埋蔵量は推定埋蔵量も含めて金25.4百万oz、銅64億ポンド、マインライフは18年で年間の平均生産量は金97.5万oz、銅2.87億ポンド。資本コスト16.5億USドル(13億ドルを融資調達、内2億ドルはPlacer Domeが株式で調達予定だった。
