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ニュース・フラッシュ

2005年10月4日 サンティアゴ 中山 健

チリ液化天然ガス購入計画に世界の有力石油会社が応募

 9月25日付け地元紙等によると、チリの石油公社(ENAP)は、8月26日を締切期限として、同国の液化天然ガス購入計画を国際入札に付していたが、British Petroleum、Conoco Phillips、Sansung-Kogasを含む、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、韓国等の有力石油会社が多数応募した。
 現在、ENAPが各社の入札内容を比較検討中であるが、石油価格の高騰もあり、殆どの会社がENAPの当初予定していた液化天然ガス価格の約3倍に昇る価格を設定して来たと云われており、早くも契約の成否を危ぶむ声が聞かれる。
 なお、この計画は、液化天然ガスの購入(当初は1日当り8百万m3だが、暫時増量し、最終的には20百万m3とする)、輸送船の建造、Quintero港(Valparaisoの北約20km)に於けるターミナルの建設と液化天然ガスのガス化設備建設等を含む総合計画である。専門家筋によると、輸送船の建造費に1億80百万ドル/隻、ターミナルの建設費に4億ドル、ガス化設備の建設費に約50億ドルが見込まれている。
 チリは、現在、アルゼンチンからの天然ガスに100%依存しており、かねて、産業界からは供給体制の脆弱性が指摘されていた。2004年、アルゼンチンが国内各地への供給を優先するため、チリへの天然ガス販売協定を無視して、突然供給量を削減してきたことを機に、一挙に危機感が高まりチリ鉱業協会でも将来の鉱山開発への影響を懸念していたところで、ラゴス大統領が直接ENAPに命じて上記総合計画を策定させたものである。

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